ほぼ日新聞に一風堂の河原成美社長が登場です!

すっかりのご無沙汰でした。すみません。
5月から心をいれかえてまたブログ書いていきますので、よろしくお願いします。

ほぼ毎日チェックしている、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」に、福岡・大名、この紺屋2023のすぐそばに本店があるラーメン屋、全国的にも有名な「一風堂」の創業者、河原成美(かわはらしげみ)社長が登場しています。

それも、糸井さんとの対談「社長に学べ!」シリーズです。
これまでに登場しているのは、日本マクドナルドの原田さんやTSUTAYAの増田さん、任天堂の岩田社長などなど。
そんなメンバーに交じって対談とは!驚きました。
そして、とっても嬉しいですねえ。
かつ、この対談が面白い!!

30年まえくらいから河原さんとは知り合いです。
対談にも出てくる今泉の「アフター・ザ・レイン」という店をしているころからの知り合いで、仲間うちでは「しげみちゃん」と呼ばれています。
ラーメン屋を始めるために修行に行ってたことも、女性が一人で来られるようなラーメン屋を造りたいったい!と言ってたことも知ってます。

そして、今でも「しげみちゃん」の夢は尽きないようです。
この対談で明らかになっていくでしょう。
いつまでも、原点を忘れない人ですばい。

「ほぼ日刊イトイ新聞」博多一風堂 店主・河原茂美×糸井重里 一風堂のラーメン進化論はコチラ→
http://www.1101.com/president/kawahara/index.html

花見の宴前に、ぜひ読んでほしい「実さえ花さえ」

実さえ花さえ_R.jpg

ご無沙汰してました。
あまりに面白く、紹介したくなりました。
ぜひ、花見の前に読んでください。

コピーライター歴25年の浅井まかてさん、書いた初めての小説で講談社の第3回小説現代長編新人賞 奨励賞受賞したのが「実さえ花さえ」。
この本、実は音楽プロモーターBEAの社長、通称サブちゃんが「これ、おもしろいけん、読んでみてん」と言って貸してくれました。

一気に読み終えてしまいました。
1作目とは思えない熟練の味です。ページをめくるのが楽しみでもあり、読み終わるのが寂しくもあり。

物語は松平定信が先の老中として登場するので、時代は19世紀に入ろうという頃かな。武士だけではなく、庶民の間にも花いじりが道楽として愛されていた時代の話です。

登場人物すべてが魅力的で、しゃべる言葉も美しい。
日本の美しさが花に、樹木に、景色に食べ物に、人柄に表現されている稀有な物語となっています。
桜草から始まり、ソメイヨシノで終わる花尽くしのお話、自然の中から生まれた草木が人の手を介すことで、さらに美しく生まれ変わる様子が、興味深く描かれます。

登場人物をめぐって、これがまたミステリーのような展開で、胸をドキドキさせながら読みました。
そして読み終えると、「ぜひ読んでみてん」と薦めたくなる、サブちゃんの気持ちが良く分かりました。

タイトルは、「命あるものはすべて、実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」この一節から生まれました。
テレビドラマにでもしてほしい作品です。

今年の花見では、この本で得た知識を偉そうに講釈していると思います。

見逃せなくなった朝ドラ「カーネーション」

いまひとつ、見るのを楽しみにできなかった「カーネーション」でしたが、主人公の糸子が愛する男性として綾野剛クンが出演してからというもの、毎朝楽しみになりました。

綾野剛くんといえば、NHKで話題になった「セカンドバージン」で鈴木京香のダメダメ息子を演じていましたし、さらに2年前の「Mother」、あの芦田真菜ちゃんに泣かされたドラマで、真菜ちゃんを虐待する母親に尾野真千子さん、そのダメダメ愛人役が綾野剛くんでした。

そんなダメダメ役とは大きくイメージを変え、素敵なテーラーとして出演、いきなり注目を集めました。
でも残念ながら、あっという間に糸子の子どもが大きくなり、綾野クンの出演もなくなりました。

しかし!ここからさらに見逃せなくなってしまいました。

というのも、私が高校時代から働きたくてたまらなかった出版社が「文化出版局」。
そう、長女と次女が東京でファッションを勉強したいと入学したのが、文化服装学院。
文化出版局が出版している「装苑」はこの文化服装学院が母体となっています。

大学4年の就職時期に、私はこの文化出版局を受験に行きました。
ま、落ちたんですけど。
高校時代から「装苑」が好きで好きで、今週、役名・直子が受賞したのがこの「装苑賞」です。

コシノジュンコさんは文化服装学院に入り、2年の基礎コースを1年で終え、飛び級で小池千枝の担当するデザイン科へ進んだとか。
同級の9期生には、ケンゾーの高田賢三、ニコルの松田光弘、ピンクハウスの金子功ら、後のファッション界をリードする人材が揃っており、「花の9期生」と呼ばれていました。
ドラマに出てくる3人の男性たちです。

あの4人そろった写真も有名な写真です。コシノジュンコはデザイン科在学中の1960年(昭和35年)、この装苑賞を最年少の19歳で受賞。
ケンゾーも同時に受賞しています。
そして、番組では原口先生という男性になっていますが、モデルは小池千枝さんでしょう。

日本人に合う立体裁断用の人台(ボディー、トルソー)を開発し、また1957年から文化服装学院として男子学生の入学を開始するなど、日本のファッション界を世界的レベルに押し上げた人です。
その実績から日本ファッション界の"ゴッドマザー"であり、日本以外でも"マダム・コイケ"として有名です。
まだご存命ではないでしょうか。

最後に蛇足ながら、綾野剛クンの話題です。
なんと、今年の8月、新感線のいのうえひでのりが演出をし、音楽を布袋寅泰、共演に橋元じゅん、右近健一という音楽劇・雪之丞一座~参上公演「サイケデリック・ペイン」が東京サンシャイン劇場で上演です。

こりゃあ、見ないといかんです。
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こんなの福岡にもほしい!大人のための「蔦屋書店」

芝居のついでに、ぜひ訪れたかったのがここ「おとなTSUTAYA」です。
若者をターゲットにしていたTSUTAYAが、いわゆるおとな、団塊世代に向けて商品を発信することに決めた場所。

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東京・代官山の約4,000坪の敷地に、「代官山 蔦屋書店」を中心とした複合施設、「代官山T-SITE」が誕生しました。Tの文字をモチーフにしたファサードが印象的です。

建築は指名制プロポーザルで、イギリス出身のマーク・ダイサムとイタリア出身のアストリッド・クラインのユニット、クライン ダイサム アーキテクツが選ばれました。デザインワークは原研哉さん、空間演出は池貝知子さんが手がけたそうです。

「ほぼ日刊イトイ新聞」の対談で、TSUTAYAの社長・増田宗昭さんが「代官山オトナ計画」として、今までになかった店舗を展開すると言っていたのを楽しみにまっておりました。
→「ほぼ日刊イトイ新聞」はコチラhttp://www.1101.com/president/masuda-index.html

対談では2011年初夏にオープンといっていたのに、オープンしたという噂もなく、秋に延びたらしいと聞いて心待ちにしていたら、結局12月にオープンだったようです。

建物は3つ。その3つにまたがってマガジンストリート(雑誌コーナー)があり、
その両側に文学、アート、クルマ、料理などと分野分けがされています。

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映画のジャンルでは、廃盤になったりDVD化されていない名作をその場でDVDにしてくれるという画期的なサービスがあります。

音楽のジャンルでは、クラプトンの来日にあわせ、エリック・クラプトン使用のギターが飾ってあったとか。

もっともこだわっているのが人材だそうで、それぞれのジャンルにコンシェルジュと呼ばれる人たちがいる。
1000人ぐらいから選ばれた精鋭たち。
ジャズのライブハウスをやってた人、老舗の大手書店に長年勤めていた人、大手出版社の編集者、旅の達人とか...。

中でも、福岡にほしいと思ったのは、中央部分2階に位置するラウンジ部分。
図書館とカフェバーを融合させたような雰囲気。

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中央にあるカウンター台は本屋美術展のカタログで出来ています。

そして何よりすごいのは、このラウンジの壁をより囲んでいるのは雑誌のバックナンバーです。
平凡パンチやガリバー、アンアンなどマガジンハウスの雑誌はもちろん、エルやエルデコ、新建築、03、写楽など、いまや廃刊、休刊となった雑誌までもがひととおりそろっています。

雑誌好きとしてはたまりません!
毎朝、出勤前に、夜はアフター5に通いたくなる空間です。

お腹がすいたら、cafeダイニング「アイヴィープレイス」へ。
ランチタイムもディナータイムも1時間待ちの大盛況ですが、暇つぶしはいくらでもできますから、名前を記入しておけば、○○時にお越しくださいと案内されます。

今行っておくべき空間でしょう。

「下谷万年町物語」と「寿歌(ほぎうた)」、いずれも1980年前後に初演です

1981年、現在はパルコ劇場である西武劇場で、作・唐十郎&演出・蜷川幸雄のコンビで上演されたのが「下谷万年町物語」

出演者数は男娼役だけで100人以上、本水を使った大きな池や舞台を覆う長屋のセットとその大規模な舞台に驚いた初演だったそうで。
残念ながら見ていません。

その再演は実現不可能として語り継がれていました。
しかし、それから20年あまり経った2012年、シアターコクーンの再オープン杮落としに、あの舞台がよみがえったのです。

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唐十郎が幼年期をすごした「下谷万年町」を舞台にした超大作です。
敗戦直後、社会の底辺で力強く生きる人間たちのすさまじいエネルギーを描きます。

出演は宮沢りえ 藤原竜也 AAAの西島隆弘くん。
この西島くんが良かった!

昭和の少年を見事に演じてました。
音楽グループAAAのメインボーカル、オーディションに合格してAAA結成したらしいです。
園子温監督の話題作、「愛のむきだし」では主演を務めています。

さすが、蜷川さんの男を見る目(?)は確かですねえ。

初演では、宮沢りえの役はもちろん李礼仙が、そして藤原くんの役を当時新人だった渡辺謙さんが演じていたそうです。

3時間半の長丁場、ストーリーの意味はほとんど分かりません。

そこで、思い出しました!
唐さんの舞台は、赤テントで見たときも延々4時間くらいあって、その間、ほとんどストーリーは分からないし、狭いテントの中で芝居を見続けるって修行みたいだなあと思ったことを。
それでも、迫力がすごくてずっしり何かは伝わってきてたんです。

でも今回は、舞台は美しくなったしお金もかかってるけど、エネルギーは伝わってこなかったです。
西島くんを見られたことが収穫かな。

さて、もう1本は劇作家の北村想が1979年に書いた「寿歌(ほぎうた)」を見ました。

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こちらは主役の堤真一が見たくて。
共演は戸田恵梨香と新感線の橋本じゅんさん。

この舞台、私は知らなかったのですが、80年代の小劇場演劇の幕を開けたエポックメーキングな作品であり、現在の高校演劇の基礎までも作ったという作品らしいです。

物語は近未来、核戦争で全てが瓦礫となった世界。誰もいなくなった世界に、芸人のゲサクとキョウコはリヤカーをひいて歩いている。行く先々で芸を見せながら食いつないでいく。しかし回りは、人の気配などまるでない。そこへ、ヤスオという男が現れる。

そういう3人だけの舞台です。
ゲサクは戯作、キョウコは虚無、ヤスオはヤソ。テーマは世界の終わり。

でも、オール関西弁で乗り切り方が妙に明るい。
前向きなのです。
この上演は東日本大震災の前に決まっていたそうですが、放射能が降ってくるとか、ガレキの世界とか、この時期に見ると、身近に感じてしまいます。

この作品が日本の演劇史に残した意味はとても大きいらしい。
演出は千葉哲也、また再演されたら見てください。

でもこれも、ストーリーはほとんど分かりません。
ま、見た!ということに意味があるということで。