釜山トタトガ訪問記

紺屋2023の306号室居住者でもある「ART BASE 88」の初ちゃんに誘われて釜山に出かけました。

目的は、プサン市がバックアップしているアーティスト支援「トタトガ」の活動を視察するためです。

トタトガは造語で、およそ次のような意味がこめられているとのこと。
ト tolerance(それぞれが違う、というニュアンス)
タ 別々である
ト 同じ
ガ 道または街

釜山広域市の「中区」(ちゅうく)にあるのですが、ここはもともと釜山市役所があったのに、約15年前に市役所が開発地区に移転したため、周りの金融会社や商業施設も移転し、20万人ほどいた住民が5万人に減少し、空き店舗が増加、小規模の印刷会社も仕事がなくなったのを釜山市が、トタトガのなんとか「ART」の力で地域を再生できないかという提案を受けて、実施しています。

空き店舗や空き事務所にアーティストを3年間無料で、工房として貸してあげますが、3年間の間に彼ら、彼女らは自立しなければなりません。
そのまま居ることもできますが、そのときは家賃支払いが発生します。

アーティストといっても、アートだけでなく、文学や詩、パフォーミングアーツや伝統芸能関係者も対象になっています。

アーティストたちのミッションは
①3年で自立できるちからを持ちなさい
②1カ月120時間、その工房に滞在しなさい
③市や地域が主催するイベントには参加、もしくは作品を出品しなさい

というもの。

釜山市は家賃を払ってあげますが、建物のオーナーが協力しないと成り立たないし、地域の住民が受け入れてくれないとこれまた成り立たない仕組みなんです。

ここらへんは「紺屋2023」に似ていますよね。

たとえば、地域の高齢者が引きこもろがちになったら「写真教室」を開催して写真家が高齢者に写真技術を教え、展覧会も開いてあげるというもの。

すごいのは、釜山市が引きこもりがちな高齢者や障害者の人たちに「何がしたいか」というアンケートを取って、「似顔を描いてほしい」「コンサートに行きたい」「作品を作ってみたい」といった要望があると、所属しているアーティストを派遣します。
派遣されたらその家でコンサートやったり一緒に作品を作ったりするんです。

それをトタトガでは「才能寄付」と呼んでいました。

才能がある人は寄付することが、ある意味、義務付けられているのです。

今回は、所属するアーティストたちの工房めぐりを中心に発表している現場にもお邪魔しました。
はっきり言って、若者が一生懸命がんばっているのを大人が応援していこうという仕組みがそこにありました。
文化活動に行政が口やお金を出すと問題も起こりますが、家賃補助など自立することに支援するのは良いことだと実感しました。

「ART BASE88」がやろうとしているのは以下のようなこと。
転載します。

8月から9月にかけてTOTATOGAの協力を得て、福岡市内、主に博多駅や川端周辺で、プサン作家のパフォーマンスやアート作品の展示がいろいろな会場でおこなわれます。
それぞれ、主催の仕組みや予算建てなどはばらばらです。
8月 キャナルシティ博多でプサン トタトガのチームがパフォーマンス公演がおこなわれることになりそうです 博多阪急ART CUBEでプサン作家が展示するかも ※交渉中
9月 JR博多シティ(アミュプラザ博多)でプサン作家と福岡作家のコラボレーションアート作品展示 ※関連企画(九州アートゲート関連)
福岡アジア美術館8Fでプサン作家の展示 福岡アジア美術館7Fでプサン作家と福岡作家の展示(上記と1週違い)
アジ美展示に連動して、川端周辺でプサン作家の展示
JR博多シティ(アミュプラザ博多)でプサンアート情報とグッズの販売 ※関連企画(九州アートゲート関連)
JR博多シティ(アミュプラザ博多)でプサンアート作品展示とパフォーマンスおこなう可能性あり
その他市内でパフォーマンスをおこなう可能性あり 以上はあくまで予定です。
日程や作家など改めてお知らせします よろしくお願いします。

トタトガの関係者が美味しい店にいっぱい案内してくれました。

初日の昼は「大宮サンゲタン」、夜は国際市場の近くにあるデジカルビの店「山海カルビ」、2日目のあわびのお粥、夜は花村という地域でカニのキムチ・ケジャンを、3日目の昼は国際市場でスンドゥフの店「ドルゴレ」へ。

もちろん、帰ってきて体重計に乗ったら大変なことになっていました。
今日から粗食です。


→釜山で上映されている映画のチラシ
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→釜山の港を背景に、トタトガのアーティストが描いたダイナミックな作品
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→国際市場にあるドルゴレのスンドゥフ
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福岡ラーメン侍's結成!?

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はじめまして。

"ちびっこ0"ことオオサコです。
めがねと一緒に映画の宣伝をしています。

ブログ初挑戦です。
言いたいこと伝えたいことはいっぱいあるんですけど、
筆不精...。

ですが、これは絶対みなさんにお知らせせねばっ!
と思う素敵な場に参加させてもらったのでご紹介します。

それは、一風堂の河原社長、大砲ラーメンの香月社長、名島亭の城戸社長など
重鎮から中堅・若手の人気ラーメン店オーナーたち総勢30人以上が一堂に会したラーメン店主の交流会です。

私は、映画「ラーメン侍」の宣伝担当として飛び入り参加させてもらったのですが、
10月22日の公開に向け、映画への強力バックアップ体勢をとっていただけることになったばかりか、
映画宣伝担当として個人的にも前向きになれる大きなパワーをもらいました。

というのも、この日の集まりは、「福岡からもラーメン業界が力を合わせ
復興支援を考えよう」という趣旨で催された会だったのです。

仙台から炊き出しの現状を伝えるために駆けつけた
「五福星(うーふーしん)」の早坂雅晶さん。
滞在してボランティアと復興支援を続ける「ラーメン凪」の生田智志さんの活動を伝える東京の人気店
「東京ラーメンけいすけ」の竹田敬介さん。

そんな活動に感銘を受け、炊き出しに行けない自分たちにも、
「福岡からできることをやろうじゃないか」と提案する
「らーめん四郎」の黒田光四郎さん、「空海」の柴田佳幸さん、
そして「博多新風」の高田直樹さん。
実際に、店を越えてチャリティTシャツやピンバッチを作れないかと動き出しているそうです。

一方、一風堂の河原社長率いるRBC(ラーメン・バカチン・クラブ)では、
より明確な支援の方法として、RBCの有志たちで合弁会社を作り、
被災地へラーメン店を出店することで、仕事を失った人々の雇用を生むという方法を検討しているそうです。
私は河原社長の「ラーメン店」としてできる「支援」というビジョンの大きさに驚きました。

最後に「魁龍」の森山日出一社長が言った、
「大きい小さいじゃない、
被災地支援のために自分たちも何かやろうと思うことがすばらしいじゃないか。
自分たちは九州でラーメンが作れることに感謝しながら、やれることをやっていこう」
という言葉にグッときました。

映画「ラーメン侍」は、昭和40年ごろの戦後の復興期にラーメン屋台を始め、
人々の活力を胃袋から支えた先代ラーメン店主と、時は流れすっかり不況になった地方都市で、
葛藤しながらも自分なりのやり方で、その看板を引継ぐことになる息子の物語です。

とんこつラーメン発祥の地・久留米の人気ラーメン店・大砲ラーメンの香月社長の実話が基にはなっていますが、
決して香月社長だけの個人的な映画ではありません。

私はこの会でたくさんのラーメン店のみなさんとお会いして確信しました。
ここにいるみなさん一人一人が「ラーメン侍」です!

「おいしい」という笑顔とか、
「もうひとふんばりするか」という活力とか、
それはラーメンであって、ただのラーメンではない。
その一杯には、作る人のひたむきな「情熱」や「夢」や「想い」が込められているんです。

ということで、私は勝手ながらそんな素敵なラーメン店の皆さんを
"ラーメン侍's"と名づけました。

ラーメン侍'sが「ラーメンでできること」を模索し挑戦していくように
私は「映画でできること」「ラーメン映画でできること」を模索し、
追求していきたいと思います。

みなさんが、ラーメンを食べて元気になれるように
この映画を見て元気になってくれますように。

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久しぶりに上海、行ってきました!

3年ぶりくらいに上海に行ってきました。

今の研究「高齢社会」に関する専門家会議があったのでそれに出席するため、出張してきました。
万博以前の上海しか知らないので、どんなに変わっているか、物価がどれほど上がっているか気になったのですが、なにせ、学会発表みたいなもので、ずっと会議室に缶詰め。
朝は8時半から夕方6時まで発表を聞いて、その後は用意された上海料理の宴会場でご飯を食べる...。それで終わりです。

でも、この専門家会議がすごいのは、日本、韓国、中国の高齢者研究者たちが40人ほど集まってきて最新のデータや課題を報告することです。今年で17回目だとか。
日本、韓国、中国で会場を1年ごとに変えながらこの会議を続けているそうです。
昨年は上海万博だったため、昨年も上海、だから2年続けてということです。

今回の会場は上海社会科学院というところ。
中国で社会科学院というのは、最高レベルの人文科学の学術研究機関であると同時に中央政府機関であり、中央政府あるいは地方政府政策立案のシンクタンクでもあります。
上海社会科学院は中国社会科学院に次ぐもので、地方ではもっとも大きいアカデミー。なので学生などはいません。政府のブレーンといった立場でしょうか。

日本でも中国でも、そして韓国でも大問題なのが少子高齢社会の到来です。

日本が先に高齢社会を迎えていますが、韓国は2019年に、中国は2024年に高齢社会を迎えます。
ちなみに高齢化社会というのは、65歳以上の人口が全人口の7%、高齢社会は14%になったとき。
日本は1994年に高齢社会となりました。
そのために制度としてつくってきた年金や介護保険など、これから韓国や中国が必要に迫られてくるということです。
制度だけではなく、サービスや住宅、交通や建築のバリアフリーの取り組みなども重要なんです。

共通する課題は、いかに元気な高齢者でいてもらうかということ
 
WHO(国際保健機構)が提唱しているのはアクティブ・エイジング(Active Ageing) 、人が有意義に年をとるには、長くなった人生において健康で、社会に参加し、安全に生活する最適な機会が常になければならない としています。

...こんな研究もしていますという報告でした!


→高齢者専門家会議風景
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→上海社会科学研究院の前で
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→宴会後に披露された上海の高齢者たちのダンス 皆さん、きれいです!
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『ベンダ・ビリリ!』上映イベントのアフタートークゲストが決定しました!

映画の内容をより多角的にお話しいただける素晴らしいゲストの方をお招きすることができました。
さらに内容の濃いイベントになりそうです。

①3月18日(金)19:00~の回の上映後アフタートーク
サプライズゲスト!!
⇒『ベンダ・ビリリ!』の音楽的な魅力をディープに語っていただきます。

②3月19日(土)11:30~の回の上映後アフタートーク
ゲスト:樋口 龍二さん(NPO法人まる代表理事)
⇒障害のある人が社会と共有できる、時間・空間・仲間の「3つの『間』づくり」をコンセプトとした障害者福祉を目指す[NPO法人まる]の代表理事を務める。障害のある人によるアートを社会に発信し、「仕事」につなげる中間支援組織[エイブルアート・カンパニー]を立ち上げるなど、アート活動をきっかけに他分野とのネットワークを構築し、障害のある人たちの自己表現を促す活動に力を入れている。3月27日までエイブル・アート2011「Life map」をギャラリーアートリエにて開催中。

③3月20日(日)11:30~の回の上映後アフタートーク
ゲスト:松永 誠剛さん(「NAWASHIROプロジェクト」主催)

⇒自己のトリオ「a.s.k」を中心に、南アフリカ、日本、ヨーロッパで活動する福岡出身のベース奏者、作曲家。いまだアパルトヘイトの名残が残るヨハネスブルグの貧民街ソウェト(スラム)で生活する子供たちに、麻薬や犯罪に手を染める前に音楽に触れる喜びを味わってもらおうと自分が使わなくなった楽器を「手渡し」する活動 "NAWASHIRO (=苗代)プロジェクト"の主催者。10年後の2020年、ミュージシャンとなった彼らと一緒にツアーする事を目指している。

やはりアフタートークがある回にご予約いただくお客様が多いです。
お早めにこちらまでご連絡ください。
℡(092)737-7265 (平日11:00~18:00、イベント期間中10:00~20:00)
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