『川端康成へ』太宰治

電子書籍を読むようになりました。
雑誌やマンガは小さすぎてイチイチ拡大するのが面倒ですが、小説は意外と読みやすい。

最初に試したのは「豊平文庫」(アプリを買えば全部無料、買わなくても30冊ダウンロードまで無料)です。
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「買ってまでは読まないけど、無料なら是非読んでみたい」純文学、小説、詩集やコラムが掲載されてます。

最近読んで面白かったのは太宰治の「川端康成へ」(「もの思う葦」新潮文庫)

"川端康成に作品を酷評された太宰治が、怒りにまかせて書いた恨み節"というザックリした情報は知ってたけど、初めて全文を読みました。

あくまでもへりくだりつつ、自分がその小説を書いた時の状況説明(いいわけ)から始まって、中盤は完全に悪口に終始し、最後はなんとか上から目線でやりこめようとして失敗している太宰治。

根暗の恨みは深い。

この人は友達になったら面倒臭い小説家ナンバー1ですね。
「ああ、もう!」とイラつかれながら周囲の人に気遣われ、でも本人はその事に全く気付いてない。
そんな感じの人だったんだろうなと思います。

『現代語裏辞典』筒井康隆(文藝春秋)

最近のサイドテーブルの「つんどく」。
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寝る直前にパラ読みするのは
"愛すべき天邪鬼" 筒井康隆の『現代語裏辞典』(文藝春秋)
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読書灯に顔半分照らされながら、笑いを噛み殺して読んでます。
傍から見たら、野口さん(©ちびまる子ちゃん)。危ないアラサーです。

「あ」と「い」から、少しだけご紹介します。


アイディアマン(idea man)
=無形のものに対する報酬を口にする人。


あべかわ(安倍川)
=静岡を流れる川、またはその川を流れてくる餅。


ありがとう(有難う)

=ひどい目にあわされた相手への厭味。大声で何度も繰り返せばまた殴られる。


アンダースロー(under throw)
= 敵の睾丸を握り潰す際に役立つ投法。


いえじ(家路)
=外出先であったいやなことを忘れ、これから起こるいやなことに対して心の準備をする路。


いきうめ(生埋め)
=被害者が猛烈な早口になる殺人方法。


いまわのきわ(今際の際)
= 無意味な呟きにも親族が意味を見出さねばならぬ瞬間。


いろり(囲炉裏)
=栗の潜伏場所。


元の意味を知らない人、冗談が分からない人にはお勧めしません。

糸井重里という人...

1948年生まれというから、いわゆる団塊の世代の人。
昔なら西武デパートの名コピーライターとして有名だけど、私が面白いなあと思い始めたのはパルコ出版が作っていた「ビックリハウス」の読者投稿ページ「ヘンタイよいこ新聞」です。

「シティ情報ふくおか」の創刊のころ、ちなみに創刊は1976年(福岡に天神地下街ができ、天神コアもできた頃)「シティ情報ふくおか」は父なる「ぴあ」母なる「ビックリハウス」と言ってました。

つまり、情報ページは「ぴあ」に習い、読者ページは「ビックリハウス」を参考にしておったとです。

私自身は「ぴあ」よりも「ビックリハウス」を隈なく読んでおりました。
そしてパルコというところに憧れ、西武というグループ会社に注目し、渋谷の街が若者の街に変わっていくのを福岡の地から遠く眺めておりました。流通と媒体と街がこんなふうに融合していくのだなと。
ま、こんな話はまたいずれ。

今回は糸井さんの話です。

「ヘンタイよいこ新聞」の前には沢田研二の「TOKIO」を作詞し、矢沢永吉の自伝本「成りあがり」の構成・編集を手がけ、スナックなどの飲み屋で自慢げにマッチやナプキンを使って披露する芸をまとめた「スナック芸大全」をまとめ、NHK教育では「YOU」という若者番組の司会をしてました。

そして1998年に「ほぼ日刊イトイ新聞」なるサイトをスタートさせました。

そう、糸井重里は時代とともに歩いている人だと思うんです。
たぶんそれは、糸井さん自身の興味対象が時代とともに変わってきてるからでしょう。

すごいのはそれを仕事にしていること!

「ほぼ日刊イトイ新聞」は1日の総ページビューが約140万という有名サイトです。
ここから「ほぼ日手帳」とか土鍋とか料理本とかいろいろなオリジナル商品が生まれています。  

私も毎日サイトを開いている一人ですが、何よりも読み物が面白い
執筆者や対談相手も多彩。
タモリ矢沢永吉鶴瓶さんイチロー明石家さんまから谷川俊太郎天海祐希市川染五郎などなど。

シリーズ連載がこれまた毎日チェックしたくなるような見せ方と文章なんです。
要はとても優れた編集者と聞き手、ライターがいる編集プロダクションの成せる技なんですね。
文字ばかりでなく写真やイラストが有効に使われ、対談形式も思わず読んでしまう構成です。
バックナンバーがすべて読めるのでチェックしてお気に入りを見つけてください。

おすすめは「われら、ほぼ日感劇団。」
この1回目は劇団・新感線の「朧の森に棲む鬼」ですから。
市川染五郎と糸井さんが対談していて、それはDVDの副音声になっています。

それから「社長に学べ!」シリーズ
任天堂やTSUTAYAの社長など、糸井さんが気になっている社長との対談。

そしてそしておすすめは、荒俣宏さんの「めくるめく愛書家の世界」。
荒俣さんは大の古書好きで知られていますが、それは半端な古書じゃないことがこれを読むと分かります。

今連載中の太田和彦プラス大沢在昌 居酒屋幼稚園」、これ笑えます。
居酒屋探訪家の太田さんのマニアともいえる大沢さんが居酒屋の指南を受けるわけです。
六本木のクラブには一人で行ける大沢さんがなぜか、居酒屋には一人で行けないと。

どんな雑誌よりも今、チェックすべきはこのサイトです。
先日の「BRUTUS」では全編、糸井重里特集でした。

気になる人は多いんですよ。

TSUTAYA福岡ビル店に行ってビックリ!

福岡ビル(中央区天神1)に4月11日、「TSUTAYA(ツタヤ)天神駅前福岡ビル店」がオープンしました。
場所は「丸善書店」の跡、2階・3階です。総売り場面積は964坪という広さで、2階は中古本「ecobooks」、
それに中古DVD・CDがあり、新刊書籍もそろっています。
ついでに、「カフェ・ド・クリエ」では、未購入の本が読めるとか。
オープンすぐというのもあるのでしょうが、とにかく良く揃っています。

中古本は文庫・文芸・雑誌・専門書など24万冊、中古DVD・CDは4万枚だそうです。
3階はDVD・CD・コミックレンタル、ゲーム販売。レンタルは西日本最大の7万タイトル、10万枚。
昼休みの時間では見足りない。それに海外作家の文庫本は1冊105円ですし、日本作家の文芸物も105円。
ばったり会った椎葉ユウさんは、町田康の書籍が105円だったので、救出してあげなくては!と購入していました。
DVDもミュージシャンもの、アジア系映画など、500円以下です。これは早い者勝ちでしょうね。
新聞によると、「『ツタヤ=若者』のイメージが強いが、福岡ビルの特性に合わせて40~50代向けに
アーティストの懐かしい作品も豊富にそろえたほか、内装も他店舗に比べて落ち着いた雰囲気に仕上げた」と
櫻澤圭一店長が言っています。

そしてそれを裏付けるように特別コーナーが設置してあって、私は驚きましたよ!
なんと、「シティ情報ふくおか」のバックナンバーがずらりと揃っていたからです!
それも、プレ創刊号から。ま、そこから関わった者としては複雑な気持ちでした。
飾ってあるだけかと思ったら、売ってました。プレ創刊号と創刊号はなんと!2500円でした。
判型がA5判の小さい頃のは1500円。いったい、誰が持っていたのか、誰が売ったのか??と素朴な疑問が。
ちなみに、私はバックナンバー、1冊も持っていません。
どうも、これがこのTSUTAYA福岡ビル店オープンの目玉の一つのようです。
シャメでもしようかと思いましたが、その勇気はありませんでした。
他にも、福岡の音楽バー店主らがすすめるCDを集めた「音・店・人(おとてんじん)福岡」コーナーなども展開するそうです。
欲しいものをゲットしたいなら、早めの来店をお勧めします。

天神経済新聞の「シティ情報ふくおか」コーナーを伝える記事