1人紺屋野菜

10月に入居した時、前の入居者が残した"紺屋野菜"のプランターがあったので、新しい野菜を植えました。
ご覧ください。私の野菜たちです。
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→手前からサラダ菜、ブロッコリー、アイスプラント、イタリアンパセリです☆

生来ガサツな性格なんで、ガーデニングとか花を育てるとか全く向いてないと思っていたんですが、いまや鬼...いや神地味なNHKの『やさいの時間』まで嬉々として録画予約する始末。
どうやら目覚めてしまったようです、野菜栽培に...。

じゃーん、見てください!
こんな形状からひと株のブロッコリーになるんですよ~、へえ~。
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サラダ菜やアイスプラントを押しのける勢いで生えてくる無駄に大きな緑の葉っぱにイラっとして、最初は2,3枚折りとったりしていましたが、今はこの小さな"ブロ子"が可愛くて仕方ありません。

「ブロッコリーまじ~」とか言ってる子供は成敗してやります。

きれいに育ったら、もぎとって食してやるつもりです。
ゲヘヘ。

めがねブログはじめます

『ラーメン侍』の製作宣伝と並行してやってきた、『奇跡』のキャンペーンが、やっとこさ終わりました。

この2作は、いわゆる"ご当地映画"と呼ばれるものです。
『ラーメン侍』は"『ラーメン侍』10.22公開までの道"でも書いてますが、福岡・久留米で撮影された福岡を舞台にした映画。
一方『奇跡』は九州新幹線全線開業をモチーフに、福岡・熊本・鹿児島を中心に撮影された九州を舞台にした映画です。

地元で撮影された映画は、当然興行的にも一番成功しなければいけないとされているので、当の"ご当地"ではプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、まさに死に物狂いの宣伝攻防が繰り広げられます。
つまり宣伝マンとしては、一番体力、気力を吸い取られ、しまいには息も絶え絶えになるのが"ご当地映画"なのです。

思えば、福岡ギャガさんとは懐かしのご当地映画『ロッカーズ』からのお付き合い。
10年たった今でも、「あの『ロッカーズ』の時は...」と例をひきたくなるくらい、ご当地映画宣伝のノウハウを勉強させてもらった先輩的配給です。

『奇跡』はご当地映画なうえに是枝裕和監督の最新作で、九州新幹線全線開業という実際の一大トピックスが絡んでいる作品。
公開直前の宣伝活動の肝になる福岡キャンペーンのお手伝いをさせていただいたのですが、果たしてお役に立てたかどうか(汗)

ともあれ良い映画なので、是非ヒットしてほしいと願ってます。
6月4日(土)から九州先行上映(6月11日~全国ロードショー)です。
皆様、是非劇場に足をお運びください。

ということで、そのキャンペーンを終えたばかりのヨロヨロした体で、舞台『焼肉ドラゴン』を北九州まで見に行ってきました。
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2008年に上演され数々の演劇賞を総なめ。高度成長期の日本を舞台にした、在日コリアンの家族の物語です。
演劇にさほど詳しくないめがねでも、超話題作だと言う事と映画界でも脚本家として知られる鄭義信作品だと言うだけで期待度MAX。

鄭義信さんは、崔洋一監督の『月はどっちに出ている』、『血と骨』、平山秀幸監督の『愛を乞うひと』、そしてプロジェで宣伝させていただいたご当地映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』と素晴らしい脚本を数多く作った人です。

めがねの実家の近くには朝鮮学校があって、チョゴリで登校する女の子を日常見かけていました。しかし同じ地元の学校同士とはいえ交流もなく、というよりしょっちゅう学校の不良たちと諍いを起こす朝鮮学校はなんとなく怖い存在。

その後、大人になって『パッチギ!』を宣伝し、韓流ドラマきっかけで韓国を良く知るようになった事もあって、やっと在日問題を意識し、本や映画で知る機会も増えました。それで、基礎的な歴史だけはなんとなく分かったような気でいましたが、舞台で生き生きと生活する家族の物語にどっぷり浸りながら、"知識"だけでは分からない生身の人間の悲哀と生き様に、とにかく圧倒されたのでした。

身を寄せ合うように立っているバラック。
頭上をひっきりなしに行き交い、神経をかき乱される飛行機のブーンという音。
長屋の共同水場でかしましく世間話するおばちゃんたち。
どぶの臭いと焼肉を焼くいい匂いが混然とする中、韓国語が飛び交う騒がしくエネルギッシュな在日コリアンの家族の日常が繰り広げられます。
時は高度成長期で、諸外国に追い付き追い越せと日本中が沸きかえる中、在日という理由でまともな仕事につけない大人が昼間から酒をくらってごろごろしている"焼肉ドラゴン"。
家族は、太平洋戦争で片腕を失った父親・ヨンギル、
働き者で家族の中心的存在でもある母親・ヨンスン、
そして父親の先妻との間にできた2人の娘
足に大きな傷を持つ長女の静花と静花の元彼氏・哲男と結婚した次女の梨花、
母親の連れ子で歌手を目指す三女の美花、
そしてヨンギルとヨンスンの間にできた私立高校に通う長男の時生。

この1つの家族の歴史を追いながら、2世代間にわたる在日の歴史が縮図のように描かれていきます。

本当に素晴らしかった!

終わっても涙が止まらなかったです。
在日コリアンの話だけど、「その歴史をほとんど知らない韓国でも、彼らを差別してきた日本でも共感と感動を呼んだ」というのも納得です。

これは<家族>の物語。

家族が離れ離れになる時、オモニがみんなに言った「どこにいても家族だから」という台詞が重く響きます。

ところで、パンフレットの鄭義信さんのこのコメントが意外でした。
「歴史認識が芸術の核となっていた韓国でも、近年は個人主義への傾倒が著しくて。血縁で結ばれた同心円状に広がる社会だったのに、その構造すら崩れつつあるんです。だから日本ではある種の懐かしさ含め、上の年齢層の観客を中心に受け入れられた『焼肉ドラゴン』が、韓国では若い人たちが『目の前で壊れつつある自分の家族の物語』として強く共感をもってくれた。」
韓国を少し知ると、彼らが自分の家族や仲間を大切にする民族で、いかにその絆が社会で細かく繋がっているかを感じますが、現代ではそれも少しずつ変化してきているんですね。

そうそう!
始まる前にろくにキャストも確認していなかったので、実際に舞台を見て、出演している役者にびっくりでした。
アボジ(お父さん)役にシン・チョルジン、オモニ(お母さん)役にコ・スヒ!
...ちょっとマニアックに韓国映画を知っている人なら、名前は知らなくても顔を見れば「ああ!」となる役者です。
日本の役者も良かったけど、とにかくこの韓国の俳優陣のうまさに舌をまきました。

韓国映画を見始めて知ったんですが、韓国には「ザ・職業俳優」って感じの演技がうますぎる俳優がわんさかいるんです。
ちなみにめがねはチェ・ミンシクのファン。キャッ☆

タイトルだけ決めて、あまりに長く(準備中)のままにしてきた「めがねブログ」。
いきなり舞台の事を書いちゃいましたが、本当は趣味の宝塚と読書のことを書こうと思ってます。
つーことで無理やりですが、在日コリアン、日本人、韓国人交えての映画作りのドタバタを面白おかしく描いたこちらの本。
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梁石日の「シネマ・シネマ・シネマ」がお勧めです。
鄭義信はもちろん、在日の交友関係ってこんな風につながっていて、あの映画ってこうやって作られたんだなーって、映画が2倍楽しめると思いますよ。


映画『ラーメン侍』3.22クランクアップ!

地元・福岡発の映画『ラーメン侍』が3月22日クランクアップしました!

とんこつラーメン発祥の地といわれる福岡県久留米市で3月1日クランクインした『ラーメン侍』は、人気ラーメン店「大砲ラーメン」のオーナーで、ラーメンフェスタの発案者でもある香月均氏が連載していた「初代熱風録」を元に映画化したもの。
九州が誇る食文化"とんこつラーメン"と"屋台"にまつわる悲喜こもごもの人間ドラマを人情味たっぷりに描く物語です。 

まだ日本が元気だった昭和40年代の福岡、屋台街でラーメン屋台を営む昇
時は流れ、不景気ですっかり活気をなくしてしまった街で、父親の店を継ぐことになった息子・光

父と息子、2つの時代の舞台となったのは、久留米市内の日吉市場をはじめ一番街や六角堂など。
約3週間にわたり久留米市近郊各所でオールロケされました。
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最終日3月22日、まだ寒い冬空のもと行なわれたのは、物語のクライマックスともなる昇が自らの屋台を燃やすシーン。場所は、黄色い菜の花がちらほらと咲き始めた久留米市筑後川の河川敷です。

撮り直しのきかないシーンだけに、現場はいつにない緊張感に包まれました。

父と息子、それぞれの生き様の象徴として登場する屋台は、この映画の魂とも言うべき存在。
その屋台が20分以上もの時間をかけ燃え尽きる様は、撮影の最後にふさわしい迫力で、それを見守る出演者とスタッフ一同が、映画と現実がクロスオーバーする不思議な感覚に包まれました。

また、撮影半ば起こった東日本大震災のニュースは現場にも大きな衝撃を与えました。

映画の出演者、撮影スタッフのほとんどが東京から来ています。
甚大な被害を伝える日々のニュースに心を痛めながらも、粛々と撮影は続行され、それぞれの複雑な想いを胸に秘めつつ、なんとか無事クランクアップを迎えることができました。

監督、出演者の方に、こんなコメントをいただいています。
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瀬木直貴監督
「こんな大変な時に映画なんか撮っていてもいいのか?と自問した瞬間もあります。ですが、被災地の福島に住む知人からもらった"撮影頑張ってください"というメールに力づけられました。こんな時期に撮影した映画だからこそ、観る人を元気にする映画にしたい」

昇と光を2役演じた主演の渡辺大さん
「屋台には都会の居酒屋やレストランにはない人と人とのコミュニケーションがある。久留米に来て、初めて屋台の醍醐味を知りました。前半で息子・光、後半で父親・昇を演じ分けるのは大変でしたが、監督とスタッフに支えられ何とか演じきることができました」
渡辺大さんのブログにもコメントがあります→こちら

昇の妻で光の母親である嘉子を演じた地元・福岡出身の山口紗弥加さん
「1つの作品で一人の役を18~53歳まで演じたのは初めて。特に渡辺さんとは前半、母と息子、後半、妻と夫と関係性も変わるので気持ちを切り替えるのが大変でした。脚本を読み、一杯のラーメンからこんなに豊かなドラマが生まれるのか、と感動しました。とんこつスープのように味わい深い、濃厚な映画になると思います」

このブログでは10月22日の『ラーメン侍』公開に向けての動きを、逐一皆さんにご報告していく予定です。
震災の最中に撮影された映画だからこそ、"ラーメン侍"が九州から日本を元気にしたい!そんな熱い思いで公開まで駆け抜けます。応援よろしくお願いします。
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【STORY】 父の訃報を聞き、故郷・九州に戻って家業のラーメン店を継ぐ事にした光(渡辺大)。だが、父に反発して家を飛び出し東京のデザイン事務所に勤めていた光にとって、父親が残した店は重荷でしかなかった。ラーメン作りにも自信がもてず、従業員とも衝突する日々。そんな中、母親・嘉子(山口紗弥加)と屋台をはしごしながら初めて聞いた昇の逸話。そこから昇が屋台を始めたいきさつや、1杯のラーメンに込めた想いを知った光は、記憶を頼りに父の味を再現しようと試行錯誤を始める...。

監督:瀬木直貴(『Watch with Me ~卒業写真~』『KIZUKI』『千年火』) /脚本:我妻正義(『岸和田少年愚連隊』『新仁義なき戦い』)
プロデューサー:藤倉博 製作:『ラーメン侍』製作委員会
出演:渡辺大 山口紗弥加 津川雅彦 他
配給:ティ・ジョイ/配給協力:東映 九州支社 ©『ラーメン侍』製作委員会

10月22日(土)よりT・ジョイ博多、T・ジョイ久留米他 九州一斉公開!

『ベンダ・ビリリ!』上映会の御礼

『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡』の上映会にお越しいただいた皆様ありがとうございました!

お客様への御礼の言葉を選んでいるうちに思わぬ時間がたってしまいました。

まず上映会前に起こった東日本大震災の事から。
大地震が起きた事をラジオで聞き、慌ててテレビをつけました。
最初の混乱、続く大津波、千葉の石油コンビナートの大爆発...まるで映画かと思うほど現実感のない凄まじい映像の連続に、しばし呆然としました。
しばらくして東京の配給会社から地震による東京都心の機能停止情報が続々入り、もう仕事どころではなく「日本はどうなるんだ...」という不安の中、祈るような気持ちでテレビを見続けました。

そして日々被害の状況があきらかになる中、何本もの映画の上映自粛、延期が決定。

映画を上映するはずだった映画館はもちろん、広告が中止になるメディアやその対応をする代理店に至るまで、とにかく現場は大混乱。
プロジェが関わる作品も2本公開延期が決定。一方で製作宣伝をしている『ラーメン侍』は久留米で撮影中で、出演者が現場入りできなくなったり、予定していたロケ取材を中止せざるを得なくなるなど、事態収拾にてんやわんやでした。

そんな中、今"映画に出来る事"、今"映画を宣伝する意味"を何度も考えました。

作品によっては上映会自体中止していたかもしれません。
でもこの『ベンダ・ビリリ!』は、今やる意義があると信じて実施しました。

「来るかどうか迷ったけど来てよかった」

「今苦しんでいる東北の方たちにこそ見せたい映画ね」

お客様にそう言っていただけて、私たちもたくさん勇気をもらいました。
足を運んでくださったお客様、トークゲストの皆様、サポートしてくださったスタッフの方全てに感謝しています。

これからも映画の可能性を信じ、日々精進してまいりたいと思います。

改めましてこの度の東日本大震災により被災された皆様にお見舞い申し上げます。
個人としてできることはもちろん、仕事を通してできることを模索しながら、1日も早く皆様が元気を取り戻せるよう心からお祈りしております。
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『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡』開始時間の訂正とお詫び

3月19日(土)と20日(日)の16時の回は上映時間調整の為、最大で15分程度ずれこむ予定です。お客様に大変ご迷惑をおかけしますことを、関係者一同心よりお詫び申し上げます。この度の反省を踏まえ、より良い上映会になるよう努めてまいりますので何卒ご容赦ください。