LIVE POTSUNEN 2011『THE SPOT』

今めがねが絶対見逃したくない人。
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2時間、小林賢太郎ワールドにどっぷり浸らせてもらいました~。
小林さんの頭をパカリと割って、中を見てみたいです。
...天才!

掘り出し物を見つけに通っています。

今のささやかな楽しみは、毎日昼休みに「TSUTAYA福岡ビル店」に通って掘り出し物を見つけることです。

本日の収穫は「デラックスカラーシネアルバム イギリスの貴公子たち」
サブタイトルがすごいです、「誇り高き魔性の麗人」ですから。

1988年に芳賀書店から発行されています。
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目次を見ると

ダニエル・デイ・ルイス―その性的アッピール  (これは長沢節さんが書いています)
世紀末美男スターの系譜・ヴァレンティノからダニエル・デイ・ルイスへ
ダニエル・デイ・ルイスは崇高なエイリアンだ!!
その後の"モーリス"たち
イギリス型美青年の条件
ブリティッシュ・フィルム・ナウ
英国貴公子語録
イギリスの貴公子たち・フィルモグラフィー

ダニエル・デイ・ルイスをはじめ、「モーリス」のヒュー・グラント、ルパート・グレイヴズ、ジェイムズ・ウィルビィ、「英国王のスピーチ」とはまるで別人の「アナザー・カントリー」のコリン・ファース、ルパート・エヴェレットたちが、美しい写真とともに紹介されていました!

見ているだけでも幸せになれる雑誌です。

映画も見たくなりましたなあ。

1人紺屋野菜

10月に入居した時、前の入居者が残した"紺屋野菜"のプランターがあったので、新しい野菜を植えました。
ご覧ください。私の野菜たちです。
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→手前からサラダ菜、ブロッコリー、アイスプラント、イタリアンパセリです☆

生来ガサツな性格なんで、ガーデニングとか花を育てるとか全く向いてないと思っていたんですが、いまや鬼...いや神地味なNHKの『やさいの時間』まで嬉々として録画予約する始末。
どうやら目覚めてしまったようです、野菜栽培に...。

じゃーん、見てください!
こんな形状からひと株のブロッコリーになるんですよ~、へえ~。
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サラダ菜やアイスプラントを押しのける勢いで生えてくる無駄に大きな緑の葉っぱにイラっとして、最初は2,3枚折りとったりしていましたが、今はこの小さな"ブロ子"が可愛くて仕方ありません。

「ブロッコリーまじ~」とか言ってる子供は成敗してやります。

きれいに育ったら、もぎとって食してやるつもりです。
ゲヘヘ。

あの「家族」にまた会いたかった!

4月16日土曜日、北九州芸術劇場で行われる話題の舞台「焼肉ドラゴン」を見に行きました。

この舞台、2008年に東京・ソウルで上演され、どちらの国でもで毎回スタンディング・オベーションとなる熱狂的な反応で迎えられた舞台です。
その年の演劇賞を総なめにした話題作でもあり、東京で今年再演されると聞いて、2月に新国立劇場にも見に行きました。

1970年開催の大阪万博に合わせ、急ピッチで開発された1969~71年の関西の地方都市が舞台。
国有地を不法占拠する在日韓国人集落が立ち退きを迫られる物語でもあります。
一生懸命働いているのに貧しい、でも家族や近所の付き合いが人間くさい時代のありふれた風景が消えてゆく様子が描かれます。
在日韓国人の家族がモデルではありますが、日本人も同じような貧しさの中で明るく懸命に生きていた時代だからこそ、見ていて懐かしい気持ちになるのです。

なんといっても、お父さん、お母さんも演じる役者の存在感がすごい!
演じるのは韓国人の申哲振、高秀喜さん。

作・演出は在日3世の鄭義信(チョン・ウィシン/てい よしのぶ)さん。
映画「血と骨」「月はどっちに出ている」などで在日を描いています。

舞台のあと、アフタートークで出演されました。
国有地からの立ち退きは、兵庫県姫路市の実家の体験が元にあるとか。
実際に万博で消えていった集落も取材したそうです。
「1970年前後は、日本の共同体そのものが崩壊を始めた時代。万博が日本のターニングポイントだったと思う」
と語っていました。
新国立劇場とソウルの「芸術の殿堂」という日韓の国立劇場が制作する舞台ですが、そんな立派な劇場を焼肉の匂いでいっぱいにしたかったとも。

いまや、堤 真一&草彅 剛の二人舞台「K2」などの演出家としても知られる千葉哲也さんが、在日の問題を一人で抱え込む青年として出演。

開演前に会場に入ると、もうそこでは舞台が始まっています。
韓国の音楽を演奏しながらホルモン焼きの臭いが漂っています。

"語り部"である一人息子・時生(トキオ)が、最初と最後、屋根の上から思いを伝えるのですが、これに泣かされました。
最初と最後、時生が語るときに桜の花びらが舞台に散ってくるのですが、これがまた美しくて哀しいのです。

ちょうど、桜散るこの季節に、またこの家族に出会えて嬉しかったなあ。

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これが舞台となった焼肉ドラゴン。ホルモンの臭いがしてきます。(模型)

めがねブログはじめます

『ラーメン侍』の製作宣伝と並行してやってきた、『奇跡』のキャンペーンが、やっとこさ終わりました。

この2作は、いわゆる"ご当地映画"と呼ばれるものです。
『ラーメン侍』は"『ラーメン侍』10.22公開までの道"でも書いてますが、福岡・久留米で撮影された福岡を舞台にした映画。
一方『奇跡』は九州新幹線全線開業をモチーフに、福岡・熊本・鹿児島を中心に撮影された九州を舞台にした映画です。

地元で撮影された映画は、当然興行的にも一番成功しなければいけないとされているので、当の"ご当地"ではプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、まさに死に物狂いの宣伝攻防が繰り広げられます。
つまり宣伝マンとしては、一番体力、気力を吸い取られ、しまいには息も絶え絶えになるのが"ご当地映画"なのです。

思えば、福岡ギャガさんとは懐かしのご当地映画『ロッカーズ』からのお付き合い。
10年たった今でも、「あの『ロッカーズ』の時は...」と例をひきたくなるくらい、ご当地映画宣伝のノウハウを勉強させてもらった先輩的配給です。

『奇跡』はご当地映画なうえに是枝裕和監督の最新作で、九州新幹線全線開業という実際の一大トピックスが絡んでいる作品。
公開直前の宣伝活動の肝になる福岡キャンペーンのお手伝いをさせていただいたのですが、果たしてお役に立てたかどうか(汗)

ともあれ良い映画なので、是非ヒットしてほしいと願ってます。
6月4日(土)から九州先行上映(6月11日~全国ロードショー)です。
皆様、是非劇場に足をお運びください。

ということで、そのキャンペーンを終えたばかりのヨロヨロした体で、舞台『焼肉ドラゴン』を北九州まで見に行ってきました。
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2008年に上演され数々の演劇賞を総なめ。高度成長期の日本を舞台にした、在日コリアンの家族の物語です。
演劇にさほど詳しくないめがねでも、超話題作だと言う事と映画界でも脚本家として知られる鄭義信作品だと言うだけで期待度MAX。

鄭義信さんは、崔洋一監督の『月はどっちに出ている』、『血と骨』、平山秀幸監督の『愛を乞うひと』、そしてプロジェで宣伝させていただいたご当地映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』と素晴らしい脚本を数多く作った人です。

めがねの実家の近くには朝鮮学校があって、チョゴリで登校する女の子を日常見かけていました。しかし同じ地元の学校同士とはいえ交流もなく、というよりしょっちゅう学校の不良たちと諍いを起こす朝鮮学校はなんとなく怖い存在。

その後、大人になって『パッチギ!』を宣伝し、韓流ドラマきっかけで韓国を良く知るようになった事もあって、やっと在日問題を意識し、本や映画で知る機会も増えました。それで、基礎的な歴史だけはなんとなく分かったような気でいましたが、舞台で生き生きと生活する家族の物語にどっぷり浸りながら、"知識"だけでは分からない生身の人間の悲哀と生き様に、とにかく圧倒されたのでした。

身を寄せ合うように立っているバラック。
頭上をひっきりなしに行き交い、神経をかき乱される飛行機のブーンという音。
長屋の共同水場でかしましく世間話するおばちゃんたち。
どぶの臭いと焼肉を焼くいい匂いが混然とする中、韓国語が飛び交う騒がしくエネルギッシュな在日コリアンの家族の日常が繰り広げられます。
時は高度成長期で、諸外国に追い付き追い越せと日本中が沸きかえる中、在日という理由でまともな仕事につけない大人が昼間から酒をくらってごろごろしている"焼肉ドラゴン"。
家族は、太平洋戦争で片腕を失った父親・ヨンギル、
働き者で家族の中心的存在でもある母親・ヨンスン、
そして父親の先妻との間にできた2人の娘
足に大きな傷を持つ長女の静花と静花の元彼氏・哲男と結婚した次女の梨花、
母親の連れ子で歌手を目指す三女の美花、
そしてヨンギルとヨンスンの間にできた私立高校に通う長男の時生。

この1つの家族の歴史を追いながら、2世代間にわたる在日の歴史が縮図のように描かれていきます。

本当に素晴らしかった!

終わっても涙が止まらなかったです。
在日コリアンの話だけど、「その歴史をほとんど知らない韓国でも、彼らを差別してきた日本でも共感と感動を呼んだ」というのも納得です。

これは<家族>の物語。

家族が離れ離れになる時、オモニがみんなに言った「どこにいても家族だから」という台詞が重く響きます。

ところで、パンフレットの鄭義信さんのこのコメントが意外でした。
「歴史認識が芸術の核となっていた韓国でも、近年は個人主義への傾倒が著しくて。血縁で結ばれた同心円状に広がる社会だったのに、その構造すら崩れつつあるんです。だから日本ではある種の懐かしさ含め、上の年齢層の観客を中心に受け入れられた『焼肉ドラゴン』が、韓国では若い人たちが『目の前で壊れつつある自分の家族の物語』として強く共感をもってくれた。」
韓国を少し知ると、彼らが自分の家族や仲間を大切にする民族で、いかにその絆が社会で細かく繋がっているかを感じますが、現代ではそれも少しずつ変化してきているんですね。

そうそう!
始まる前にろくにキャストも確認していなかったので、実際に舞台を見て、出演している役者にびっくりでした。
アボジ(お父さん)役にシン・チョルジン、オモニ(お母さん)役にコ・スヒ!
...ちょっとマニアックに韓国映画を知っている人なら、名前は知らなくても顔を見れば「ああ!」となる役者です。
日本の役者も良かったけど、とにかくこの韓国の俳優陣のうまさに舌をまきました。

韓国映画を見始めて知ったんですが、韓国には「ザ・職業俳優」って感じの演技がうますぎる俳優がわんさかいるんです。
ちなみにめがねはチェ・ミンシクのファン。キャッ☆

タイトルだけ決めて、あまりに長く(準備中)のままにしてきた「めがねブログ」。
いきなり舞台の事を書いちゃいましたが、本当は趣味の宝塚と読書のことを書こうと思ってます。
つーことで無理やりですが、在日コリアン、日本人、韓国人交えての映画作りのドタバタを面白おかしく描いたこちらの本。
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梁石日の「シネマ・シネマ・シネマ」がお勧めです。
鄭義信はもちろん、在日の交友関係ってこんな風につながっていて、あの映画ってこうやって作られたんだなーって、映画が2倍楽しめると思いますよ。