もうそっくり!ゲンスブールとバルドー

100gainsbourg_1_1b.jpg
フランスで作曲家、作詞家、歌手、映画監督、俳優として幅広く活躍したセルジュ・ゲンスブールの没後20年を迎える今年、「ゲンスブールと女たちが日本で公開。

1991年3月2日、多くの伝説と名曲、映画を残し、62歳でこの世を去ったゲンスブールは、放送禁止となった過激なヒット曲「ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ」をはじめ、テレビの生放送でフラン札を燃やすとか、フランス国歌をレゲエで歌うなど世間から逸脱した行為で話題を集めていました。

己の醜さにコンプレックスを抱きながらも、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキン、ジュリエット・グレコ、フランス・ギャル、カトリーヌ・ドヌーブ、エディット・ピアフ、ヴァネッサ・パラディら美女たちに愛されたフランスきっての大人の男でもありました。

監督したのはこれが映画初監督となる気鋭のバンドデシネ(フランスのコミック)作家・ジョアン・スファールで、ファンタジーの要素にあふれ、音楽満載の個性的な伝記映画に仕上がっています。
実写にアニメーションが盛りこまれていたり、空想上のキャラクターが登場したり、苦しいのに楽しい、悲しいのに美しい映画です。

ナチス占領下のパリで少年時代を過ごしたロシア系ユダヤ人のリュシアン(ゲンスブール)は、鼻がでかい、耳が大きいという容姿へのコンプレックスを持ちながらも、大人と対等に渡り合うマセガキ。
やがて、キャバレーでピアニスト兼歌手として働き始め、この頃からセルジュ・ゲンスブールを名乗るようになります。
メジャーデビュー後、一気にスターダムに駆け上がった彼はブリジット・バルドーと不倫の恋に落ち、禁断の名曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」が誕生するのです。

ゲンスブールを演じるエリック・エルモスニーノと、バルドーを演じるレティシア・カスタが、もう本当に本物そっくりで驚きました!
2011年のセザール賞(フランスのアカデミー賞みたいなもの)では主演男優賞、初監督作品賞、音響賞を受賞しています。

そして、ゲンスブールといえば、3番目の妻、ジェーン・バーキンをはずしては語れないのですが、バーキンに扮しているのが、本物と同じくイギリス出身のルーシー・ゴードン
しかし彼女はこの映画の撮影終了後に自殺をしたそうで、これが遺作になったそうです。

ゲンスブールとバーキン、おしどり夫婦として有名だったので、すっかり二人は幸せだったのかと思いきや、彼のタバコと酒三昧生活は、心筋梗塞で倒れた後も改善されず、バーキンは2人の子どもを連れて家を出て行ったことが分かりました。

結局その後も、相変わらずの生活の中、30歳年下のバンブーというモデル兼歌手の女の子と一緒になり、彼女が最後のパートナーだったということです。

出演者はもちろん、音楽も歌も小道具も、そして監督が描くイラストもとにかくおしゃれな映画です。久しぶりにフランス映画の真髄を堪能しました!

いやあ、今からワクワク、楽しみです!!!

ここでも書きましたが、劇団新感線のオッカケとも言ってよろしいかと思います。
大濠高校出身のいのうえひでのりさんにインタビューさせてもらったくらいに大ファンですし、看板俳優の古田新太さんにこれまた惚れています。

好きな作品は数あれど、「髑髏城の7人」好きですねえ。
コレが新キャストで今年の秋に公演決定です!

まずは主人公・捨之介を演じるのは、小栗旬

プロデューサーの細川さんが、古田さんに「今、捨之介をやらせるなら誰がいいかな」って話をしたら「小栗だろ」って名前が出たよ」なんて話が出て決定したそうですよ。

そして、もうひとりの主人公とも言うべき天魔王を演じるのは森山未來

これまでの「髑髏城の7人」では、古田新太しかり、市川染五郎しかり、捨之介を演じた役者が二役で演じていたキャラクターで、こうして2人の役者で演じ分ける試みは今回が初めてのこと。
森山くんは「五右衛門ロック」や「メタルマクベス」に出演していたので、新感線は常連です。

同じく常連ともいえる勝地涼くんは、橋本じゅんがやっていた兵庫役

この出演者に、「蛮幽鬼」で美しさと見事な殺陣を存分に見せてくれた早乙女太一くん

初演では女性キャストが演じていたものの、再演を重ねるごとに男性キャストになったり、女性キャストになったりしていたのが蘭兵衛という役
捨之介とも天魔王とも縁が深く、不思議な色気が必要となる難役です。ピッタリですね!

初演は1990年11月16日の池袋西口公園テント公演から始まった「髑髏城~」。
初演から7年後の1997年に再演された際に市川染五郎が観劇し「これぞ現代の歌舞伎だ」と感激したことはBSで放送された「劇団新感線30周年記念番組」で語っていました。
これが、後のいのうえ歌舞伎と松竹の合同公演に実現の契機となりました。

さらにそれから7年後の2004年を「ドクロイヤー」と称し、春に古田新太を主役に据えた『髑髏城の七人〜アカドクロ』を、秋に市川染五郎を主役に据え、歌や踊りのエンターテインメント性を強調した『髑髏城の七人〜アオドクロ』をそれぞれ上演。
同じ年にキャストを変え、演出のアプローチを変えて2バージョン上演するという趣向で話題となりました。

ゲキ×シネで見た方も多いのでは?

そして今年、その7年後にあたる2011年ドクロイヤーにこの配役で上演されます。
古田さんが出演しないのがちょっとガッカリですが、新しい髑髏城を見たい気持ちが今から高まっています。

大阪公演は8月7日~24日、梅田芸術劇場で。東京は9月5日~10月10日、青山劇場です。
どちらも見に行こうかなああ。

見逃した方は残念!

「影響を与えた80.90年代のバンド」特集を5月28日のスマステでやってました。
この番組、見逃したときに「ああ、これは絶対見たかった!」というのを結構かってますよね。
今回も見逃さなくて良かったあという特集でした。

ゲストはフットアワー、香取慎吾ともども、青春時代ど真ん中のバンドばかりだったらしく、楽しんでるのが良く分かりました。
どうやってランキングしたのかは分かりません。

まず15位から発表でいきなり、X JAPAN
14位がGLAY
13位はガールズバンドの走り、PRINCESS PRINCESS
12位があのつんく率いるシャ乱Q、NHKのバンドコンテストが映されてました。
11位がUNICORN
で、10位がなんと!横浜銀蝿、これには香取くん、フットアワー、思わず「なんで?」という言葉をマイクが拾ってました。
9位はTM NETWORK、若かりし小室さんイケイケの時ですね。
8位は総勢何人いたのか把握してなかったと語る石井竜也の米米CLUB
7位はJUDY AND MARYで、
6位に久留米が誇るチェッカーズ、あの髪型ですよ。
そして5位はDREAMS COME TRUE、香取くんがスマスマで一緒に歌って、吉田美和のあまりのうまさに身体がフリーズして動かなかったと言ってました。
4位はこれまた香取くんがもっとも刺激を受けたというTHE BLUE HEARTS、私もコンサート行きましたよ。

いよいよベスト3の発表、いったい誰が残ってるんだか、70年代のほう詳しい私は思いつかなかったのですが、そうでした!と納得です。


3位はB'z
今度全米ツアーするそうです。


2位はBOΦWY  
一度はコンサート見たかったなとしみじみ思いました。


で、1位はそうなんです!
Mr. Children
1992年のメジャーデビューなんですよね。

「Tommorow never knows」のPVが映された時、「これ俺の十八番の曲や!」とマイクを取り合いするフットアワーでした。
香取くんも含め「カラオケに行きたい」と叫んでいました。

小林克也セレクトで圏外だったバンドは
・ジュンスカ・レベッカ・リンドバーグ・イエモン・杉山清貴&オメガドライブ・The BOOM・たま・BEGIN・BLANKEY JET CITY・バービーボーイズ・L'Arc~en~Ciel
・安全地帯・爆風スランプ・スピッツ・ミッシェルガンエレファント

福岡ミュージアムウィーク

毎年恒例のイベントとして定着しつつある「福岡ミュージアムウイーク」。

第3回目となる今年は、5月14日(土)から29日(日)に開催。
このイベントは世界中で行われているもので、5月18日の「国際博物館の日」を中心に、世界各国の博物館や美術館が記念行事を行います。

国際博物館会議(ICOM)が発表した今年のテーマは「Museum and Memory」
まさに、ミュージアムそのものが、記憶の集積空間ともいえますね。

福岡市博物館、美術館、アジア美術館、福岡県立美術館でさまざまなイベントが行われましたが、その中のひとつ、5月21日(土)に福岡アジア美術館で行われた、作家・写真家の藤原新也の講演会「写真と言葉」に行ってきました。

藤原新也は1944年福岡県門司の生まれ。写真家・作家。
インドを振り出しにアジア各地を旅して「印度放浪」「西蔵放浪」などを出版。

発売当初、衝撃的だった「東京漂流」「メメント・モリ」「アメリカ」「日本浄土」などは今でも大切にしている著書です。
ずいぶん以前に門司で行われた講演会に参加したことはありましたが、ずいぶん久しぶりにお話を聞きました。

今回は、四国を巡って撮影した写真88点と書と音楽の融合、昨年出版された「死ぬな生きろ」に関するものでした。
e300死ぬな生きろ_R.jpg
四国八十八ヵ所巡りにひっかけての88枚の写真ということでしょう。
八十八夜ともひっかけているので、1枚目は一夜と名づけられていました。
四国を巡る旅の中で見てきた日常風景です。
その風景に言葉が付き添っているのですが、その言葉は藤原新也の見事な書によって表現されています。

写真、文章の達人だけではなく、どうも書も達人の域でした。
本人いはく「情景を受け取る言葉を書いていくので、自我を出す書体は持たない」と。
その書を見れば、ああ、藤原が書いたんだという独自のスタイルを持たず、情景・風景に合った書を書いています。

88枚の1枚目は「花」、写真は牡丹の花。
88枚の中に繰り返し、テーマである「死ぬな 生きろ」の言葉がリフレインされていますが、すべて書のスタイルが異なっているのです。
「書は声に近い、VOICEなんです」と。
ううーん。これで読む方は印刷された言葉なので伝わりにくいのですが、そう言われると、確かに声に近い。
力強い書、優しい書、励まされる書、ほのぼのする書...さまざまです。

お気に入りは最初のほうに出てきた「犬地蔵」、そう地蔵のような犬が1匹。そして終わりに近い82夜は「人生の終りは定食でよい」と、うどん定食の写真が。
最後の88夜は「大輪」という牡丹の花。またリフレインですね。

2時間の講演会は3時間にも及びましたが、帰った人は1割程度。
ほぼ200人の満席状態でした。

超過した1時間は東北被災地にすぐに訪れて撮ってきた写真を見せてくれました。
子どもやお年寄り、カップルの被災者に「円顔」と呼ぶ、丸い顔が笑っているような絵を描いてプレゼントしていたようです。
それを持って、記念撮影していました。
放射線測定器をいつも持っているらしく、どこに行っても測定してみるとか。
最後まで濃い講演会でした。

また29日(日)14時から市美術館で行われる、画家・菊畑茂久馬さんと劇団ギンギラ太陽's主宰・大塚ムネトさんによる対談「天神と前衛美術家」(要申し込み)など注目企画も目白押しです。
お見逃しなく!

第13回アルゲリッチ音楽祭、今年は「タンゴとクラッシックの出会い」

300アルゲリッチ音楽祭.jpg
マルタ・アルゲリッチ(1941年生まれ)はアルゼンチンのブエノスアイレス出身のピアニスト。
世界のクラシック音楽界で最も高い評価を受けているピアニストの一人です。

彼女にまつわる逸話はいろいろあって、すごいのは、アルゲリッチの演奏を聴いた当時のフアン・ペロン大統領(妻はミュージカル「エビータ」で知られるあの人です)は、彼女に優れた音楽教育を受けさせるため、外交官だった父親にウィーン赴任を命じたとか。
これに伴って家族とともにオーストリアに移住したそうです。
これが1955年の出来事なので、いかに幼少のみぎりから才能が開花していたかということですね。

母語であるスペイン語の他に、フランス語、英語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語などを自在に操ることができるそうで、一時期、ピアニストがイヤで語学を生かして秘書になろうかと思ったこともあると、何かのインタビューで答えていました。

1970年に初来日し、以後、何度も来日しています。
特に、大分県別府市とはつながりが深く、1994年に別府ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール名誉音楽監督に就任し、1996年より別府アルゲリッチ音楽祭(1998年第1回開催)の総監督を務め、2007年には別府アルゲリッチ音楽祭の主催団体であるアルゲリッチ芸術振興財団の総裁に就任。
1998年以降は別府アルゲリッチ音楽祭のため、毎年来日しています。

私がアルゲリッチ音楽祭に行くようになったのは2001年ころからでしょうか。
毎年ゲストが豪華で楽しみです。

アルゲリッチの演奏スタイルとして有名なのが、座ってすぐに演奏を始め、ライヴでも録音でも極度にテンポが速いということ。
そして、アルゲリッチ音楽祭の目玉ともいえるのが4時間以上の演奏時間となるマラソン・コンサート(5月14日)、今年はアルゼンチン生まれの彼女らしく、テーマは「タンゴとクラシックの出会い」

今回のゲストはユーリー・バシュメット(ヴィオラ)、 エドゥアルド・フーベルト(ピアノ)、清水高師(ヴァイオリン)、キム・スーヤン(ヴァイオリン)、ユンソン(チェロ)、黒木岩寿(コントラバス)、三浦一馬(バンドネオン)、津久見樫の実少年少女合唱団
バンドネオンの巨匠、ネストル・マルコーニは残念ながら急遽来日しませんでした。

プログラムは、もちろんピアソラのオブリヴィオン(忘却)、リベルタンゴ、現実との3分間などなど。
アルゲリッチとフーベルトの2人によるピアノ演奏がありましたが、アルゲリッチ、座るやいなや弾き始めていました。
演奏も速かったああ。
でも素晴らしい演奏は毎度のことであります。

なんとこの6月でアルゲリッチも古希(70歳)を迎えるとのことです。

5月19日は音楽祭の千秋楽「チェンバー・オーケストラコンサート」、アルゲリッチはショパンのピアノ協奏曲 第1番 を弾くはず!

ピアソラ:リベルタンゴ
ピアソラ:現実との3分間
ピアソラ:trip around the tangos by Piazzolla
ヒナステラ:3つのアルゼンチン舞曲集op.2より 
マルコーニ:Moda Tango
フーベルト:Martulango
フーベルト:Fantango & Malambo  他を予定ピアソラ:リベルタンゴ
ピアソラ:現実との3分間
ピアソラ:trip around the tangos by Piazzolla
ヒナステラ:3つのアルゼンチン舞曲集op.2より 
マルコーニ:Moda Tango
フーベルト:Martulango
フーベルト:Fantango & Malambo  他を予定ピアソラ:リベルタンゴ
ピアソラ:現実との3分間
ピアソラ:trip around the tangos by Piazzolla
ヒナステラ:3つのアルゼンチン舞曲集op.2より 
マルコーニ:Moda Tango
フーベルト:Martulango
フーベルト:Fantango & Malambo  ピアソラ:リベルタンゴ
ピアソラ:現実との3分間
ピアソラ:trip around the tangos by Piazzolla
ヒナステラ:3つのアルゼンチン舞曲集op.2より 
マルコーニ:Moda Tango
フーベルト:Martulango
フーベルト:Fantango & Malambo

→休憩スペースで、タンゴ演奏やってましたの図
300アルゲリッチ音楽祭庭.jpg