ソフィア・コッポラ



 

 

ジョニー・マルコは『スターの男』であり、『父親』でもある。

どこに行ってもモテてしまうし、女性関係がつきまとう。

 

"男性は出産をしないから、父親になる自覚は生まれにくい"

そんな話を聞いた事がある。


 

夜中に一緒にアイスを食べる、一緒にゲームをする、一緒に泳ぐ

子どもみたい、友達みたいな父親が娘の逃げ場となる。


親と「一緒に」居たいという11歳の欲は至極まっとうだ。

我慢を覚えて大人になっていく少女の姿は痛々しくも逞しい。



 

娘をキャンプに送った後、愛車のフェラーリを走らせる。

何も無い一本道で、ついに車を停めて歩き出す。

表情は穏やかだ。彼はきっと何かを得たのだと、分かる。

 

 

 

映像も美しく、間合いの取り方も良い。

感情の起伏がこちら側にも分かり易い。

第67回ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作。

レビューを見ても賞賛する書き込みが多い。

正直、私は何がそこまで評価されているのか分からなかった。

 

しかし、時間が経つごとに積雪の様に心に残り続け

雪解けの様に広がっていく。

 


 

賞は『ゴットファーザー』を父に持つ彼女の

バックグラウンドごと評価されているのではないかと思う。

 

でも、それでいい。

映画は人生だから。 

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『SOMEWHERE』

監督 ソフィア・コッポラ

主演 スティーヴン・ドーフ

98分

2010年公開

 



(どき)


 

知っているか、知らないか。




--トニー滝谷の本当の名前は

 本当にトニー滝谷だった



 

 

絵を描く事がずっと好きだった

だからずっと絵を描いていた

 

気付いた時には独りだったし、

これからもそうだと思っていた

 

 

 

 

ある日突然、出会った美しい人

「なんていうか・・・、服を着るために生まれてきたような人なんだ」

 


彩られていく日常。

『生活甲斐』のようなものを、知る。

ただの一日に、彼女が居る。

孤独という雨が止んだ。

もう一度孤独になったらどうしよう。

全く新しい不安は、これまでの「独り」とは

違う形で胸を刺した。

弱く、甘く、不安定に。

 

 

 



 

 

「ちょっと・・・買い過ぎじゃないか?」

 

 

彼女は押さえられなかった。

着なくてはいけない、という強迫観念があった。

私が着なくては。いや、買ってはいけない。・・・では、誰が着るの?

『買ってはいけないのに!!』

心がおかしくなりそうだった。

 

 

 

 

 

彼女の居なくなった家はとても黒く澱んでいて、

床上5センチくらいしか酸素がないような息苦しさ、

「独り」よりも一人を感じさせた。

この世界で、一人、生きている孤独。

 

 

 

 

スタウィルの似ている女性を雇った。

「一週間分の服を選んで帰ってくれ」

服だけの、彼女のすべての部屋で女は選ぶ。

 


 


--しばらくするとトニー滝谷が様子を見にやってきて

「どうして泣いているのか」と彼女に尋ねた

 

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こんな気持ち知らない方が良かったか?

いいや、知りたかった。ずっと知りたかったんだ。


 

 

 



今でも愛しい、いつまでも愛しい最期の人


 

トニー滝谷

2005年 市川準監督

イッセー尾形 宮沢りえ

ナレーション 西島秀俊

音楽 坂本龍一

原作 村上春樹(1990年文藝春秋)

 


(どき)

謹賀新年

旧年中は誠にお世話になりました。
今年も何卒よろしくお願い致します。






正月に読もうぜ!

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エリート、30歳、黒髪短髪、眼鏡、イケメン。

都会育ちで、端正な顔立ち、大手企業で

ガツガツせずに 出世街道まっしぐら。

はっきり言って、完璧です。

関根くんは完璧なのです。

 

総菜屋に行けばおばちゃんが勝手に大盛りサービス、

初体験は家庭教師に押し倒されて、

高校時代は拒食症の先輩をおぶって保健室へ運んだもんだから

「私も」「私も」とおんぶの列ができたり(無表情でしてあげる関根くん)、

 

今までの受け身人生や何の変哲もない毎日に嫌気がさした関根くんは

手芸教室に通ったり、マジックを習ったりと無表情で変な方向へ。

しかし、なんでもそつなくこなしてしまう。

そんな自分も嫌。

「自分はなんてダメなんだろう!」(ダメじゃねぇ!

思わず涙する姿もまた美しや、君。

 

正直、2巻まではフムフムとしか読んでいなかったんです。

ところが、最近出た3巻で確変が起きました。

 

恋に落ちたと自覚した関根くんが

相手(サラ)の一挙手一投足に一喜一憂する姿!

紳士的な立ち居振る舞い(自然と身に付いた)も炸裂です!!

 

興味もないサーカスに「すごく行きたかった!」とか言うし、

連絡先もなかなか聞けないし、

会いにいったら必ず誰かいるし、

肩すかしをくらいまくる。

(しかもライバル堂島がうざい!)

 

おまけに、まさか自分を好きだなんて思わないサラに

「私たち全然釣り合わないですね!」とか笑顔で言われてしまう・・・

 

「俺は学校と会社以外でどこかに通い詰めたことなんてないんだ!!」

あまりに鈍いサラに迫る関根くん。

ガターン!

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(こんなかんじ)

 

 

 本当の眼鏡イケメンは縁なし(もしくはチタンフレーム)が似合う人なのだと

この漫画でわたくし、胸に刻みました・・・。

 

私は神経質そうな眼をした、背が高い人がどうも好きです。

「蔑んでーーーーーーーー!」ってな具合です(?

 

しかも関根くんは良い匂いがします。

雨も似合うし、アタッシュケースからはみ出た毛糸にも萌。

美しい人というのは、触れたものまで美しく見えるから不思議です。

 

表紙だけでも関根くんの変化を見ることができます。

おすすめは3巻。

 

河内遥

『関根くんの恋』

太田出版 既刊3巻

(『この漫画がすごい!』の女性部門17位らしい。どうなの。どき)



感謝。

先日は野呂英俊39歳の誕生日におきまして、
ビデオレター等でお忙しい中ご協力頂き誠にありがとうございました。

独立以来感情を押し殺していた(本人談)野呂も
思わず涙する出来映えで、また一つ、会社が最強へと近付きました。

関係者の皆さまに深く、感謝申し上げます。




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誕生日会当日の様子。