どうしても見たかった「国民の映画」でした!

今年、生誕50周年を迎える三谷幸喜さん。
この記念すべき1年を「三谷幸喜大感謝祭」と銘打ち、4本の新作舞台を書き下ろします。

その中の1本が「国民の映画」。
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「国民の映画」は4本の新作の中で唯一三谷幸喜自身の企画であるとのこと。

出演者にはなんと!
三谷作品初出演という段田安則、風間杜夫をはじめ、ミュージカル界で活躍のシルビア・グラブ、新妻聖子、そして三谷作品には欠かせない俳優陣である小日向文世、石田ゆり子、小林隆、そして、2003年の「オケピ!」ぶりの登板となる白井晃。

1月の「ろくでなし啄木」に続いて、どうしても見たかった芝居でした。
しかし、震災があって3月のパルコ劇場には行けず、大阪の公演もタイミングが合わず、神奈川芸術劇場で最後の公演があると聞き、チケットを関係者に無理やりお願いして見に行きました。 

物語は1941年のベルリン。
ヒトラー内閣の宣伝大臣ゲッベルス(小日向文世)とその妻マグダ(石田ゆり子)は、映画監督のヤニングス(風間杜夫)やリーフェンシュタール(新妻聖子)ら映画関係者や、自著が焼き払われながらもナチスに立ち向かう人気作家ケストナー(今井朋彦)を自宅に招き、パーティーを開いています。
映画好きのゲッベルスは、アメリカ映画の『風と共に去りぬ』を超える、全ドイツ国民が誇りに思えるような「国民の映画」を作ろうと考えており、そのプレゼンテーションをするために皆を集めていたのです。しかし呼んでもいない客、ナチス親衛隊指導者・ヒムラー(段田安則)や、空軍総司令官ゲーリング(白井晃)まで自宅にやって来て波乱が起こるのですが。

重たいテーマを笑いを交えて演出しながら、最後はグサッと大きな衝撃を胸に突き刺してくる舞台でした。

三谷さんが、このテーマに興味を持ったのは、小学生の頃に読んだ水木しげるさんの漫画「劇画ヒットラー」だったので
「構想約40年の壮大な企画」だとか。
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普通の人がヒットラーに出会ったことで、狂気の世界に入り込んでいく様を描きたかったと語っています。

だからこそ、普通の人にしか見えない小日向さんにゲッペルスを演じさせたかったのでしょう。
巨漢だったとされるゲーリングを白井さんが演じてますが、衣装の下には肉襦袢付けてました。
三谷作品初とは信じられない段田さんのヒムラー、滑稽さと怖さが入り混じる役を、あの声で演じています。
これまた三谷作品初という風間さんもしたたかな、そして時代の権力者に調子を合わせて生きてきた映画監督を軽やかに演じていました。
そして時代の権力者に調子を合わせて生きてきたけど、最後は権力にはっきり反旗を翻す映画監督を「らしく」演じていました。

生のピアノ演奏に合わせて、さも当時のドイツで歌われていたかのような歌を、高らかに歌い上げるのはシルビア・グラブと新妻聖子さん。
せっかく歌が上手い女優がいるのだから、歌を聴きたいと三谷さんが望んだそうです。
なので、歌われるのは舞台オリジナルの曲。

そして、何より最後にグサッと胸に刺さるのが小林隆さん演じる、ゲッペルスの執事・フリッツです。

思い出しても恐ろしい言葉と光景です。

結局、ゲッペルスが「風とともに去りぬ」に対抗して製作したのは「ほら男爵の冒険」という映画だったそうで、後世の私たちが知らないということは全く話題にもならなかったってことでしょうね。

"ヅカ川"をよんで豪華賞品を当てよう!

福岡スポーツセンターのNさんによる、こんな企画に選考委員として参加させていただきました。

宝塚歌劇にまつわる川柳 
略して「ヅカ川」

Nさんこのネーミング大丈夫ですか...。

"自分が伝えたい宝塚の魅力と感動"を表現した川柳の中から、傑作50選を5月の宝塚雪組『黒い瞳』の公演会場で掲示。
応募者の中から抽選で宝塚のチケットが当たるというもの。

皮肉とシャレが効いていて思わず吹き出すような笑える川柳、宝塚のキラキラした舞台や宝ジェンヌに憧れる気持ちをよんだ川柳、そして「これはもしかすると川柳というより標語なのでは...」という迷作まで、皆さん頭を絞って考えてくださった力作が勢ぞろい。
迷いに迷ってめがねが選んだのは、同じ宝塚ファンとして共感した一句です。
『黒い瞳』をご観劇予定の方は、是非ロビーのヅカ川掲示コーナーにお立ち寄りください。

『黒い瞳』に関するめがねブログは→コチラ

次のヅカ川募集チラシがこれ。
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今度はさらに賞品が豪華!

☆ロシアに行くための西鉄旅行ギフト券10万円、
☆ロシア料理ニーナのお食事券、
☆ロシアからやってくるボリショイサーカス福岡公演のチケットなどなど。

『黒い瞳』の舞台ロシアに、若干ムリヤリかけた感もある賞品が当たります(笑)
詳しくは→コチラ

宝塚担当になって猛烈に勉強し、宝塚検定まで取得したNさん。
「福岡の宝塚ファンをもっと増やしたい」という熱意が嬉しいです。
これからもプロジェは(というより主にめがねが)宝塚歌劇とNさんを応援していきます!
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掘り出し物を見つけに通っています。

今のささやかな楽しみは、毎日昼休みに「TSUTAYA福岡ビル店」に通って掘り出し物を見つけることです。

本日の収穫は「デラックスカラーシネアルバム イギリスの貴公子たち」
サブタイトルがすごいです、「誇り高き魔性の麗人」ですから。

1988年に芳賀書店から発行されています。
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目次を見ると

ダニエル・デイ・ルイス―その性的アッピール  (これは長沢節さんが書いています)
世紀末美男スターの系譜・ヴァレンティノからダニエル・デイ・ルイスへ
ダニエル・デイ・ルイスは崇高なエイリアンだ!!
その後の"モーリス"たち
イギリス型美青年の条件
ブリティッシュ・フィルム・ナウ
英国貴公子語録
イギリスの貴公子たち・フィルモグラフィー

ダニエル・デイ・ルイスをはじめ、「モーリス」のヒュー・グラント、ルパート・グレイヴズ、ジェイムズ・ウィルビィ、「英国王のスピーチ」とはまるで別人の「アナザー・カントリー」のコリン・ファース、ルパート・エヴェレットたちが、美しい写真とともに紹介されていました!

見ているだけでも幸せになれる雑誌です。

映画も見たくなりましたなあ。

糸井重里という人...

1948年生まれというから、いわゆる団塊の世代の人。
昔なら西武デパートの名コピーライターとして有名だけど、私が面白いなあと思い始めたのはパルコ出版が作っていた「ビックリハウス」の読者投稿ページ「ヘンタイよいこ新聞」です。

「シティ情報ふくおか」の創刊のころ、ちなみに創刊は1976年(福岡に天神地下街ができ、天神コアもできた頃)「シティ情報ふくおか」は父なる「ぴあ」母なる「ビックリハウス」と言ってました。

つまり、情報ページは「ぴあ」に習い、読者ページは「ビックリハウス」を参考にしておったとです。

私自身は「ぴあ」よりも「ビックリハウス」を隈なく読んでおりました。
そしてパルコというところに憧れ、西武というグループ会社に注目し、渋谷の街が若者の街に変わっていくのを福岡の地から遠く眺めておりました。流通と媒体と街がこんなふうに融合していくのだなと。
ま、こんな話はまたいずれ。

今回は糸井さんの話です。

「ヘンタイよいこ新聞」の前には沢田研二の「TOKIO」を作詞し、矢沢永吉の自伝本「成りあがり」の構成・編集を手がけ、スナックなどの飲み屋で自慢げにマッチやナプキンを使って披露する芸をまとめた「スナック芸大全」をまとめ、NHK教育では「YOU」という若者番組の司会をしてました。

そして1998年に「ほぼ日刊イトイ新聞」なるサイトをスタートさせました。

そう、糸井重里は時代とともに歩いている人だと思うんです。
たぶんそれは、糸井さん自身の興味対象が時代とともに変わってきてるからでしょう。

すごいのはそれを仕事にしていること!

「ほぼ日刊イトイ新聞」は1日の総ページビューが約140万という有名サイトです。
ここから「ほぼ日手帳」とか土鍋とか料理本とかいろいろなオリジナル商品が生まれています。  

私も毎日サイトを開いている一人ですが、何よりも読み物が面白い
執筆者や対談相手も多彩。
タモリ矢沢永吉鶴瓶さんイチロー明石家さんまから谷川俊太郎天海祐希市川染五郎などなど。

シリーズ連載がこれまた毎日チェックしたくなるような見せ方と文章なんです。
要はとても優れた編集者と聞き手、ライターがいる編集プロダクションの成せる技なんですね。
文字ばかりでなく写真やイラストが有効に使われ、対談形式も思わず読んでしまう構成です。
バックナンバーがすべて読めるのでチェックしてお気に入りを見つけてください。

おすすめは「われら、ほぼ日感劇団。」
この1回目は劇団・新感線の「朧の森に棲む鬼」ですから。
市川染五郎と糸井さんが対談していて、それはDVDの副音声になっています。

それから「社長に学べ!」シリーズ
任天堂やTSUTAYAの社長など、糸井さんが気になっている社長との対談。

そしてそしておすすめは、荒俣宏さんの「めくるめく愛書家の世界」。
荒俣さんは大の古書好きで知られていますが、それは半端な古書じゃないことがこれを読むと分かります。

今連載中の太田和彦プラス大沢在昌 居酒屋幼稚園」、これ笑えます。
居酒屋探訪家の太田さんのマニアともいえる大沢さんが居酒屋の指南を受けるわけです。
六本木のクラブには一人で行ける大沢さんがなぜか、居酒屋には一人で行けないと。

どんな雑誌よりも今、チェックすべきはこのサイトです。
先日の「BRUTUS」では全編、糸井重里特集でした。

気になる人は多いんですよ。

1人紺屋野菜

10月に入居した時、前の入居者が残した"紺屋野菜"のプランターがあったので、新しい野菜を植えました。
ご覧ください。私の野菜たちです。
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→手前からサラダ菜、ブロッコリー、アイスプラント、イタリアンパセリです☆

生来ガサツな性格なんで、ガーデニングとか花を育てるとか全く向いてないと思っていたんですが、いまや鬼...いや神地味なNHKの『やさいの時間』まで嬉々として録画予約する始末。
どうやら目覚めてしまったようです、野菜栽培に...。

じゃーん、見てください!
こんな形状からひと株のブロッコリーになるんですよ~、へえ~。
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サラダ菜やアイスプラントを押しのける勢いで生えてくる無駄に大きな緑の葉っぱにイラっとして、最初は2,3枚折りとったりしていましたが、今はこの小さな"ブロ子"が可愛くて仕方ありません。

「ブロッコリーまじ~」とか言ってる子供は成敗してやります。

きれいに育ったら、もぎとって食してやるつもりです。
ゲヘヘ。