『陰陽師 醍醐ノ巻』夢枕獏(文藝春秋)

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夢枕獏の大人気シリーズ。
いろいろとヒット作がある中で、やはり年1回出るこのシリーズが一番好きです。

安部清明と源博雅が、清明の屋敷の簀子縁で庭を眺めながら酒を飲んでいるシーンから始まります。
酒をつぐのは、どこからともなく現れる美しい女の形をした清明の式神。

やがて最近都で起こる怪異の噂話や清明の元に持ってこられた相談事の話になり、お互いに誘いあって「ゆくか」「ゆこう」という事になる。

事件が解決すると、また清明の屋敷で酒を酌み交わします。

春は桜の木の下、あるいは藤の花が薫る中で、夏は鈴虫の声に耳を澄まし、冬は火鉢にあたりながら、四季を通じてゆるゆると酒を酌み交わす2人の様子が何とも風情があっていい。

やたらと酒が飲みたくなる本です。

朗読執事

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朗読執事」は、利用者が買った本を執事が朗読してくれるというタイトルそのままのアプリです。

「お嬢様、おぼっちゃま、ご主人様、奥様」の四種類から"呼ばれ方"が選べます。

ちょいちょい執事のマークから「『高瀬舟』は森鴎外先生の名作です。二人の兄弟愛の形ぜひ聞いてください」とか
「太宰先生の『ヴィヨンの妻』を書庫から見つけたのですが、お読みしますか?」という内容のメールが来ます。

発想は素晴らしい。
...ただ、執事に読んでもらえるラインナップが地味すぎます。

『変身』フランツ・カフカ、『ごんぎつね』新美南吉、『幸福の王子』オスカー・ワイルド、『ガリバー旅行記』、ジョナサン・スウィフト、『まだらの紐』コナン・ドイル、『羅生門』芥川龍之介、『白雪姫』グリム、『眠る森のお姫さま』シャルル・ペロー、『ヴィヨンの妻』太宰治、『高瀬舟』森鴎外、『アッシャー家の崩壊』エドガー・アラン・ポー、『雪女』小泉八雲

...なんだこれ。

『ごんぎつね』はとてもいい話ですが、わざわざ執事に読んでほしくて買う本ですか。
あるいは『変身』なんて気持ち悪い描写満載の小説を、あえて執事に読ませましょうという高度な逆萌え発想なのか。

製作会社の意図が見えません。

そこでめがねが勝手に執事に読んでほしい本をセレクトしてみました。
ちょいちょい執事のコメントを挟んでいただきたい。

坂東眞理子『女性の品格』を読んでもらいながら「お嬢様も立派なレディにおなりください」と言わせたい。

あるいは、三島由紀夫『レター教室』も真面目に朗読されると楽しいかも。

イギリスにいる同僚の話という設定でカズオ・イシグロ『日の名残り』もいいですね。

執事が読むハーレクインロマンスも捨てがたいなあ。
「続きは明日。お嬢様、今夜はもうお休みください」と言われて、もどかしく就寝したい。

試しに買った『羅生門』以降、どんなに執事が勧めてきても買う気になれない本ばかりですが、今後の進化に期待して、このアプリは消さないで残しておきます。

ちなみに男性の皆様向けには「朗読少女」があるので、チェックしてみてください。

『川端康成へ』太宰治

電子書籍を読むようになりました。
雑誌やマンガは小さすぎてイチイチ拡大するのが面倒ですが、小説は意外と読みやすい。

最初に試したのは「豊平文庫」(アプリを買えば全部無料、買わなくても30冊ダウンロードまで無料)です。
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「買ってまでは読まないけど、無料なら是非読んでみたい」純文学、小説、詩集やコラムが掲載されてます。

最近読んで面白かったのは太宰治の「川端康成へ」(「もの思う葦」新潮文庫)

"川端康成に作品を酷評された太宰治が、怒りにまかせて書いた恨み節"というザックリした情報は知ってたけど、初めて全文を読みました。

あくまでもへりくだりつつ、自分がその小説を書いた時の状況説明(いいわけ)から始まって、中盤は完全に悪口に終始し、最後はなんとか上から目線でやりこめようとして失敗している太宰治。

根暗の恨みは深い。

この人は友達になったら面倒臭い小説家ナンバー1ですね。
「ああ、もう!」とイラつかれながら周囲の人に気遣われ、でも本人はその事に全く気付いてない。
そんな感じの人だったんだろうなと思います。

元気になりたいなら「glee」でしょう!

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毎回録画しているテレビ番組の一つが、毎週金曜日NHKのBSプレミアムで放映されている、あの「glee」!
そう、グリークラブのグリーです。
日本でグリークラブ、合唱団のイメージといえば、口をわざとらしく大きく開けて自己陶酔気味に歌っている様子が目に浮かびますが、アメリカのグリークラブはまったく違います!もうミュージカルの世界。
歌って踊る、演奏もするし、観客をノセる!

ストーリーは、落ちこぼれ&寄せ集めの合唱部の面々が、新米教師の指導の下でさまざまな人生をつづっていくもの。 
往年の名曲やいまをときめく人気アーティストの楽曲を歌い、音楽を通して成長していく青春ドラマとして世界中で大旋風を巻き起こしています。

このドラマの話を聞いたのが、半年前くらい。
「アメリカで最大の視聴率を獲得するNFLのスーパーボウルで主人公・レイチェル役のリア・ミシェルが"America the Beautifulを歌うらしい」ということでした。

名だたるミュージシャンが歌いたい大舞台で、そんなテレビのキャラが歌うって??

あとで、よくよく調べたら、マドンナやレディ・ガガなどの楽曲が使用され、ほかにも有名アーティストたちが自分の楽曲を使ってほしいと熱望。
実際にブリトニー・スピアーズ、グウィネス・パルトロウといった大物スターがゲスト出演を果たし、先述のガガも「私も出たい!」とリクエストしているというではありませんか!

それが、4月からNHKで放映されると知り、うれしかったですねえ。
こういう歌って踊るドラマ大好きなんですわ。

アメリカではもうシーズン2が終わろうとしているらしく、また新たな主人公が人気上昇中だとか。
今年2月に放送された、故マイケル・ジャクソンの「スリラー」を歌うエピソードはアメリカ国内で2,680万人が視聴
2009年の放送開始から2年を経ても、その熱狂は収まることを知らぬモンスター番組となっているそうです。

これまでにTVシリーズ出演者によるコンサートツアーが各地で開催されており、昨年は約7万人だった観客動員数が、今年は約72万人と10倍にまでなった観客動員、チケット入手が困難になる状況が多発らしいです。
実は私も行きたかった...ヨーロッパまでツアーしたらしいですから。
アイルランド公演見たかった...。

しかしなんと、うれしいことにそのコンサートツアーが映画化されたらしいのです。

アメリカで8月12日より2週間限定で全米でコンサートの模様が公開されることが決定。
しかし、日本のファンからも「日本でも公開してほしい」という声がTwitterなどを通じて多く寄せられており、その声に応えて
9月23日(金)より日本でも劇場公開!
世界中で大旋風を巻き起こしている海外TVドラマ「glee/グリー」のコンサートツアーの様子が『glee/グリー ザ・コンサート3Dムービー』として上映されるらしいのです。

こりゃあ、プロジェが宣伝してほしいもんですねえ。

フィリップ・キャンデロロDVD

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フィリップ・キャンデロロのDVDが届きました~わーい!
自ら宛名ラベル作りから発送まで行っているらしい(マジで!?)貴重なDVDです。

リレハンメルから長野まで、フィリップが演じたプログラムを本人の解説を交えながら紹介。
テレビ出演映像や、オリンピックでのマル秘映像、プライベートシーンまでお宝映像が盛りだくさん。

DVDのスペシャル特典は、なんとサイン入りのお手紙。
日本のファンに震災のお見舞いと、最後に
「皆様は、この素晴らしいDVDをお楽しみいただける3000名の中の貴重なお1人です。どうか、お楽しみください!では、またお会いする日まで!」
というメッセージが。

言葉のセレクトが若干、悪徳商法風味。
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公式ブログには、日本でフィリップ・キャンデロロの代理人兼管理人をしているyayoさんと、DVD発送に四苦八苦する様子が書いてあります。
一生懸命3000人分サインしたんだろうなあと思うと、嬉しさもひとしおです。

日本語訳のテキストを手に入れてないので、今のところ何言ってんだか皆目わかりませんが、7月に「ファンジー・オン・アイス」で来福するまでに気合い入れて予習、復習するつもりです。グフフ。
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