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11.07.22
その人の名は菊畑茂久馬(きくはたもくま)、親しい人には「モクさん」と呼ばれています。
私はそんなにすごい美術家とは知らずに25年ほど前に初めてお会いしました。
まだ「モクさん」とはだいそれて呼べません。
→レセプションでの菊畑さん
菊畑さんのプロフィールを紹介しましょう。
1935年徳島県生まれ。1940年長崎県に移り、41年福岡に移ってきたそうです。
1953年福岡県立中央高等学校を卒業し、1956年、20歳そこらで福岡県庁の外壁を会場に開かれたペルソナ展に出品し、翌年この野外展から発足した九州派のグループに加わり、各種の運動に参加するようになった作家です。
九州派についてはいろいろ資料もあるので勉強してみてください。
面白いメンバーが面白い活動をしていました。
1960年には、九州派を退会し洞窟派を結成。
1961年の読売アンデパンダン展から「奴隷系図」のシリーズを発表し、特に同年国立近代美術館で開かれた「現代美術の実験」展の出品作が注目を集めました。
1964年からは「ルーレット」のシリーズを展開、近年は〈天動説〉、〈月光〉のシリーズを発表。
1970年に、東京にある「美学校」の講師に就任、
そこで、「ぼくが講師をやるなら、山本作兵衛描くところの筑豊炭坑画を教課本にして生徒たちに模写させ、大壁画をつくる。それ以外は絶対駄目だ!」と言って、一日9時間の集中授業にしたとか。
そうです、あの世界記憶遺産になった山本作兵衛さんの絵です。
山本作兵衛さんの絵を世界記憶遺産にまで導いたのは、まぎれもなく菊畑さんの功績です。
福岡市美術館では8月28日まで、長崎県美術館は8月31日まで展覧会を開催、福岡市美術館のオープニングレセプションに行けなかったので、長崎まで行ってきました。
菊畑さんのファンは多く、東京からも画廊や出版社の方たちが駆けつけていらっしゃいました。もちろん、福岡からも。
展示されている作品は大作揃い、「ルーレット」「天動説」などの代表作や、オブジェ、版画、新作「春風」などが展示されています。
テーマは福岡会場が「戦後」(約230点)、長崎会場が「絵画」(約100点)だとか。
夏休みを利用して、ぜひ長崎まで足を伸ばしてください。
美術館に行ったついでに、行きたかった「長崎ガーデンテラス」というホテルのレストランでランチしました。
ここは、長崎県美術館を設計した隈研吾さんが設計したホテル。
美術館のちょうど対面の稲佐山中腹にあります。
→これが、ガーデンテラス!
ランチだから予約しなくても大丈夫かと思っていたら、タクシーの運転手さんに予約は必須!といわれ、あわてて予約、かろうじて滑り込みました。
今は、2周年記念ランチが3000円、これお勧めです!
内容もですが、景色が素晴らしい!美術館ともども、ぜひ楽しんでください。
→レストランからの風景
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11.07.18
映画『ラーメン侍』の前売券がいよいよ発売!
特典は、ラーメン好きのマストアイテム・映画特製オリジナル「侍れんげ」です。
また、劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」も放映スタート!T・ジョイ博多他にて7月中旬から順次公開いたします。
この秋の公開に向け、いよいよ始動する『ラーメン侍』プロジェクト。活動内容は随時この「Ra-Samニュース」でお知らせしていきます!
①映画特製オリジナル「侍れんげ」付前売券発売決定!
ラーメンの本場・九州から誕生した映画『ラーメン侍』。ラーメンファンの期待に応えるべく、前売特典はこだわって製作しました。
親子2代のラーメン店"弾丸ラーメン"の暖簾の色で、映画のキーカラーでもある【赤】を基調に、ロゴと店のマークをあしらった豪華な箱入りれんげ。
ラーメンファンに、今後は"マイれんげ"を持参してラーメン屋に行ってほしいという願いを込めたエコな前売特典です。
◎発売日:7月16日(土)~
◎前売り券料金:1300円
◎発売場所:劇場窓口にて
※数に限りがございます。
②劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」
劇場シリーズ予告「ラーメンのある風景」をT・ジョイ博多他にて7月中旬から公開。
内容は、「ありえない場所、ありえないシチュエーションでただひたすらラーメンを食べ続ける」という、シュールなコンセプトで作られた渾身のシリーズもの。
第1話「滝」編は、柔道着を着た男が滝にうたれながらラーメンを食べ、第2話「海」編は、水着ギャルが浮き輪でプカプカ浮きながらラーメンを食べるという、夏ならではの爽快感と虚脱感あふれる2作です。
このシリーズ予告は第7話まで続き、福岡の一般市民を巻き込みながら撮影される予定です。
→第1話「滝」編
7/16(土)~T・ジョイ博多他にて放映予定
→第2話「海」編
7/30(土)~T・ジョイ博多他にて放映予定
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11.07.18
夢枕獏の大人気シリーズ。
いろいろとヒット作がある中で、やはり年1回出るこのシリーズが一番好きです。
安部清明と源博雅が、清明の屋敷の簀子縁で庭を眺めながら酒を飲んでいるシーンから始まります。
酒をつぐのは、どこからともなく現れる美しい女の形をした清明の式神。
やがて最近都で起こる怪異の噂話や清明の元に持ってこられた相談事の話になり、お互いに誘いあって「ゆくか」「ゆこう」という事になる。
事件が解決すると、また清明の屋敷で酒を酌み交わします。
春は桜の木の下、あるいは藤の花が薫る中で、夏は鈴虫の声に耳を澄まし、冬は火鉢にあたりながら、四季を通じてゆるゆると酒を酌み交わす2人の様子が何とも風情があっていい。
やたらと酒が飲みたくなる本です。
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11.07.18
「朗読執事」は、利用者が買った本を執事が朗読してくれるというタイトルそのままのアプリです。
「お嬢様、おぼっちゃま、ご主人様、奥様」の四種類から"呼ばれ方"が選べます。
ちょいちょい執事のマークから「『高瀬舟』は森鴎外先生の名作です。二人の兄弟愛の形ぜひ聞いてください」とか
「太宰先生の『ヴィヨンの妻』を書庫から見つけたのですが、お読みしますか?」という内容のメールが来ます。
発想は素晴らしい。
...ただ、執事に読んでもらえるラインナップが地味すぎます。
『変身』フランツ・カフカ、『ごんぎつね』新美南吉、『幸福の王子』オスカー・ワイルド、『ガリバー旅行記』、ジョナサン・スウィフト、『まだらの紐』コナン・ドイル、『羅生門』芥川龍之介、『白雪姫』グリム、『眠る森のお姫さま』シャルル・ペロー、『ヴィヨンの妻』太宰治、『高瀬舟』森鴎外、『アッシャー家の崩壊』エドガー・アラン・ポー、『雪女』小泉八雲
...なんだこれ。
『ごんぎつね』はとてもいい話ですが、わざわざ執事に読んでほしくて買う本ですか。
あるいは『変身』なんて気持ち悪い描写満載の小説を、あえて執事に読ませましょうという高度な逆萌え発想なのか。
製作会社の意図が見えません。
そこでめがねが勝手に執事に読んでほしい本をセレクトしてみました。
ちょいちょい執事のコメントを挟んでいただきたい。
坂東眞理子『女性の品格』を読んでもらいながら「お嬢様も立派なレディにおなりください」と言わせたい。
あるいは、三島由紀夫『レター教室』も真面目に朗読されると楽しいかも。
イギリスにいる同僚の話という設定でカズオ・イシグロ『日の名残り』もいいですね。
執事が読むハーレクインロマンスも捨てがたいなあ。
「続きは明日。お嬢様、今夜はもうお休みください」と言われて、もどかしく就寝したい。
試しに買った『羅生門』以降、どんなに執事が勧めてきても買う気になれない本ばかりですが、今後の進化に期待して、このアプリは消さないで残しておきます。
ちなみに男性の皆様向けには「朗読少女」があるので、チェックしてみてください。
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11.07.18
電子書籍を読むようになりました。
雑誌やマンガは小さすぎてイチイチ拡大するのが面倒ですが、小説は意外と読みやすい。
最初に試したのは「豊平文庫」(アプリを買えば全部無料、買わなくても30冊ダウンロードまで無料)です。
「買ってまでは読まないけど、無料なら是非読んでみたい」純文学、小説、詩集やコラムが掲載されてます。
最近読んで面白かったのは太宰治の「川端康成へ」(「もの思う葦」新潮文庫)
"川端康成に作品を酷評された太宰治が、怒りにまかせて書いた恨み節"というザックリした情報は知ってたけど、初めて全文を読みました。
あくまでもへりくだりつつ、自分がその小説を書いた時の状況説明(いいわけ)から始まって、中盤は完全に悪口に終始し、最後はなんとか上から目線でやりこめようとして失敗している太宰治。
根暗の恨みは深い。
この人は友達になったら面倒臭い小説家ナンバー1ですね。
「ああ、もう!」とイラつかれながら周囲の人に気遣われ、でも本人はその事に全く気付いてない。
そんな感じの人だったんだろうなと思います。