「痩せたほうがいいよ」なんて、もう、お父さんに言うのやめます。

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11月9日(水)レディースデー

昨日は、支配人のM姉さんが、今年4月くらいからモーレツにお薦めしていた
「エンディング・ノート」をKBCシネマで観賞。

絶対、号泣しちゃうんで、映画館で観るのは躊躇していたんですが、
支配人の
「大丈夫、周りでみんな嗚咽してるから」
という言葉に背中を押され、1人で観に行きました。

口コミでも話題になっているので、
ご存知の人も多いと思いますが。

この作品、ステージ4のがん告知を受けた元熱血サラリーマンの父親が、
仕事ばりに自分の葬式までの段取りを組む姿を
その娘(次女)が追ったドキュメンタリー。

ちなみに、この砂田麻美監督は、フリーの助監督として
是枝裕和監督の作品にも何本か参加していて、本作が監督デビュー作。
是枝監督がプロデュースを務めています。
だからでしょうが、是枝監督がご自分のお母さんの死後に撮った
「歩いても歩いても」にも通じる
"わかるわかる"な空気感が漂っているんですよね。

最初の遺影のシーンから涙が出ちゃって、
案の定、終盤は嗚咽してました。帰りは支配人にも挨拶せず、そっと退場。
これで感動しない人はいないでしょう。
単純に泣けるということではなく、
死に方とか家族との関係について考えてしまう。

この映画の肝は、何事にも"仕事ばり"取り組んじゃうお父さんのキャラです。

明るく、まじめで、ガッツがあって
入社以来、仕事一筋で、勤めた製薬会社の役員まで上り詰めた
高度成長期の典型的なジャパニーズ・サラリーマンのお父さん。

驚くのは、どこまでも前向きで謙虚で冷静さを失わないお父さんの立派さ。
その立派さが、時々場違いで妙に笑えたりするわけです。

だって、自分ががんで余命いくばくもないのに、
どこに行っても、誰に対しても
「私事で恐縮ですが...」とか、
「ご迷惑ばかりおかけし、申し訳ありませんが...」とか
周囲への気配りばかりしているんだもの。

自営業でわがままなうちの父親につめの垢でも煎じて飲ませたい。

とはいえ、6ヶ月前にはあんなに恰幅良かったお父さんが
6ヵ月後には別人のように痩せてしまうとは...。

原田芳雄さんの最後の舞台挨拶の模様を観た時も思ったんですが、
人って病でこんなにも急激に痩せてしまえるもんなんですね。

うちの父親も太めで、会うたびに
「痩せたほうがいいよ」なんて言っちゃうんですが、
もうそんなこと、言うのやめることにします。

でも、うちの父親は糖尿の気があるから、
やっぱり痩せたほうがいいのか...。

『I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT NOW CHANGE』

週末キャナルシティ劇場で『I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT NOW CHANGE』を観劇しました。
中川晃教 / 白羽ゆり / 神田沙也加 / 米倉利紀とメンバーはこの4人だけ。
オフブロードウェイで大ヒット上演されていたミュージカルなんだとか。

友人に誘われてチケットを取ってもらったとはいえ、その後も予備知識が全くないまま会場へ。
最近宝塚を卒業したばかりの白羽ゆりと、私が10代の青春を捧げたと言っても過言ではない米倉利紀が出演しているというだけでも楽しみです。

歌は間違いない4人だけど、"ブロードウェイミュージカル"という説明で、結構苦手なたぐいのベタな青春ものだと思っていたのでびっくりでした。

「男と女の愛の形」を18のシチュエーションに分けて表現したオムニバス形式のミュージカル
音楽は生のピアノとバイオリン。
たった4人なのに、場面ごとに暗転することもなく、宝塚も顔負けの早変わりをしながら、ノンストップで次々別の人間を演じていくという耐久レースミュージカルです。

設定はもちろん全部外人。
友近&なだぎの「ディラン&キャサリン」的な演技に爆笑しつつ、葬式で老女をナンパするおじいちゃんの洒落たお話にはちょっとホロリ。
存在自体が漫画っぽい神田沙也加がハマりまくってます。

次から次へと展開する「男女の愛の形」を見ながら、今こうしている間も世界中の男と女が出会いと別れを繰り返してるんだなーと、ふとしみじみしたり。

なんと、この日は全ての公演の千秋楽だったんだそうですよ(本当に何も知らない奴)
最後にあいさつした白羽ゆりが「今まで叫んだ事ないような言葉のオンパレードが自分にとって挑戦でした」と恥ずかしがる姿に萌えました。

宝塚では「コンドーム!」って叫ぶことないもんなあ。
逆言葉攻め...グフフ。

小林賢太郎K.K.P.#8『うるう』

『ラーメン侍』に忙殺されてブログはかけませんでしたが、週末はお芝居で息抜きしてました。
ここ半年面白かったのは、ももちパレスであった『クレイジーハニー』(本谷有希子)と博多座『ノバボサノバ』、宝塚バウホールの『おかしな二人』。
これから2月までの観劇予定は、キャナルシティ劇場『I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT NOW CHANGE』、福岡市民会館『我が愛は、山の彼方に』(宝塚)、キャナルシティ劇場『ロッキーホラーショー』(劇団☆新感線)、北九州芸術劇場『90ミニッツ』(三谷幸喜)、北九州芸術劇場『テトラポッド』(柴幸男)、宝塚大劇場『オーシャンズ11』(宝塚)、中日劇場『仮面のロマネスク』(宝塚)です。

そんな中から、チケット発売前に是非皆さんにご紹介したいのが、小林賢太郎の新作公演『うるう』。
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キャー!コバケンよ~!(鼻血)

以下の公式HPから抜粋です。

K.K.P.#8『うるう』が発表になりました。

「K.K.P.」というのは、小林賢太郎による演劇作品のことです。
ポツネンやラーメンズのような短編集ではなく、ひとすじの物語です。

脚本・演出、小林賢太郎。
役者は、小林賢太郎ひとりです。

でももうひとり、心強い共演者がます。
役者ではなく、チェロ弾きです。
徳澤青弦。これまでの僕の舞台にも、沢山の素晴らしい音楽を添えてくれたアーティスト。

今回はなんと、生演奏です!
徳澤青弦のファンのひとりとして、とても光栄です。
いやー、気合いも入るというものだ。

この「うるう」は3年前から作りはじめていました。
今年の夏まで上演されていたポツネン『the SPOT』に「うるうびと」というタイトルのコントがありましたが、これは「うるう」のアイデアの一部をコント化したものでした。
設定など少し共有する部分はありますが、ストーリーはあんまり関係ありません。
コント版をご覧になっていないお客様にも「うるう」はお楽しみいただけます。

2011年12月21日から2012年2月29日まで。
全国8カ所の劇場で上演致します。お楽しみに!

小林賢太郎

楽しみ楽しみ!!!キャイキャイ!(ばか)

一度見てみたいなーと思った方、チケットは毎回瞬殺即完です。
使えるコネは全部使ってください。
そして私に連絡ください(真剣)
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ミュージカル「オペラ座に怪人」25周年記念公演が映画で登場!

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ロンドンで、ニューヨークで、そして劇団四季でも見たミュージカル「オペラ座の怪人」。

豪華な衣装や舞台装置に大金をつぎ込むメガミュージカルの先駆けとして、1986年にロンドンのウエストエンドで初演、1988年にはニューヨークのブロードウェイでも上演がはじまり、大ヒットとなったのはご存知のとおり。

ロンドンでは「レ・ミゼラブル」に次ぐミュージカル史上第2位、ニューヨークでは史上最長ロングラン公演記録を現在も更新しています。

何よりも曲が素晴らしい!

作曲は、いくつもの大ヒットミュージカルを手がけてきた、アンドリュー・ロイド=ウェバー。
代表曲の「The Phantom of the Opera」は、当時の妻だったサラ・ブライトマンのために作った曲だと言われています。

ロイド=ウェバーが、当時ミュージカル俳優としては無名だった妻サラを、ニューヨークブロードウェイの俳優協会の反発を押し切って主役に抜擢したとか。彼女の音域に合わせて作ったとも言われてます。
今や、歌姫(ディーバ)となった、世界のトップスターに押し上げた作品でもあります。

その「オペラ座の怪人」が、25周年を記念して、今年の10月1日と2日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで公演が行なわれました。

行きたかったなあ。

公演には、総勢200名以上の出演者およびオーケストラが登場。映像を多用した特別演出に、舞台セットの目玉として、映画版で使用された2万個ものフルカットのスワロフスキー・クリスタル製シャンデリアが華を添えたとか。

そして!カーテンコールでは、作曲家のアンドリュー・ロイド=ウェバーが感謝の言葉を述べたあと、ロンドン初演で怪人を演じたマイケル・クロフォードと、クリスティーヌ役のサラ・ブライトマンが登場。

さらにサプライズは続き、コルム・ ウィルキンソン(カナダ初演キャスト)、アンソニー・ウォーロウ(オーストラリア初演キャスト)、ジョン・オーウェン・ジョーンズ(現在のロンドン公演キャスト)、ピーター・ジョバック(次期ロンドン公演キャスト)の新旧4人の怪人が姿を現し、サラ・ブライトマンとともにメインナンバー「The Phantom of the Opera」を熱唱したそうです。

残念ながら日本の初演怪人だった市村正親さんは呼ばれてないみたいですねえ。

この公演が映画になって日本でも見られます。
福岡では天神東宝で11月26日(土)から12月2日(金)までの1週間の上演

もう絶対お見逃しなく!!です!

都築響一さんとめぐった福岡県、深かった!

知る人ぞ知る名編集者といえば、私にとっては木滑(きなめり)良久さんと、都築響一(つづききょういち)さんなんです。

木滑さんの説明は、後日に回すとして、都築さんが福岡にやってきました。

数年前に「ブックオカ」で来られたときも、昨年、福岡市美術館に展覧会でトークをされたときも、もちろん行きました。
そして今回、紺屋2023の家主でもある株式会社ショーソンの松村さやかさんが、都築さんを呼んでくれました。

都築さんの紹介をすると、
1976年から86年まで『ポパイ』『ブルータス』誌で現代美術、建築、デザイン、都市生活などの記事を担当。
1989年から92年にかけて、1980年代の世界の現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』を刊行。
1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を発刊。
1996年発売の『ROADSIDE JAPAN』(日本各地に散在する秘宝館や村おこし施設などの珍スポットを追う写真ルポルタージュ)で第23回・木村伊兵衛賞受賞。
その後も全国、どこにでもあるというスナック「来夢来人」をめぐって連載したり、現代美術、建築、写真、デザインなど広範な分野での執筆活動、書籍編集を続けています。

本人いわく、お金のある編集者ならライターもカメラマンも雇えるけど、お金がないので、自分で全部やるとのこと。
そんなニワカカメラマンが木村伊兵衛賞を受賞するんですから、どんな才能なんじゃい!?と思いますよね。

残念ながら講演会は行けなかったのですが、翌日の16日日曜日に催された「都築さんと回る福岡秘宝ツアー」(私が勝手に名づけました)に参加。

総勢20名ほどがマイクロバスに乗り込んで、出発です!
私たち参加者も、なんと、都築さんも行き先を知らないというツアーです。
知っているのはコーディネートしてくれている薬院「回」の佐野さんご夫妻と、さやかさんのみ。

大名を出発したバスは、一路、南へ!
たどりついたのは、行ってみたかった「不思議博物館」
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「ミュージアムシティ天神」参加アーティストでもあった角孝政さんが館長を務めるところ。
角さんの作品とともに、角さんが愛するモノたちでいっぱい。
メイドに扮した「不思議ちゃん」お二人が出迎えてくれました。ここは、車じゃないと行けないです。

次に向かったのは、大野城市の「鏝絵(こてえ)美術館」。
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住宅地の中に目を見張る外装のアパートが見えてきました。
鏝絵とは、家や蔵の壁にしっくいやセメントで装飾された日本式レリーフのことです。
有名なのは大分の安心院や伊豆の長八美術館。ここは、左官であり大工であるオーナーの三浦辰彦さんの作品が外にも中にもびっしりです。

そしてバスは大牟田に向かいました。
これまた住宅地の中、一見、普通の住宅をよく見たら、鶴と亀のレリーフがこれまた植木や壁、階段にびっしり!
ここは通称「鶴亀ハウス」といわれているそうですが、看板には「つるかめ便利屋」と書かれていました。
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こちらも、左官・大工さんのようです。
鶴や亀に混じって、キティちゃんやドラえもんもいました。

次は夏だけ営業の「ビヤガーデン博多屋」さん。
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創業昭和23年、大牟田市の中心街においてキリン生ビールの専売の店を営業し続けていらっしゃいました。
中庭があるのですが、これがまた大きな木に不思議な建物や池があり、ここにテーブルを置いてビールを飲むのだとか。
いやあ、ここ良いです!
野外ライブなどもやっているそうで、都築さんも、今度は大牟田に泊りがけで来て楽しみたいと言ってました。

他にも、大牟田には「年金通り」という飲み屋街があり、昼間からカラオケが聞こえ、夕方5時にはもう酔っ払ったオジさんが店を占拠、碁会所もあって、ここでは年金を使ってさまざまに楽しめるようです。

大牟田に行く前に田主丸の「鯉とりまあしゃん」で、昼食。
伝統の漁法「鯉抱き」といわれる手法で大きな鯉を捕らえることで有名だった人です。
店舗の2階は鯉とりまあしゃんのちょっとした博物館になっていて、大画面で鯉を捕っていたまあしゃんの映像を楽しめます。

さすが、都築さんとともにめぐる福岡県内ツアー、楽しくて深かったああ。
大満足の秋の1日でした。