読んで感動したので...

なでしこジャパンがなぜ。優勝できたのか?それを語っている人は多いと思いますが、そうだったのか!と心からかみ締めることができたのが、山本哲士さんのブログに書かれたものです。

山本哲士(やまもとてつじ)さんは政治社会学、ホスピタリティ環境学・企業環境学を専門とする学者さんです。現在は、文化科学高等研究院ジェネラル・ディレクター。

大分の麦焼酎「いいちこ」で有名な三和酒類の、企業文化広報誌『季刊iichiko』。
超領域的な専門研究の文化誌として、河北秀也デザイン、山本哲士編集で作られています。

20年ほど前に、河北さんが、福岡に連れてこられたことがあり、一緒に酒を酌み交わしたこともありました。
とても穏やかな風貌なのに、論文などを読むと過激です。
特に政治や脱原発に関しては、かなり思い入れ深く、ブログで語られてます。
ときたまのぞく山本さんのブログですが、今回は熱く、なでしこジャパンを語っていました。
長い文章ですが、抜粋すると伝わらなさそうなので、全文掲載させていただきます。読んでください。
*文中に出てくる「述語パワー」はちょっと勉強する必要がありそうです。

<なでしこJAPANの述語パワー>

だんだんとなでしこJAPANの、決勝戦の分析が、明確になってきている。
USAのワンバックは、時間がたつにつれて強くなっていく日本チームに驚いたと回想していた。

USAは、前半できめてしまおうと猛攻撃からはいった。
前半、15分、日本は浮足立った、なんども危なかったが、USAはシュートを決めきれなかった。
イギリス戦での負けから、ボールをキープすることの重要性を反省していた日本。
まず、海堀が、ゴールキックを打たずに、バックへ渡すようにして、ボールをキープしていける落ち着きを戻させる、岩清水は、会場からブーイングがかかろうが、気にせずに「攻め急がない」という方針をとる。結局、前半戦のボールキープ率は、日本の方が多くなった。ワンバックは、苛立っていた。点をいれさせず、しのいだ日本は、自分たちのペースを取りもどしていった。

後半戦、USAは動く。動きの速いモーガン選手を入れて行く。永里が、パスせずにボールをひとりでキープしようとしていた、そこを奪われ、一挙にカウンターで、俊足モーガンに決められる。24分であった。ワンバックは、これで勝ったとおもったという。
ところが、澤が、選手たちを鼓舞する、大丈夫、大丈夫と。あきらかに、熊谷も岩清水もちょっと沈んだ顔をしていたが、だんだんと元気になっていく。
「苦しい時は、わたしの背中をみなさい」と言っていた澤の声を忘れずに、宮間は、確実にボールをキープしながらゴールチャンスを狙って行く。そして、皆で走って、守って、攻める、という述語サッカーをし続け、ついにうしろから走り込んだ宮間が、こぼれ球を冷静に、名キーパー、ソロの力をみぬいて、ぎりぎりのところへうちこんで、同点に追いつく。日本は、ここで、勝てるんではないかという気になったと、阪口は振り返っていた。

終に、延長戦。
前半、USAは、ワンバックがヘッドで決めて、1点をとる、これでこんどこそ勝ったと、ワンバックは確信したという。
ところが、日本はNever give upできた、こちらが勝ったと思うと、日本のチームワークがさらに高まり、全員が向ってきた、とふりかえっていた。普通ならあきらめる、それがなでしこチームは、逆であった、というのだ。
澤は、自分がむしろあせっていたが、周りの若いメンバーたちの方が今度は逆に落ち着いていた、とふりかえる。まだ、いけるよと、選手たちは声をかけあっている。
宮間は、顔色ひとつかえない、冷静沈着である。中堅は、ベテランを支え、若手を鼓舞する。

実は、試合開始の5時間前に、選手たちは、1981年からの日本サッカー女子チームたちの軌跡のビデオを全員で観ていた。どれほど、先達たちが苦労してきたか、今自分たちが決勝戦にたてた、それも長い歴史の結果であることを、心身に刻み込んでいた、いまでさえ、仕事しながら好きなサッカーをしている、そこに中途半端さがないことを、いやというほど知っている、それが全員に領有されている、そこから湧き出してくる述語パワーである。

延長戦の後半、川澄は、監督に、自分がサイドの中へ入り丸山を前にだして、自分が動いてパスまわしをし、決めていこうと、提言していた。
それがなんども繰り返される、そしてついに、あの宮間と阪口と澤が、話しあって二アにボールを宮間がおくる、それを澤が飛び込んで決めるという、もう意識をこえて、しみこんでいる連携プレーで、あざやかなシュートを決めて、追い付く。
ワンバックは、もう追い付かれるなど、ありえない、という出来事に出くわして、もう駄目だとなっていたようだ。
どんなにひきはなしても、逆に、チームワークが高まり、ソロがふりかえっていたように、なにかとりつかれたような巨大なかたまりがせまってきた、といっている、その猛攻撃に、USAは力尽きた。
しかし、王者USA、モーガンが再び突進してくる、それを岩清水が、身体を張って、阻止、レッドカードで退場となるも、ファインプレーだと仲間たちからたたえられ、しょげることなく、ひきさがる。すでに、アディショナルタイムに入っていた。
フリーキックを、皆で必死でさばき、球にくらいつく澤。

ついにPK戦へ。
澤は、わたしはいやだといってPKを回避、ひたすら「サッカーの神様」と天を仰いで、祈っていた。
海堀の、超技、脚で述語的に、ボールを止めた。
宮間は、きっちりきめ、あのガッツポーズ。
USAは、もう意識で、勝ちをうしなっていた。
日本は、緊張の中、しかし、のびのびとPKに臨んでいた。

勝利が、きまったその瞬間、選手たちは、一斉にゴールの方へむかってだきあっていたが、宮間ひとりは、そちらへいかず、ゆっくりとUSA選手たちのほうへいき、彼女たちをたたえていた、これがすごい。
映像で、宮間が別の方へ歩いていく、その瞬間が、残っている。感動的な、裏のシーンだ。
ワンバックは、澤によってきて、「おめでとう、あなたを誇りに思う」、とたたえたという。澤は、独りでは、USAに勝てないけれど、皆で立ち向かって勝てた、とワンバックに言ったという。

USA選手たちも、脱帽した、世界中が、日本の勝利をたたえた、述語サッカーをやりぬいた日本の、確かな勝利だと認めた。偶然ではなく、実力である、と。
「窮地に立たされると、力を逆に発揮していく」、それが述語サッカーをやりぬいた日本の、確かな勝利だと認めた。偶然ではなく、実力である、と。
宮間は、きっちりきめ、あのガッツポーズ。
USAは、もう意識で、勝ちをうしなっていた。
日本は、緊張の中、しかし、のびのびとPKに臨んでいた。
勝利が、きまったその瞬間、選手たちは、一斉にゴールの方へむかってだきあっていたが、宮間ひとりは、そちらへいかず、ゆっくりとUSA選手たちのほうへいき、彼女たちをたたえていた、これがすごい。
試合後、ソロと宮間とが、談笑し合っている写真が、USAでは一番見られているという。USAの選手たちも、えらい。

ロンドン・オリンピックが、滅茶苦茶に楽しみになって来た。
同時に、なでしこリーグの、日本での悲惨さが浮き彫りになって来た、よくこれでやり続けてきた、立派である、頭がさがる。

男子、フランスワールドカップのとき、わたしたちスポーツ学者たちに女子サッカーの関係者がひとり、同行していた、女子サッカーをなんとかしたいのだ、とそれを、他人ごとでしかみていなかった自分である。
女子サッカーは、日本でしかしえない述語的サッカーを、実現した。
今度は、ザッケローニの番だ、ブラジル大会では、男子の述語的サッカーをしあげてベスト4以上に行くと思う。
コパ・アメリカでは、やはりアルゼンチンをやぶったウルグアイが優勝した。ブラジルもアルゼンチンも負けた。

もう、変わってきている。主語的サッカーは勝てなくなってきている。
団結力とか組織力とか、そういうものでは勝てない、述語パワーが働いてこそ勝てる、それがどういうものであるのかを、これほど明確に見せてくれたものはない。
この、述語的純真さに、物象化がどこにもないのだ、これは驚きであった。対象的に疎外されたものが、どこにもないのだ。
述語行為の作用には、四肢間構造が無い、ただAとそれが産み出すaがあるだけだ。USAには、四肢間構造が、うまれてしまっていた。

劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」撮影終了!

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7月16日(土)よりT・ジョイ博多にて放映中の劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」は、「ありえない場所、ありえないシチュエーションでただひたすらラーメンを食べ続ける」という、シュールなコンセプトで作られた渾身のシリーズもの。

この第7話「群像」編を、エキストラの方のご協力の下7月28日(木)に撮影いたしました。

場所は天神のど真ん中、福岡市役所前のふれあい広場。エキストラとして出演いただいたのは、地元のテレビやラジオで活躍するタレント、地元劇団、有名ブロガーと福岡フィルムコミッションの募集で集まった福岡市民の皆様の総勢約40名です。
炎天下に熱々のラーメンを食べるという内容にも関わらず、皆さん楽しんでおいしそうにラーメンを食べてくださいました。

この第7話「群像」編の劇場放映は公開直近の10月8日(土)~2週間となります。
リニューアルした公式HPでもご覧いただけるよう調整中です!

→とんこつラーメンの本場・福岡では、街中で誰もが自然にラーメンを食べている?!
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→劇団"あんみつ姫"のとまとママとえいじさん、みろくさんも参加してくださいました!
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→FM福岡の人気パーソナリティ、米岡さんと椎葉さんは談笑しながらラーメンを食べています
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→友達同士や親子、家族連れで参加する方たちも。夏の思い出の1ページに加えていただけたでしょうか。
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福岡市美術館と長崎県美術館で同時開催の作家ってすごくないですか?

その人の名は菊畑茂久馬(きくはたもくま)、親しい人には「モクさん」と呼ばれています。
私はそんなにすごい美術家とは知らずに25年ほど前に初めてお会いしました。
まだ「モクさん」とはだいそれて呼べません。

→レセプションでの菊畑さん
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菊畑さんのプロフィールを紹介しましょう。

1935年徳島県生まれ。1940年長崎県に移り、41年福岡に移ってきたそうです。
1953年福岡県立中央高等学校を卒業し、1956年、20歳そこらで福岡県庁の外壁を会場に開かれたペルソナ展に出品し、翌年この野外展から発足した九州派のグループに加わり、各種の運動に参加するようになった作家です。

九州派についてはいろいろ資料もあるので勉強してみてください。
面白いメンバーが面白い活動をしていました。

1960年には、九州派を退会し洞窟派を結成。
1961年の読売アンデパンダン展から「奴隷系図」のシリーズを発表し、特に同年国立近代美術館で開かれた「現代美術の実験」展の出品作が注目を集めました。
1964年からは「ルーレット」のシリーズを展開、近年は〈天動説〉、〈月光〉のシリーズを発表。
1970年に、東京にある「美学校」の講師に就任、

そこで、「ぼくが講師をやるなら、山本作兵衛描くところの筑豊炭坑画を教課本にして生徒たちに模写させ、大壁画をつくる。それ以外は絶対駄目だ!」と言って、一日9時間の集中授業にしたとか。
そうです、あの世界記憶遺産になった山本作兵衛さんの絵です。
山本作兵衛さんの絵を世界記憶遺産にまで導いたのは、まぎれもなく菊畑さんの功績です。

福岡市美術館では8月28日まで、長崎県美術館は8月31日まで展覧会を開催、福岡市美術館のオープニングレセプションに行けなかったので、長崎まで行ってきました。

菊畑さんのファンは多く、東京からも画廊や出版社の方たちが駆けつけていらっしゃいました。もちろん、福岡からも。
展示されている作品は大作揃い、「ルーレット」「天動説」などの代表作や、オブジェ、版画、新作「春風」などが展示されています。

テーマは福岡会場が「戦後」(約230点)、長崎会場が「絵画」(約100点)だとか。
夏休みを利用して、ぜひ長崎まで足を伸ばしてください。

美術館に行ったついでに、行きたかった「長崎ガーデンテラス」というホテルのレストランでランチしました。
ここは、長崎県美術館を設計した隈研吾さんが設計したホテル。
美術館のちょうど対面の稲佐山中腹にあります。

→これが、ガーデンテラス!
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ランチだから予約しなくても大丈夫かと思っていたら、タクシーの運転手さんに予約は必須!といわれ、あわてて予約、かろうじて滑り込みました。
今は、2周年記念ランチが3000円、これお勧めです!
内容もですが、景色が素晴らしい!美術館ともども、ぜひ楽しんでください。

→レストランからの風景
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Ra-Samニュース vol.1

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映画『ラーメン侍』の前売券がいよいよ発売!
特典は、ラーメン好きのマストアイテム・映画特製オリジナル「侍れんげ」です。
また、劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」も放映スタート!T・ジョイ博多他にて7月中旬から順次公開いたします。
この秋の公開に向け、いよいよ始動する『ラーメン侍』プロジェクト。活動内容は随時この「Ra-Samニュース」でお知らせしていきます!

①映画特製オリジナル「侍れんげ」付前売券発売決定!

ラーメンの本場・九州から誕生した映画『ラーメン侍』。ラーメンファンの期待に応えるべく、前売特典はこだわって製作しました。
親子2代のラーメン店"弾丸ラーメン"の暖簾の色で、映画のキーカラーでもある【赤】を基調に、ロゴと店のマークをあしらった豪華な箱入りれんげ。
ラーメンファンに、今後は"マイれんげ"を持参してラーメン屋に行ってほしいという願いを込めたエコな前売特典です。

◎発売日:7月16日(土)~

◎前売り券料金:1300円

◎発売場所:劇場窓口にて
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※数に限りがございます。

②劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」

劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」をT・ジョイ博多他にて7月中旬から公開。
内容は、「ありえない場所、ありえないシチュエーションでただひたすらラーメンを食べ続ける」という、シュールなコンセプトで作られた渾身のシリーズもの。
第1話「滝」編は、柔道着を着た男が滝にうたれながらラーメンを食べ、第2話「海」編は、水着ギャルが浮き輪でプカプカ浮きながらラーメンを食べるという、夏ならではの爽快感と虚脱感あふれる2作です。
このシリーズ予告は第7話まで続き、福岡の一般市民を巻き込みながら撮影される予定です。

第1話「滝」編
7/16(土)~T・ジョイ博多他にて放映予定

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第2話「海」編
7/30(土)~T・ジョイ博多他にて放映予定

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『陰陽師 醍醐ノ巻』夢枕獏(文藝春秋)

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夢枕獏の大人気シリーズ。
いろいろとヒット作がある中で、やはり年1回出るこのシリーズが一番好きです。

安部清明と源博雅が、清明の屋敷の簀子縁で庭を眺めながら酒を飲んでいるシーンから始まります。
酒をつぐのは、どこからともなく現れる美しい女の形をした清明の式神。

やがて最近都で起こる怪異の噂話や清明の元に持ってこられた相談事の話になり、お互いに誘いあって「ゆくか」「ゆこう」という事になる。

事件が解決すると、また清明の屋敷で酒を酌み交わします。

春は桜の木の下、あるいは藤の花が薫る中で、夏は鈴虫の声に耳を澄まし、冬は火鉢にあたりながら、四季を通じてゆるゆると酒を酌み交わす2人の様子が何とも風情があっていい。

やたらと酒が飲みたくなる本です。