宝塚☆宙組『美しき生涯―石田三成 永遠の愛と義―』

宝塚ファンの大石静脚本。
石田三成と茶々のハーレクインロマンスでした。
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上司(豊臣秀吉)の命令にさからえず、恋人(茶々)を差し出すことになる三成。
しかし茶々子飼いの甲賀衆・疾風にそそのかされ、秀吉の元に連れて行く前に、三成は茶々を抱きます。
その後誕生した豊臣家の嫡男・鶴松は、秀吉とは似ても似つかない不義密通の子。
周囲から疑いのまなざしを向けられる中、やがて何者かの手によって鶴丸が毒殺されると、三成は疾風に再びそそのかされ(流されすぎ)茶々との間に2人目の子供・拾丸をもうけます。
おおっぴらに愛し合う事ができないという障害が、2人の愛をより激しく燃え上がらせる...とかなんとか。
しかし秀吉亡き後、つもりにつもった恨みに燃える北の政所(ねね)の根回しで、七本槍が次々反旗を翻し、三成は秀吉への忠義の為、茶々への愛の為に、勝算のない戦に出るのですが...

最近、石田三成がブームだそうですね。
宝塚ファンで歴女の大石静先生のフィルターを通すと、石田三成は<真面目で融通が利かないわりに、意外と流されやすい基本的にM男の武将>ということになるようです。

今回の公演から組替でやってきた2番手の凰稀かなめが甲賀忍者・疾風に扮しています。
GLAYのTERUに似ている事から「テル」という渾名がついているだけあって、トップスターのゆうひ君(大空祐飛)と並ぶと完全にビジュアル系。
ツートップだけが派手に他から浮いてる感じ。
まんまと宝塚ファンの好物ユニットが誕生しました。

そして、この疾風のキャラ設定がすごかった。
仮にも殿様の石田三成に対し、いつも命令口調。忍者なのに多弁。

「姫(茶々)を抱け!あいつら(七本槍)は腕はたつが頭は空っぽだ」

石田三成をというか豊臣家を裏であやつっていたのはこの人でした。
...福島正則、加藤清正ら七本槍をアホ扱い。
そして実際、軽~い感じに七人まとめてしまってる辺り、演出の石田先生も遊びすぎです。

とはいえ、忠義と愛の狭間で揺れ動く石田三成に萌えという、宝塚ファンで歴女で腐女子の大石静先生の脚本は非常に好評。めがねも大変楽しませてもらいました。

6月20日までは宝塚で公演中、7月8日~8月7日まで東京宝塚劇場で上演されます。

もうそっくり!ゲンスブールとバルドー

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フランスで作曲家、作詞家、歌手、映画監督、俳優として幅広く活躍したセルジュ・ゲンスブールの没後20年を迎える今年、「ゲンスブールと女たちが日本で公開。

1991年3月2日、多くの伝説と名曲、映画を残し、62歳でこの世を去ったゲンスブールは、放送禁止となった過激なヒット曲「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」をはじめ、テレビの生放送でフラン札を燃やすとか、フランス国歌をレゲエで歌うなど世間から逸脱した行為で話題を集めていました。

己の醜さにコンプレックスを抱きながらも、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキン、ジュリエット・グレコ、フランス・ギャル、カトリーヌ・ドヌーブ、エディット・ピアフ、ヴァネッサ・パラディら美女たちに愛されたフランスきっての大人の男でもありました。

監督したのはこれが映画初監督となる気鋭のバンドデシネ(フランスのコミック)作家・ジョアン・スファールで、ファンタジーの要素にあふれ、音楽満載の個性的な伝記映画に仕上がっています。
実写にアニメーションが盛りこまれていたり、空想上のキャラクターが登場したり、苦しいのに楽しい、悲しいのに美しい映画です。

ナチス占領下のパリで少年時代を過ごしたロシア系ユダヤ人のリュシアン(ゲンスブール)は、鼻がでかい、耳が大きいという容姿へのコンプレックスを持ちながらも、大人と対等に渡り合うマセガキ。
やがて、キャバレーでピアニスト兼歌手として働き始め、この頃からセルジュ・ゲンスブールを名乗るようになります。
メジャーデビュー後、一気にスターダムに駆け上がった彼はブリジット・バルドーと不倫の恋に落ち、禁断の名曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」が誕生するのです。

ゲンスブールを演じるエリック・エルモスニーノと、バルドーを演じるレティシア・カスタが、もう本当に本物そっくりで驚きました!
2011年のセザール賞(フランスのアカデミー賞みたいなもの)では主演男優賞、初監督作品賞、音響賞を受賞しています。

そして、ゲンスブールといえば、3番目の妻、ジェーン・バーキンをはずしては語れないのですが、バーキンに扮しているのが、本物と同じくイギリス出身のルーシー・ゴードン
しかし彼女はこの映画の撮影終了後に自殺をしたそうで、これが遺作になったそうです。

ゲンスブールとバーキン、おしどり夫婦として有名だったので、すっかり二人は幸せだったのかと思いきや、彼のタバコと酒三昧生活は、心筋梗塞で倒れた後も改善されず、バーキンは2人の子どもを連れて家を出て行ったことが分かりました。

結局その後も、相変わらずの生活の中、30歳年下のバンブーというモデル兼歌手の女の子と一緒になり、彼女が最後のパートナーだったということです。

出演者はもちろん、音楽も歌も小道具も、そして監督が描くイラストもとにかくおしゃれな映画です。久しぶりにフランス映画の真髄を堪能しました!

いやあ、今からワクワク、楽しみです!!!

ここでも書きましたが、劇団新感線のオッカケとも言ってよろしいかと思います。
大濠高校出身のいのうえひでのりさんにインタビューさせてもらったくらいに大ファンですし、看板俳優の古田新太さんにこれまた惚れています。

好きな作品は数あれど、「髑髏城の7人」好きですねえ。
コレが新キャストで今年の秋に公演決定です!

まずは主人公・捨之介を演じるのは、小栗旬

プロデューサーの細川さんが、古田さんに「今、捨之介をやらせるなら誰がいいかな」って話をしたら「小栗だろ」って名前が出たよ」なんて話が出て決定したそうですよ。

そして、もうひとりの主人公とも言うべき天魔王を演じるのは森山未來

これまでの「髑髏城の7人」では、古田新太しかり、市川染五郎しかり、捨之介を演じた役者が二役で演じていたキャラクターで、こうして2人の役者で演じ分ける試みは今回が初めてのこと。
森山くんは「五右衛門ロック」や「メタルマクベス」に出演していたので、新感線は常連です。

同じく常連ともいえる勝地涼くんは、橋本じゅんがやっていた兵庫役

この出演者に、「蛮幽鬼」で美しさと見事な殺陣を存分に見せてくれた早乙女太一くん

初演では女性キャストが演じていたものの、再演を重ねるごとに男性キャストになったり、女性キャストになったりしていたのが蘭兵衛という役
捨之介とも天魔王とも縁が深く、不思議な色気が必要となる難役です。ピッタリですね!

初演は1990年11月16日の池袋西口公園テント公演から始まった「髑髏城~」。
初演から7年後の1997年に再演された際に市川染五郎が観劇し「これぞ現代の歌舞伎だ」と感激したことはBSで放送された「劇団新感線30周年記念番組」で語っていました。
これが、後のいのうえ歌舞伎と松竹の合同公演に実現の契機となりました。

さらにそれから7年後の2004年を「ドクロイヤー」と称し、春に古田新太を主役に据えた『髑髏城の七人〜アカドクロ』を、秋に市川染五郎を主役に据え、歌や踊りのエンターテインメント性を強調した『髑髏城の七人〜アオドクロ』をそれぞれ上演。
同じ年にキャストを変え、演出のアプローチを変えて2バージョン上演するという趣向で話題となりました。

ゲキ×シネで見た方も多いのでは?

そして今年、その7年後にあたる2011年ドクロイヤーにこの配役で上演されます。
古田さんが出演しないのがちょっとガッカリですが、新しい髑髏城を見たい気持ちが今から高まっています。

大阪公演は8月7日~24日、梅田芸術劇場で。東京は9月5日~10月10日、青山劇場です。
どちらも見に行こうかなああ。

7月公開予定の映画

7月公開予定の映画を紹介しています。

コチラ→http://konya2008-2014.travelers-project.info/503-10/7.html

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ままごと「わが星」

<地球の誕生から消滅まで、団地にくらす1人の少女の日常に重ねた現代ブレイクビーツ・ミュージカル>

...って何?
つー感じで、良く知らないまま見に行きました。
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時計や胎動のように規則正しく刻まれるリズムの中、繰り返されるフレーズと動き。
演劇のようでもあり、ダンスのようでもあり。
身体を使って表現する緻密で壮大な詩!
とにかく面白かった。毛穴が開きました。

ままごと「わが星」→http://www.wagahoshi.com/