紺屋2023は、2008年のプレオープンから数えて今年6年目を迎えました。3年ごとの5期、
計15年間のプロジェクトにおける、第2期目を終えようとしています。
この節目に、これからの活動をさらに充実させていくためにも、これまでの活動を
振り返りつつ紺屋2023の「今」を見せる展覧会を企画しています。
何卒ご高覧いただければ幸いです。
紺屋2023は3年×5期、計15年の期限付きプロジェクトです。人生を旅する人たち、
すなわち「トラベラー」のプラットホームとして始動したのが2008年。
早くも第2期が過ぎようとしています。偶然か必然か、このプラットホームに
降り立ったトラベラーたちの化学反応から生まれた数々の活動をアーカイブしようという
企てが、今回の「Mile-age」展です。テーマは「旅」。アーカイブと言えば、通常は
写真や記録などの資料を整理してまとめたドキュメントを想像しますが、本展では、
加えて紺屋2023に降り立った約80名のトラベラーにインタビューすることにより、
彼らの頭の中にある、今、この時点の思考と記憶を引き出し、可視化しました。
今回の展示の挑戦は、トラベラーの思考と紺屋2023の記録を編集し、できる限りモノを
介さず、情報そのものを取り出してお見せすることです。プロジェクターの電源をオンに
した瞬間に konya-galleryが情報空間となり、オフにすれば、何もない空っぽの空間に
戻ります。
旅人たちの夢のあと--紺屋2023が15年の時限を過ぎて、プロジェクトの電源をオフに
したとき、さらに20年、30年、50年、100年と経ち、建物も人もこの場所から去った
ときに、今回の展示と併せて編集している電子ブック「konya-archives」が本当の意味を持つのだろうと
妄想しています。この電子ブックが、データとしてネット空間のどこかにあり続け、
ずっと未来のだれかの目にとまることを願いつつ。
「Mile-age」展ディレクター 池田美奈子
◯展覧会 konya2023 archive 2008-2013「Mile-age」
会期:2013.11.11 Mon - 12.1 Sun 12:00-19:00 ※木曜休み ※入場無料
会場:konya-gallery 福岡市中央区大名1-14-28-2F
ディレクション:池田美奈子 (九州大学)
企画・制作:阿部亜美、荒木彩可、板野雄太、猪口陽平、蔵増理沙、鍬崎七実、
小島清樹、柴田智樹、杉田修平、副島久江、高嶋悠生、竹内彩、陳嘉龍、藤田絃生、
宮﨑絵理、劉露(九州大学・紺屋2023アーカイブ・プロジェクトチーム)
主催:TRAVEL FRONT
◯トークイベント「プロジェクトをアーカイブすること」
紺屋2023の企画から運営までを掘り下げつつ「編集」という切り口でプロジェクトのアーカイブについて考えます。
日時:2013.11.15 Fri 19:00- ※入場無料
会場:konya-gallery 福岡市中央区大名1-14-28-2F
ゲスト:紫牟田伸子(編集家)
モデレーター:池田美奈子
スピーカー:野田恒雄、野呂英俊、宮崎由子
※終了後ささやかな懇親会を予定しています。
|| Profile ||
紫牟田伸子
編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー。美術出版社『デザインの現場』『BT/美術手帖』副編集長、日本デザインセンタープロデュース室チーフ・プロデューサーを経て、2011年より個人事務所を設立。企業や社会・地域に適切に作用するデザインを目指し、地域や企業の商品開発、ブランディング、コミュニケーション戦略などに携わる。地域に関わる主な仕事に「おいしいキッチンプロジェクト」(福井市)、「しこく編集学校」(四国経済産業局)、シビックプライドワークショップ(横浜BANKART、松山市ほか)、「漆の家」(香川県)など。主な共著に『シビックプライド:都市のコミュニケーションをデザインする』(2008)、『クリエイティブ・コミュニケーション・デザイン』(2012)など。シビックプライド研究会メンバー。
池田美奈子
編集者。ドイツの大学で美術史を学んでいた時にバウハウスと出会いデザインの道へ。帰国後、東京芸大大学院を修了し、同大学助手を務めた後、出版社に転職し、デザイン誌の編集者となる。独立し情報デザインを中心に活動を展開。2002年より九州大学准教授。専門はデザインと情報編集。編著書に『情報デザイン』『カラー版日本デザイン史』『編集デザインの教科書』等。
◯記録集「konya-archives」
紺屋2023 の始まりから現在までの、紺屋に関わった多様な人々と活動と場の記録。
内容:紺屋2023の成り立ち/紺屋2023の環境/紺屋2023の活動/紺屋2023に降り立った人々
寄稿:松村冨夫(ジョーキュウ会長)
佐々木喜美代(NPO法人アジアンエイジングビジネスセンター上席研究員)
編集制作:池田美奈子、TRAVEL FRONT、九州大学・紺屋2023アーカイブ・プロジェクトチーム、波々伯部佳子
※会場にてお手持ちの端末にダウンロードしていただけます。
※会期中も随時更新されていく予定です。
【konya2023 archiveについて】
紺屋2023を定点とする「定点観測」をテーマに、2008年から2023年まで3年ごとに、紺屋2023やその周辺の様々なことを観測・分析・編集し提示する試み。2010年に開催した第1回では「記録と記憶」というタイトルで展示を行いました。第2回となる今回は、編集者 池田美奈子氏をディレクターに迎え開催します。
お問い合わせ:TRAVEL FRONT