紺屋サマースクール2013【最終日レポート】

しばらく間が空いてしまいましたが、サマスク最終日のレポートです。

---------------------------------

「新しい流れをつくるメディア」「新しい流れをつくる商品」「新しい流れをつくるクライアント」ときて、4日目のテーマは「新しい流れをつくる」。今日は個人での発表です。今までの賑やかなグループワークと打って変わって、最終日はとても静かで緊張感のある空気が流れていました。各自集中して、今まで取り溜めたメモを見返しながらアイデアを煮詰めていきます。

th_081.jpg

th_059.jpg

th_129.jpg

個人作業なので、場所も方法も人それぞれ。

深夜までギャラリーで作業する人もいれば、ステイの部屋で作業をする人も。

模型を用意する人、スライドを用意する人、模造紙に書き込む人。

他の参加者に相談する人、黙々と作業をする人。

th_015.jpg

th_033.jpg
th_374.jpg

th_241.jpg

th_224.jpg

th_122.jpg

th_362.jpg

th_357.jpg

最終日のショートディスカッションでは、スウェイン佳子さん、池田美奈子さん、村上純志さん、樋口龍二さんの4名のCriticが担当しました。本日は作業に没頭している人が多かったのでショートディスカッションに参加する人は今までより少なめでした。しかし、そういった時間だからこそ気分転換に話をしにきたり、自分の提案について相談をしにきたりと、参加者は自分とCriticの接点を見つけながらショートディスカッションを有意義に利用していたように感じました。

th_148.jpg

th_204.jpg

th_340.jpg

th_253.jpg

そして、最後のサジェッションが始まりました。

このサジェッションで、優秀賞(バランスのとれた秀才型)と特別賞(個性の光る天才型)の2名が選ばれ、シンガポールで行われる「Art On The Edge」への参加権が授与されます。

審査方法は以下の通り。


参加者はまず、一人5分間のプレゼンテーション行います。

1回目の審査では、優秀賞の候補者をCriticと参加者の投票から、特別賞の候補者をCriticのみの投票から、それぞれ3名ずつ選出します。

選ばれた参加者は再度5分のプレゼンテーションと15分間の質疑応答の時間が与えられます。

2回目の審査が行われ、優秀賞と特別賞の2名が決まります。


質疑なし発表のみの5分間、14名の発表がたんたんと進み、時間はあっという間に過ぎていきました。個人の発表は今までのグループ発表で見られなかった個性や表情が溢れており、4回目のSuggestionながら新鮮な気持ちで聞く事ができました。今までの流れを踏まえての提案、全く新しい観点からの提案、自分の専門で突き進めた提案など、内容は様々でしたが、サマースクールの4日間を通してテーマや自身の課題と向き合い、考え抜くことで、それぞれステップアップしたなと感じる発表でした。

th_030.jpg

th_039.jpg

th_049.jpg

th_076.jpg

th_108.jpg

th_140.jpg

th_144.jpg

th_156.jpg

th_167.jpg

th_182.jpg

th_220.jpg

th_248.jpg

審査ではCriticらの票が割れ、なかなか候補者が決まりませんでした。

それだけ、各Criticの心に響く様々な提案が集まったということでしょう。

th_273.jpg
th_404.jpg

th_278.jpg

th_284.jpg

th_288.jpg

th_291.jpg

急遽その場で審査方法を変更し、Criticらが悩みながら選んだのは以下の2名となりました。


【優秀賞】

須沢 栞

被災地仮設住宅の入居者低迷による空き室問題に着目し、放置されている空き室を住み込み式で農業を学びたい若者に貸し出すという提案。住民の多くは農業従事者であったことから、彼らのスキルを生かす場が生まれること。高齢化の進む住民らにとって若者たちが労働力となりうること。収穫した野菜のお裾分けなどを通じて住民の孤立化を予防すること、などの効果が挙げられました。

Criticからは、農業を始めたいという若者の需要がどれくらいあるのか、住み込ませるには戦略的に説得にいかなかければという意見が出ましたが、役割を持たせようという姿勢が新しい流れをつくるポイントとなる点、今の問題に向き合い可能性を感じる細かな提案を行った点について高く評価されました。

th_200.jpg

th_514.jpg

【特別賞】

蔵増 理沙

祖父母世代が亡くなる前に、祖父母の言葉や技術を記録・保存するプロジェクト「Shinuma-ni」。変わりたくない・変われない高齢者が、否が応でも新しい流れを作るきっかけになるのが「死」であると考え、日々の暮らしの中で一人ではなかなか考えにくい死について、若い世代と一緒に考え、準備していこうというもの。具体的には料理レシピや孫の結婚式のサプライズといった次世代へのメッセージの準備や、日めくりカレンダーのような沢山の写真からなる遺影プロジェクトといったサービスが提案されました。

誰もが通る道なのにも関わらず、何故かあまり触れる機会のない死というテーマを取り上げたことが、Criticらの目に留まりました。エンディングノートが話題になっているように、孫のいない人にとってどう終わるかということは重要なこと。若い人からの視点だけでなく上の世代と関わる部分も考えられるとバランスのいい提案になると評価されました。

th_086.jpg

th_524.jpg


最後の挨拶の中で、今回のサマースクールのアイデアとなった建築家ルイス・カーンの一節が紹介されました。


"学ぶための施設は、おそらく、いっぽんの樹の下にいる、あるひとりの人物と、その人物のまわりで、その話を聞く人たち、という風景のなかではじまった。そのいっぽんの樹の下で、自分を教師だとは思ってないひとりの人間が、自分を生徒だと思っていない人たちに、彼/彼女が真実だと思っていることを語った。話を聞いた人たちは「その通りだ、それが真実だ」と思い、自分の子どもたちにも、こんな経験をさせたいと考えたところから、学校ははじまった。これが学校のはじまりの風景だと思います。" 

------- 建築家ルイス・カーン「ビギニングス」より一部抜粋


野田さんは、「今回のサマースクールは、学びの原点に返るというコンセプトとした。ショートディスカッションは聞く力を育てる場、サジェッションは話す力を育てる場。それを踏まえてもう一度今回のサマースクールを振り返ってほしい」と語り、4日間にわたる紺屋サマースクール2013を締め括りました。



th_569.jpg
th_583.jpg
th_613.jpg
th_048.jpg



スタッフ:波々伯部





お盆休みについて

8/14〜16、2階トラベルフロントはお盆休みをいただきます〜
ご迷惑おかけします。