韓国の映画チラシ

韓国で映画を見たら「記念に何か持って帰りたい!」のが日本人。
しかしなんと、韓国にはパンフなどの映画グッズがありません。

映画館で唯一手に入るのは映画のチラシ。
ちなみに韓国では人物にフォーカスしたイメージ写真を使う傾向があります。
チラシに書いてある文字が読めないので、実際映画館で見てみたら想像していた内容と違ったりすることもしばしば。

どちらかと言うと内容とドラマ性を重視する日本では、同じ映画でもビジュアルが全く違うものになることも。

日韓のチラシを比べると文化の差まで見えてきて、なかなか面白いので、いくつかピックアップして並べてみました。

原題『きみはペット』→邦題『きみはペット』
→韓国はゴージャス、日本はナチュラル。大ヒット漫画が原作で松潤×小雪でドラマ化されたし、既に日本での知名度は充分。韓国のビジュアルを使わず、あえて作りなおした日本版チラシはチャン・グンソクファンじゃない人にも見に来てほしいという思いが伝わってきますね。

e300きみはペット2_R.jpg
300きみはペット.jpg
原題『キム・ジョンウク探し』→邦題『あなたの初恋探します』
→イム・スジョンが"初恋探し株式会社"を運営するコン・ユと一緒に、初恋の人キム・ジョンウクを探すというお話です。韓国のチラシは何の話かさっぱりわからんな...。

e300キムジョンウク探し_R.jpg
e300初恋_R.jpg
原題『おじさん』→邦題『アジョシ』
→韓国はウォン・ビンいち押し。日本は大ヒットした『レオン』を彷彿とさせるようなドラマ性のあるキャッチとビジュアルです。たくさん賞をとってるすごい映画だよ!という猛アピール。

e300おじさん_R.jpg
e300アジョシ_R.jpg
原題『下女』→邦題『ハウスメイド』
→韓国もティーザーと本ビジュアル2パターン作るようですが、今回は手に入ったチラシだけを入れてます。もう一枚の韓国のチラシはもろホラーって感じのおどろおどろしいビジュアルです。めがねは日本のチラシの方が好き。サスペンス風でありながら、どこかエロティックな雰囲気。「この家の欲望には果てがない」ってキャッチもいい。

e300下女_R.jpg
e300ハウスメイド_R.jpg
原題『キム氏漂流記』→邦題『彼とわたしの漂流日記』
→とある小島に流れ着いたキムさん。街は眼と鼻の先なのに、カナヅチで向こう岸まで渡れず、SOSサインもことごとく見過ごされる。仕方なくサバイバル生活を送ることになるんですが、そんな彼の様子を超引きこもり少女が望遠カメラで日々観察するという爆笑映画。この内容で、日本のチラシはなぜ「アート可愛い系」なのだ...。

e300キム氏漂流記_R.jpg
e300彼とわたしの漂流日記_R.jpg
原題『糞ハエ』→邦題『息もできない』
→タイトル変えて良かった例ナンバー1ですね。この主演の男性は監督でもあるんですが、韓国であんまり知られてないのに、やっぱりチラシは人物押しするんです。「誰だこの人」のアップで、タイトルが『糞ハエ』って...日本なら即ボツじゃね?

e300くそはえ_R.jpg
e300息もできない_R.jpg
原題『マザー』→邦題『母なる証明』
→実はこのビジュアルは両方とも韓国で使われています。2種類ある内の1つが日本でも採用されました。最初のビジュアルだったら完全にホラーです。邦題の力もあって、想像を刺激する絶妙なあいまいさが生まれました。

e300マザー_R.jpg
e300母なる証明_R.jpg

どっちのビジュアルに惹かれますか?

洋画はこんな感じです。
『コンテイジョン』の韓国のチラシがすごいわ~このビジュアルだと日本では入らないと思う。

『インモータルズ』

e300院もー樽ズ_R.jpg
『コンテイジョン』
300img-Y25124610-0001.jpg
e300紺ティジョン日本_R.jpg


『完璧なパートナー』(原題:완벽한 파트너)

めがね_R (1).jpg
監督:パク・ホンス
俳優:キム・ヨンホ、キム・ヘソン、 キム・サノ、ユン・チェイ
公開日:日本公開未定

e300完璧なパートナー_R.jpg

この映画は1行で単純明快に説明できます。


母と娘、父と息子の2家族がクロスオーバーしてSEXしまくる話です。

終わり。


...って投げ出すわけにはいかないですね。

シナリオ作家の父チュンソクと料理研究家を目指す息子ミンス。
あ、そういえばこの親子は(職業的に全く必要のない)ボディビルダーのような筋肉が自慢です。

わけわからん...

そして有名な料理研究家ヒスクとシナリオ作家を目指すヨニの母と娘。

チュンソクがシナリオを教えている専門学校でヨニと出会い、ヒスクの料理教室でミンスを助手として雇っているわけです。

それぞれが年の離れた恋人を得て、お互いの体におぼれていきます。
生徒や同僚に見つからないようにこっそり付き合い、公私ともに充実した毎日。
しかし2カップルとも最悪の状況で周囲に見つかるわけですよ。

「ああ...やっと見つかった...」とホッとする観客たち(全体の2/3経過)

そうですね...2時間に及ぶSEXざんまいの中での見どころは、料理教室の調理台の上でのはちみつプレイと映画館での触りっこでしょうか?(投げやり)

しっかしまあ...エロも過ぎるとあきるものですね。
始まって30分くらいでお客さんが何人も出て行ったもんなあ...。

めがねが感じる「韓国七不思議」のひとつがこのエロに関することです。
Hな雑誌もあんまりないし、AVにいたっては全然エロくないのに、映画のSEXシーンが過激なのは何故なんでしょうか。
俳優たちの脱ぎっぷりもいいし。

そういえば韓国映画が日本で市民権を得るまで、ビデオ屋さんのセクシーコーナーに分類されてたなあ。

なんかとりとめなくなってしまいました。
ストーリーをまじめにまとめてみましたので「もっと詳しく知りたい!」という方はこちらからどうぞ→http://konya2008-2014.travelers-project.info/503-10/hancine.html

めがねのおススメ度 ★☆☆☆☆

『きみはペット』(原題:너는 펫)

めがね_R (1).jpg
『きみはペット』(原題:너는 펫)
監督:キム・ビョンゴン
俳優:キム・ハヌル、チャン・グンソク
日本公開:2012年1月21日(土)より全国ロードショー
配給:東宝東和
e300きみはペット2_R.jpg
今回ちびっこOと韓国で見た映画の中で花形級のキラキラ映画を僭越ながらめがねが紹介させていただきます。

チャン・グンソクファンが来年の日本公開を心待ちにしている『きみはペット』
地雷を踏んだらグンちゃんファンからサヨウナラされるんじゃないかと思うと、キーを打つ手が震えます。

一時は「男性と犬とを同一視して人格を冒とくした」とかなんとか訴えられた騒動もあったみたいですが、「んなこと関係ねえ!」と現在映画館でバンバン公開中です。

結論からいえば、めがねは
「なんだこのカップルいちゃいちゃしやがって...もう勝手にせえ!」
と思いました(...許して)

見てください、このファンシーな髪型。
チャン・グンソクにしか似合いません。

いや~グンちゃんファンは鼻からの大量出血で死んじゃうかもしれないなー。

ミュージカル俳優(なんだと思う)なので歌って踊る見どころシーン満載。
甘えたりすねたりの超可愛いだけの少年かと思いきや、突然ベッドでせまってきたり(寸止め)、殴り合いのケンカをしてでもキム・ハヌルを自分のものにしようとする男らしい一面も。

特にご主人様(キム・ハヌル)に可愛くお手をするシーンは悲鳴があがるかもしれません。

乙女のツボをケンシロウなみについてくるチャン・グンソクに対し、めがねが心底イラッとしたのは、別の映画では特に嫌いでもないキム・ハヌル

グンちゃんのご主人様といううらやましい役ですが、そもそも大女優なのに、最終的にチャン・グンソクの引き立て役になってしまった感が否めません。

海外ファッション誌の編集部に勤めるバリバリのキャリアウーマン。
高級マンションに住み、いつも最新流行の洋服を身につけ、スカートはパンツが見えそうなマイクロミニに10センチヒール
(イライラ度数30)

休日は女友達3人と集まって、お互いの恋愛話を報告しあいながらマティーニを飲み、ストレスがたまるとサーティワンアイスクリームのドデカサイズを買いこんで会社のトイレでドカ食いするという「SEX AND THE CITY」をもろ意識したOLです
(イライラ度数60)

自分への好意がビシバシ伝わってくる男の子が家にいるにも関わらず、大学時代に好きだった先輩に再会し猛烈アプローチされてメロメロになってしまいます。
(イライラ度数100)

2人の男性が偶然バッティングしたりする場面なんかは、女子的には慌ててごまかそうとするキム・ハヌルに共感してドキドキするところだと思うんですが、イライラMAXの私は「嘘がバレてサッサと両方からふられてしまえ!」とひそかに呪いの言葉を吐くのでした。

ああ...あの馬鹿女...
小雪みたいにツンデレで通せばいいものを...とんだ設定ミスです。

とはいえ、グンちゃんファンなら必見の映画なことに間違いはありません。

お口直しに、めがねがお勧めするチャン・グンソク出演の映画をご紹介。
『楽しい人生』です。
e300楽しい人生_R.jpg
映画としても面白いし、これを韓国で見た時「誰!?こんなかっこいい子韓国にいた?」と盛り上がりました。
こちらもビデオで見てみて下さいね(もう見てるか)

なんだかんだ言いながら、劇場のスタンディを撮影する私。
「あ、いやいやグンちゃんファンってわけじゃないんです」(と劇場スタッフにいいわけ)
e300スタンディ_R.JPG
そして文句たれながら、帰りにキム・ハヌルが食べていたサーティワンアイスを食べる2人。
e300バーキンロビンス_R.JPG
e300アイス1_R.JPG
e300シューティングスター_R.JPG


おいしかった...。

『チリも積もればロマンス』 (原題:티끌모아 로맨스)

ちびっこ_R.jpg
『チリも積もればロマンス』 (原題:티끌모아 로맨스)
監督:キム・ジョンハン
主演:ハン・イェスル、ソン・ジュンギ
公開日:2012年全国ロードショー
配給:CJ ENTERTAINMENT JAPAN

300 ティグルモアロマンス.jpg

「おっと、この子、『トキメキ☆成均館スキャンダル』で見たことある」
と思ったら、男優の方はソン・ジュンギという人。
人気急上昇中らしく韓国でもポスター結構みました。
今流行の童顔イケメンですな(でも、脱いだらモムちゃんなのかしら...?)。 

ヒロインを演じているのは、ドラマ『ファンタスティック・カップル』で悪魔のようなわがまま奥様を演じていたハン・イェスル
美人に似合わぬ、体当たりなコメディエンヌ・センスが好感もてます。

いい年して定職にもつかず、お金もないくせにカワイイ娘の前では見栄を張って大枚はたいちゃうダメ男(ニート?)ジユン(ソン・ジュンギ)。 
一方、空き瓶1本、ハンガー1本無駄にしない貯金命の女ホンジル(ハン・イェスル)。
2人は、オクタンパン(屋根部屋)のお隣さん同士。

ある日、家賃を滞納してついに大家に追い出されたジユンを、お金儲けに利用できると思ったホンジルが、親切なふりをして自分の部屋の外、つまり屋上の一角にテントを張ってジユンを住ませてあげるところから、2人の愉快な共同生活が始まります。 

「お金の作り方を教えてやる」という名目で、まずはジユンの家財一式を売りとばし、次から次へとジユンに自分の仕事を手伝わせるホンジル。

ホンジルの仕事は、いわゆる"なんでも屋"で、どこかで廃業した店があると聞いては備品を回収し販売したり、飲食店に客寄せの有名人のサインや「テレビで紹介されました」的なポップを売ったり、結婚式や葬儀のさくらを集めたり...。
結婚式や葬儀のバイトでは、残り物の料理も持ち帰れて一石二鳥!という日々。 
「世の中にただのものはない」(多分こんな意味だろう)が、彼女の口癖というかモットーらしい。

見どころは、しっかり者のホンジルにお尻を叩かれつつも、相変わらずダメ男なジユンを演じるソン・ジュンギのキュートさ。
甘いルックスはどんな役をやっても得だなぁ!

とはいえ、やはり最大の見どころは、この性格・金銭感覚がまったく違う2人が、どう恋に落ちていくか。
このあたりは韓国ラブコメの真骨頂!
見事なアイテム使いと、ぐっとくるエピソードが満載です。

ネタばれになるので、後半は書きませんが、部屋にテレビもないホンジルがバスの前の席に座っている人の新聞を盗み見し、ぽろっと話した母親との思い出の映画(キム・ミスクとアン・ソンギが出てました!)を閉店した電気屋のショウウィンドーのテレビで見るシーンが最高でした。

SPOの韓流シネマフェスティバルとかDVDなどで、いずれ日本でも観られると思うので、その時はぜひ観て見てください。 

ちびっこOのオススメ度 ★★★★☆

『ワンドゥク』(原題:완득이)

ちびっこ_R.jpg
『ワンドゥク』(原題:완득이)
監督:イ・ハン
主演:キム・ユンソク、ユ・アイン、キム・サンホ
公開日:2012年全国ロードショー
配給:CJ ENTERTAINMENT JAPAN

300 ワンドッキ.jpg

ちびっこOです。
どうにかこうにかハングルは読める私たちですが、正直、意味はほぼ分かりません。

ということで、
「あっ、『チェイサー』の人が出てる」
「『ワンドッキ』って、どういう意味だろうね~」
と言いながら観た1本。

ちなみに"ワンドッキ"というのはユ・アイン扮する主人公のあだ名っぽいです。

ワンドゥク(ユ・アイン)は、ナイトクラブで働く芸人の父親とその弟子でちょっと頭が弱そうなおじさんと3人で暮らす高校生3年生。
性根はいいんだけど、喧嘩っ早くて学校ではちょっと不良の問題児。
隣のオクタンパン(屋根部屋)に住んでいる学校の担任ドンジュ(キム・ユンソク)に、学校でも家でも何かとちょっかいを出されている。

この担任ドンジュが、一見やることなすこと強引でデタラメな暴力教師のようで、実は情にあつい熱血教師。
母親がいなくて、人生の目標も見つけきれてないワンドゥクのことを気にかけ、なんだかんだおせっかいを焼いているのです。

そんなワンドゥクの青春模様に、不器用なドンジュの恋模様が絡んで展開する笑えて心温まるヒューマンドラマでした。

周りのお客さんたちはワンドゥクやドンジュをはじめとする登場人物たちの会話にどかんどかん大爆笑
きっと、すごい面白いセリフだったんだろうな...。

こういうときは韓国語分からなくて残念。
これは、ぜひとも字幕付でもう一度観たいです。

チェ・ミンシクファンのめがねは、想像通りキム・ユンソクにメロメロ。
輪郭とか雰囲気とかそっくりだもんな~。

ちなみに、ユ・アインも『トキメキ☆成均館スキャンダル』に出演していた子。映画では他に『アンティーク』にも出てましたね。
この子もソン・ジュンギ同様に童顔だけど、身長は180cmもあるらしい。
このギャップが魅力なんだろうな。やんちゃな感じでボクシングシーンとかもキマッてました。

ちびっこOのオススメ度
★★★☆☆