感想『ロボットとは何か』(石黒浩 著) / no.d+a
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11.03.05
『ロボットとは何か』(石黒浩著 講談社現代新書)を拝読
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人はなぜ生きているのか どこに向かっているのか
最近漠然と考えてしまう事がなぜか増えてきた
経済原理以外の有効な、全ての人が共有できる原理はなかなか見出せない今の時代を感じると、
だいたいそもそも人間はなぜ生きているんだろう、と自然に考えてしまうからなのかもしれない
どこからやってきて、どこへいくのか
何かの目的があるのか そもそも終わりはあるのか
しかし終わりのないものなどあるのか
なぜこれほど複雑な構造をもった生物が存在する必要があるのか
疑問はつきない
僕の足りない頭と経験では、まったく見えない
でも、この疑問は別に僕だけのものではなく、
人にとっての永遠の大きな疑問だ
もしかすると実は人間はこの疑問を抱き続けるようにしかプログラムされていないのかもしれない
しかし実際はこの疑問に正面から取り組んでいる人はそれほど多くないのではないか
答えが出ないかもしれないことに取り組むことはつらいことだし、
先の見えない難問に取り組みむことを生業にして今の社会で生活するのは簡単なことではないと思う
でもこの本の著者である石黒浩氏はそれに真っ向から取りんでおられる
そう思った
この本は、題名は「ロボットとは何か」だが、実際は「人とは何か」について書かれていると感じた
しかもロボット研究という社会的意義と需要がある分野の研究を通して取り組んでおられるので、
まさにこの永遠の疑問に取り組むことを生業とされている
その上、現実社会と切り離されていないし、一部の研究者や業界・分野の間でしか成立しない話で終っていない。
むしろ日常生活との距離をかなり近く感じる研究と実践で、色々ある経済学研究や政治学研究、または、種々の工学研究なんかより、現実的にも意義が凄く高いように感じた
いわゆる重箱の隅を突く研究とは完全に一線を画してる
いわば、本当の意味での「研究」という仕事の社会的役割を果たされているように思えた
ロボットを限りなく人間に近づけようとする過程で、
哲学・芸術・心理学・社会学と幅広い分野を横断し思考されていて、
それらを含めて工学研究されている
もちろん読者に気を遣ってそうされていると思うが、
工学的な専門用語はほとんど出て来ないで、分かり易い言葉だけで説明されているのは、
その辺のそうした他分野と連携・連動されながら研究しておられる日頃の思考も影響しているのではないかと思う
だから哲学書を読んだ後のような、なんとも言えない、ますます疑問が深まるばかりの気持ちではなく、
なぜか、疑問は全然解消されていないのに、読み終えると清々しい気分にさえなってしまった
と同時に、この人答え出してしまはるうんちゃうやろか、とさえ思えた
そして、仮に石黒さんご自身は答えにたどり着けなくても、
石黒浩さんという「人」を研究することがそのまま、人とは何か、の研究になってしまう気さえした
とにかく面白い著書と著者
ちなみに8月にある紺屋サマースクール2011の特別講師をして頂く予定
今からむちゃくちゃ楽しみだ
(だからいい風に書いているのではけしてありません)
新年あけましておめでとうございます
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11.01.06
旧年中はたいへんお世話になりました
昨年は、
アーバンデザイン賞2010(アーバンデザイン研究体)、
福岡市都市景観賞2010、などの賞を頂戴し、改めて見の引き締まる思いがしました。
本年も精進して参りますので、
相変わりませずどうぞよろしくお願い申し上げます
no.d+a 一同
hair&make nicoがオープンしました / no.d+a
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10.12.13
薬院にhair & make nico 2号店がオープンしました。
http://www.nico-hair.com/
今回内装のデザインを担当させて頂いています。
お近くにお立ち寄りの際はぜひ一度足をお運び頂ければ幸いです。
福岡市都市景観賞2010を受賞しました
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10.12.02
この度、紺屋2023で福岡市都市景観賞2010を受賞致しました。
正直まさかの受賞でびっくりしております。
福岡市都市景観賞は今年で既にもう24回目の伝統ある賞。
これまでに様々な建築物や景観が100件以上受賞しておられます。
この賞は、市民からの推薦によって選考対象作品が選ばれ、
その後審査委員会によって受賞物件が決まります。
今年は約160件の中から8件が選ばれたそうです。
この推薦ですが、他薦以外に自薦も認められているのですが、
ありがたいことに紺屋2023は他薦でして、僕らが知らないうちに応募されていて、
一次審査を通過しましたの御知らせで知ったほどです。
正直最初は、いわゆる都市景観には貢献していないと思うのだけど・・・・・・
といった半信半疑な状態で、まあ駄目だろうと思っていたら、
なんと受賞してしまいました。
受賞理由が、
建物と人々の活動が一体化することで生まれたこの画期的な場を、新たな「景観」の概念として捉えた
ということでした。
これまで、人と物の入っていないのが最も良い状態、というのが建築写真や建築空間の常識だった中で、それに対してずっと疑問を持っていた者としては、まさに人と物があっての受賞ということは、
大変嬉しい限りです。
人があっての景観。
そう思いますので、これからもこういった受賞作品が増えることを期待したいと思います。
そして、今回の受賞は何より「人々」のおかげです。
いつも紺屋に関わって頂いている方々、利用して頂いている方々、お越し頂いている方々に、
この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
野田 恒雄
人のこころ
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10.12.02
白鵬の連勝記録が期待された九州場所だったが、あっけなく2日目に負けてしまい、たいへん残念だった。果たしてもう一度双葉山の記録が破られる瞬間に立ち会えるチャンスはあるだろうか。
負けた白鵬は
「途中で勝ちに行ってしまって負けた。心と身体がバラバラになる気がして休場も考えた」
と漏らしていた。
あれほど冷静沈着な取り口と振る舞いの白鵬からは想像のつかないことだが、双葉山や大鵬でさえその場所に優勝できなかったことを考えると、それでも気持ちのコントロールに長けた横綱なのだと改めて思った。
人のこころとは本当に無常なものだ
最初はこれで充分と思っていたことでも、ちょっとした状況や心境の変化で、その認識は大きく変わる。
平和でさえあればいい
そう思っていても、もっと豊かに、もっと安全に、もっと健康的に、となる。
仕事があるだけでも充分 職につけただけでも充分
そう思っていたはずが、こんな仕事はしたくない もっと割のいい仕事がしたい こんな職場は嫌だ こんな上司は困る もっと待遇を良くして欲しい
となってしまう
彼とは一生の親友だ
と言っていた関係が急にぎくしゃくすることだってあるし、
あんな奴死んでも友達にはなれない
と思っていた相手がふとしたことで親友になったりする。
昨日までは安定していた心がある日突然なんとなく不安定になる
そんな風に人のこころは移り変わっていき、そういう小さな変化が他人へ影響を与え、
最終的に社会の空気や世論を作り出したりさえしている。
初心忘れるべからず
誰しもこの言葉の重要性はよく分かっているはずだが、
心が安定していたり、心に余裕がある時にこの言葉を思い出すのはたやすい。
しかし、この言葉を忘れるような状況の時こそ真価が求められる。
どうやって常に平静で冷静な自分を維持できるか
どうすれば信念や判断の軸がぶれないでいられるか
古今東西問わず、人間の永遠の課題であり、醍醐味でもあるのだ。