11.06.14
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11.06.02
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別人になりたい気持ちが分かるかな
自分の顔が嫌いだしどこに居たって気付かれる顔じゃない
昔から別人になりたかった
自分に違和感を感じてる
今の僕よりもかっこよくなりたい
個性的な人物になって
生きる目的が欲しい
自分を見つめるより
他人の良い面をマネるほうが楽だ
違う顔にしたり
ダンスや歌う歌を変えればいい
変われるチャンスが待ってるんだ
自分以外の者になる時だ
自分のなりたいものになれれば
世界がよくなる気がする
ミニバイクに乗り、弧を描きながらマイケルジャクソンが向かってくる。
ステージで、パリの路上で、老人ホームで、どこでだってマイケルは踊る。
この映画の凄いところは、マイケルはじめ、
マリリンモンロー、チャップリン、マドンナなど
大スターが集結していることだ。
そんなことを言うと、
「興行収入目的のキャスティング」だの「出演料何億!?」だのと
心配してしまうけれど、
安心していい。
ここに出てくるスターは全員ニセモノなのだ。
つまり、モノマネをしているということになる。
何かのマネをしているうちに、自分がそんな人間になった様な気がしてくる。
例えば、
男っぽい女性がJJファッションに身を包み、女らしくなる。
ラッパーに憧れて、まずはファッションから真似して、
自分がちょっと悪くなった感じがして、
そのうち、ラップをつくり始めたりして、本物のラッパーになったり。
マネから始まって、どんどんそれが『自分』になって
でもそれは自分自身ではなくて、
じゃあ自分って何?ってなって、
そんなこと考えたくないからまたマネして、
自分とマネしている自分の境目が分からなくなっていく。
もう、マネすることでしか生きられない。
マネしないことは考えられない。
マネしない自分は自分じゃない。
そんな人が主人公の映画です。
純粋で不器用な傷つきやすい登場人物たち。
明るく装っているけれど、心は泣いている。
そんなことは、よくある話だ。
納得していないのに、ものわかりの良い振りをして
時間を過ごすことなんて誰しもあるだろう。
そんなことにいちいち傷ついてなんかいられないから、
気持ちに蓋をして、生きていく。
馬鹿みたいだ。
馬鹿だけれど、そうしてしまう。
だって、他にどうすればいいの?
泣き叫んで嫌だ嫌だと駄々をこねるのか。
誰かが犠牲になって、地球が回っているのだとしたら
自分だってこんな我慢はするべきなのだろう。
理想の自分を心に飼っていて、
現実とのギャップに人は苦しむ。
「ひとりがすき」と言う人は、独りじゃないから言えるのだし、
「本当の自分が出せない」と言う人は、『本当の自分』を知っているから言えるのだ。
私は常々、そう言う人を羨ましく思う。
http://www.youtube.com/watch?v=34iC0CUYwRo&feature=player_embedded
ミスター・ロンリー/2008公開 ハーモニー・コリン監督
主題歌 ボビー・ヴィントン
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