10.07.29
10.07.28
先日、実家に帰ったときに田植えのお手伝いをしました。
植え継ぎと言って、ジャンボタニシに食べられてしまった部分を
補う作業です。
(タニシは植えたばかりの柔らかい苗を食べちゃうんです。)
タニシは元は食用の淡水性巻貝なんですが、その昔、養殖場があった
らしく、それが野生化し川を伝って我が家の田んぼに現れるのです。
川縁に赤い卵を産みつけて、それがとてつもなく気持ち悪い。
本当に深刻な問題となっているんです。
田植え用の雨靴を履いて、カッパを上下着ます。
夏なので凄く暑いです。しかも強めの通り雨が何度も降ります。
昔ながらの竹籠に苗を適量入れて、腰に付けます。
15年振りくらいに入った田んぼは新触感。
足を取られてしまい、まず一歩目で動けなくなり、植えようとした瞬間、
パサッと帽子が落ちてしまいました・・。
「手元は見ずに、植えるところを見る」のがプロらしいです。
下を向くと髪の毛が邪魔で、ついつい泥のついた手でかきあげて
しまいました。
殆ど無心に植えていたんですが、こんなに大変な思いを毎年しているんだ
なぁと改めて感謝。しかも田んぼはここだけじゃありません。
両親は何倍も作業しています。
「米がなくなったから送って~」と電話一本で米を調達していた私は、
なんなんだろう。
今ある生活は、誰かの手によって成り立っている。そのことを忘れたくない。
最初は楽しかったけれど、どんどん疲れてしまって、でも自分がしなかったら
両親がすることになる。という、葛藤。
結局、カッパのウエストのゴムが切れたので帰りました・・・。笑
メイドインコリア。
帰って鏡を見ると、顔に泥は跳ねてるし、格好はダサイしでびっくり。
でもなんとも言えない充実感がありました。
米を作るのも、生き物を飼うのも、とってもクリエイティブです。
牛さんの鎖が当たる音や、息づかいが聞こえない夜は寝やすいはずなのに
眠れなくて夜更かしをしてしまいます。
次の日、畜舎を覗いてみました。
がらーん。としていて、鶏が小屋を拡大していました。
このまま古くなっていっちゃうだけなのかなーと思うとやりきれなくて、
どうにか、牛さんをこの小屋へ戻してあげたいと思いました。
今回のことで経済的には勿論、精神的にも打撃を受けたので、
もう難しいのかなとも思います。
でも、もし牛さんが来たら、私の家族はきっと、涙すると思います。
今は、空のダイアモンドになった牛さんの供養をしてあげたいです。。
一頭一頭に名前があって、顔立ちも癖も体調も、父牛母牛の身元(血統)
も含め全て覚えて、セリの日まで管理。それをずっと続けてきて、
ある日全てがぽっかりなくなる。
なんとも言葉では表現できない。
移動制限が解除されたけれど、課題は山積み。
このまま、時間が過ぎると忘れられてしまうんだろうなと、
思うと悲しい。
私に出来るのは家族の側になるべく居ることと思い、帰れる週は帰っています。
もっと出来ることを探して、頑張ろうと思います。
協力して下さった皆様には、心よりお礼申し上げます。
(土器)