『ベンダ・ビリリ!』上映イベントのアフタートークゲストが決定しました!

映画の内容をより多角的にお話しいただける素晴らしいゲストの方をお招きすることができました。
さらに内容の濃いイベントになりそうです。

①3月18日(金)19:00~の回の上映後アフタートーク
サプライズゲスト!!
⇒『ベンダ・ビリリ!』の音楽的な魅力をディープに語っていただきます。

②3月19日(土)11:30~の回の上映後アフタートーク
ゲスト:樋口 龍二さん(NPO法人まる代表理事)
⇒障害のある人が社会と共有できる、時間・空間・仲間の「3つの『間』づくり」をコンセプトとした障害者福祉を目指す[NPO法人まる]の代表理事を務める。障害のある人によるアートを社会に発信し、「仕事」につなげる中間支援組織[エイブルアート・カンパニー]を立ち上げるなど、アート活動をきっかけに他分野とのネットワークを構築し、障害のある人たちの自己表現を促す活動に力を入れている。3月27日までエイブル・アート2011「Life map」をギャラリーアートリエにて開催中。

③3月20日(日)11:30~の回の上映後アフタートーク
ゲスト:松永 誠剛さん(「NAWASHIROプロジェクト」主催)

⇒自己のトリオ「a.s.k」を中心に、南アフリカ、日本、ヨーロッパで活動する福岡出身のベース奏者、作曲家。いまだアパルトヘイトの名残が残るヨハネスブルグの貧民街ソウェト(スラム)で生活する子供たちに、麻薬や犯罪に手を染める前に音楽に触れる喜びを味わってもらおうと自分が使わなくなった楽器を「手渡し」する活動 "NAWASHIRO (=苗代)プロジェクト"の主催者。10年後の2020年、ミュージシャンとなった彼らと一緒にツアーする事を目指している。

やはりアフタートークがある回にご予約いただくお客様が多いです。
お早めにこちらまでご連絡ください。
℡(092)737-7265 (平日11:00~18:00、イベント期間中10:00~20:00)
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メディア芸術オープントークなるものに参加

文化庁が主催している「メディア芸術オープントーク」、意図は以下の通り。

文化庁では,マンガ,アニメ,ゲーム,メディアアートなどのメディア芸術の関係者・関係機関のネットワークを構築し,メディア芸術に関する情報の収集・発信と関係機関等の連携・協力を推進することでメディア芸術の一層の振興を図る「メディア芸術コンソーシアム構築事業」を平成22年度から実施します。

とのことで、会場の福岡アジア美術館に足を運びました。

隣の会場ではなんと!萩尾望都先生のトークショーが。
こちらのトークショーは20倍という倍率で抽選に当たった人たちが集まっていたとか。

メディア芸術の方はというと、偶然通りかかった人たちも参加というのんびりさでした。

トークの参加者は京都国際マンガミュージアムを関わった京都精華大学芸術学部の島本浣さん
アーティストでもある東京藝術大学大学院映像研究科の藤幡正樹さん
カルチュラルスタディーズの中心的な存在である東京大学大学院情報学環の吉見俊哉さん
そして「趣都の誕生 萌える都市アキハバラ」の著者である明治大学国際日本学部の森川嘉一郎さんの4人。
森川さんが基調講演でした。

出席してはじめて知りました。
今日のテーマは「オタク」...。

大学院生時代、私の回りにも「オタク」研究者はたくさんおり、ず~っと話を聞いているのは苦手かもと思ったのですが、
森川さんの話がおもしろかったああ。
彼は、元々建築の出身、ある時、福岡・九州にも縁が深い磯崎新さんにヴェネチア・ビエンナーレの日本館コミッショナーをやれと声をかけられたのだとか。

そして開催されたのが「おたく:人格=空間=都市」展。

これが評価され、現在は明治大学において「東京国際マンガ図書館」(仮称)を2014年度に開設すべく、準備を行っているそうです。

国をはじめとする自治体が文化、特にこのようなサブカルチャーに関与してくるというのはいかがなものか?という疑問があるので出席したんですが、森川さんの明快な答に目からウロコが落ちました。

要はアーカイブの重要性なんですね。

森川さんいわく、国会図書館でもマンガはすべて保存されていないし、保存されているマンガもすべてカバーが取り外されているらしい。
基本的に国会図書館に集まっているのは、出版社が自主的に送るシステムらしく、送ってないものは当たり前のように保管されてないってことです。
ましてや、同人誌などは問題外ってこと。
だから同人誌や絶版になったマンガは今、ボランティアグループが収集し、自分たちがお金を出し合って倉庫を借り保存しているとか。
なので、国や自治体はこれらペイしない保存をやってほしいと言うのです。

好きなものばかりを集めるコレクションではなく、網羅して集めることが重要なのです。

そのモノの価値が定まらないものにお金をかけることが最も苦手なのが日本でしょう。
浮世絵など、海外で評価されてはじめてその価値に気付くのですよ。
藝大の藤幡さんが言ってました。「藝大には、浮世絵も漫画も教える人はいない」と。

同時代に発生しているマンガを収集し分類して後生に残すこと。
50年、100年経ったときに重要な資料となることを信じて森川さんの図書館づくりが始まっています。

応援したいですねえ。


 

なぜか今、三島由紀夫。そして「金閣寺」。

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恐るべし!宮本亜門!!恐るべし!森田剛!! 

神奈川芸術劇場(KAAT)のこけら落とし公演であるこの舞台「金閣寺」。
キャナルシティ劇場での公演を見に行き、演出のすごさと主人公・溝口になりきった森田くんに驚きました。
森田くんは亜門さんのご指名による出演です。

演出は、KAATの初代芸術監督を務めている宮本亜門さん。

昨年、亜門さんにインタビューする機会があり「金閣寺」を選んだ理由をお聞きしたとき、亜門さんが言われたのは
「いつも海外で公演するときに、劇場関係者に言われるのは...なぜ日本人は翻訳物が好きなのか。
自分たちが見たいのは日本的なもの、日本人じゃないと演れないものをやらないのか?ということ。
だから、日本的なこの作品をやってみようと思った」
とか。

その思いは見事にこの舞台に結実しとりました。

吃音のために外界との扉を閉ざし、コンプレックスの塊である溝口、
どこまでも素直に伸びやかな、誰からも好かれる性格の鶴川(大東俊介)、
足が不自由であるにも関わらずまったくそれを意に介さず、逆にそのハンディを利用して器用に生きる柏木(高岡蒼甫)。
この青年たちの微妙な関係にフォーカスした舞台です。

20分の休憩をはさんで3時間の舞台ですが、森田くんはほとんど舞台に出てしゃべっています。
恐るべし!でしょ?

でも今回最も注目すべきはやっぱり演出!

劇場関係者いわく、照明チェックに2日間かかったそうですが、照明だけではなく、舞台セットも美術も音楽もすべてが計算されつくしたもの。
舞台装置は学校にある椅子と机、それが道となり壁になり、階段になるなどあらゆる場面に変化します。
その動かし方もパフォーマンスであり、かたときも舞台から目が離せない状態です。
そして、亜門さんが「金閣寺」をやれると確信したのが、この舞台に登場する「ホーメイ」という独特の歌唱法で歌う山川冬樹さんという存在がいたことらしい。
金閣寺そのものを象徴する鳳凰という役柄を美しい肉体と声で演じているのですが、この人が出てくると、目は釘付けでした。

いやあ、知りませんでした。
この方もホーメイという歌も。要注目です!

福岡の演劇関係者は「完璧な演出」と絶賛しておりました。同感です!

ダンスのように流麗な身体表現で机や椅子を動かすパフォーマンスを舞踏集団「大駱駝艦」がやっているのですが、彼らを知らない若い女性たちは「あの動かす人たちもカッコ良かったねえ」と噂しておりました。
あれが大駱駝艦たい!と説教しそうになりました。

この舞台を福岡で見ることができただけでも、キャナルシティ劇場ができて良かったと実感しました。

先月は東京で「ミシマダブル」の「サド侯爵夫人」を観劇。

蜷川幸雄演出で少年隊の東山くんと生田斗真くん。これも膨大な台詞量。
しかも「わが友ヒットラー」との2本立て(どちらも三島由紀夫の戯曲)を昼夜行うという信じられない舞台ですよ。

ジャニーズ事務所のメンバーは鍛えられ方が違うってことでしょうかねえ。

そして、価値観が大きく変わろうとするとき、三島由紀夫が注目を浴びるのでしょうか。