2012 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 ①/2

2月23日~26日まで、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に言ってきました。
書こう書こうと思いつつ、すでに帰ってきて2週間が経過...(汗)。

ゆうばり映画祭に行くのは、13年ぶりに2度目。
2006年、夕張市の財政破綻で一時はその存続もあやぶまれた中、地元ボランティアと配給関係者、映画ファンの有志が一丸となって回を重ねている映画祭です。
毎年、映画祭に参加しているF女史にずっと誘われていたんですが、今年ついに一身発起して行ってきました。

新千歳空港からバスで1時間15分。
あたりは一面の雪。北海道だからこれくらい当然かと思っていたら、夕張でも今年は10年ぶりくらいの大雪だとか。風が吹くと半端ない寒さでしたが、それ以上にきれいに積もった美しいパウダースノーは美しかったです。
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とはいえ、町は過疎化が進み、かつての繁華街もさびしい感じ。夜になると空き家も目立ち、こんなところで映画祭が続いていること事態が奇跡的と思えるほどでした。
正直、食事やお茶できる店もそう多くはなく、みんな映画祭会場付近の食堂を兼ねたサロンに密集している感じ。おかげで映画祭のゲストにも頻繁に遭遇します。
町のあちこちには、かつて映画館を飾ったあんな作品やこんな作品の看板が。
こういうのを観ながら歩くと、やっぱり夕張はやっぱり映画祭の町だなと感じました。

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空港から直行で、上映開始にぎりぎり間に合ったオープニング作品は、「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」
1作目大好きだったんで、ゆうばりでいち早く観れてラッキー!
当然ながら1作目に輪をかけたスピード感とスケール感で、敵も当然、手ごわくなってはいるんだけど、その辺はエッセンスの1つというか。まあ、冴え渡るホームズの変人ぶりが最大の魅力でした。見所はずばりラストの変装。ロバート・ダウニーJr.扮するホームズ、お茶目すぎる!!

「シャーロック・ホームズ」は中洲大洋、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ほかで公開中!
http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlockholmes2/
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2日目は、「黒部の太陽 特別編」からスタート。
1968制作、三船敏郎×石原裕次郎の2大スター共演で、監督は熊井啓という超大作。
黒部渓谷に巨大ダム建設するという世紀の難工事に、不屈の精神で挑んだ男たちの実話を基にした"プロジェクトX"的な映画なのですが、『剣岳』も真っ青な山岳シーンからリアルなトンネル工事のシーンまで、CGなんかなかった時代に、こんな映像よく撮れたな~」と驚くスケールの大きさでした。 だから「映画館の大迫力の画面・音声で見て欲しい」という生前の石原裕次郎の遺志もあり、現在もソフト化されていないそう。
全編に垣間見られる高度成長期の日本のイケイケドンドンな社会風潮は、今見ると賛否両論でしょうが、こういう時代を通り過ぎたからこそ今の日本があるんだな、と思える映画でした。ここで観といて良かった。

次に、韓国映画の『探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男』を鑑賞。
この作品は、昨年の映画祭のグランプリを受賞したオ・ヨンドゥ監督が、映画祭×スカパーの支援作品として撮った作品。
不勉強な私はそんな予備知識も何もなしに観たのですが、予想以上に面白かったです!今映画祭一番の拾い物でした。
開発中のタイムマシンをめぐり起こる殺人事件と、依頼に来た直後、自分の目の前で事故にあった依頼者の女性。片腕が義手の気のいい探偵ヨンゴンは、やがて彼女がちょっと先の未来からやって来たことを知り、現在のまだ生きている彼女をなんとか事故から助けようとするのです。
なんとも新発想の探偵SFアクション。
出演者も全然知らない人ばっかりだし、(おそらく低予算だと思いますが)お金かけなくても、こんな面白い映画が作れるかという見本みたいな映画でした。
ちなみに、韓国には探偵という職業は存在しないそう。映画のクレジットに『探偵濱マイク』シリーズでおなじみ林海象監督のクレジットを発見。探偵監修とかしてるのか?
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オ・ヨンドゥ監督(左)

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ヨンゴン役を演じたホン・ヨンゴン(右)とヒロイン役のチェ・ソンヒョン

どうやら、スカパーで3月29日に映画オンエアするよう。
観れる環境の方は、チェックしてみてください。
http://www.bs-sptv.com/program/page/000252.html

この上映があった会場、ホワイトロックKIZUNAと名づけられた仮設の球体型シアター。
これがあればどこでも野外上映会ができるな~。今回は、東北の復興支援で特産品の販売や軽食の販売もしてました。
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「韓国映画特集」福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ

4月のシネラは「韓国映画特集」です。

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期間:4月1日(日)~30日(月・祝)
場所:福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ
観覧料:500円(大人)、400円(大学生・高校生)、300円(中・小学生)
※チケットは当日券のみ

総合図書館に収蔵された作品から選ばれた、バラエティにとんだラインナップ。
小さすぎて見えないかな...詳しくはシネラの公式HPでご確認ください。
公式HP(スケジュールはこちらから)→
http://www.cinela.com/schedule/jsch244korea.htm

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今年もやります「紺屋2023 夜会2012」

夜会の季節がやってきました。
去年は入居したばかりで勝手が分からず、てんやわんやでしたが、今年は受け入れ態勢を万全にして、気合を入れてがんばります。

「紺屋2023 夜会2012」

紺屋2023の4周年、イタリアンバーkasaの3周年を記念して行う建物全体を使ったワインイベント。
いつもはオフィスやアトリエとして使われている部屋も、この1日だけすべてオープンになり、各部屋を巡りながら、ワインと食事と会話を楽しんでいただけます。
紺屋2023が1日限りのワインバーに変身する、大がかりなエイプリルフール。
今年の4月1日は日曜なので、お昼の15時から20時までの時間帯でお待ちしています。
日曜の昼下がり、ご家族、ご友人と、あるいはお一人でふらりと、いかがですか?

日時:4月1日(日)15:00 - 20:00
場所:紺屋2023全体
チケット:1,000円 / 3cup(ワインorカップフード)

★同時開催★
イベント1 / 福岡演劇フェスティバル2012前夜祭(仮)

◎場所 : konya-gallery 企画 : アートマネジメントセンター福岡(AMCF)
◎クロストーク
15:30~ 菜月チョビ(劇団鹿殺し)×松野尾亮(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)
17:30~ 石橋美砂(九州日仏学館)×スウェイン佳子(NPO法人コデックス)

イベント2 / ORIGINAL SHOP「Oove」 場所 : konya-stay(#501)

イベント3 / 混浴温泉世界カフェVol.2 in 福岡 場所 : ART BASE 88(#306)

503号室プロジェでも映画に関する催し物を予定。
温かい食べ物を用意してお待ちしております。

北九州芸術劇場プロデュース公演:柴幸男演出「テトラポット」

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北九州芸術劇場プロデュース公演、柴幸男演出の「テトラポット」を観てきました。

演出家の柴幸男さんは劇団「ままごと」の主宰。
2010年に岸田國士戯曲賞を受賞した期待の劇作家です。

「わが星」で目が覚めるような体験をして以来、新作を楽しみにしてました。

舞台は海の底に沈んだ教室。
散乱する机と椅子、ポツンとおかれたオルガン。
開演までずっとザパーン、ザパーンと波が打ち寄せる音が聞こえています。

冒頭暗転した後、1人の男が出現。
「おーい、誰かー。誰か!誰か!」誰も現れない教室でおびえる男。

暗転するたびに、亡霊のように人が現れては消えていきます。
彼らは男の兄弟とその家族、母親、友人たちのようです。

なんの説明もなされないまま、打ち寄せては引いていく波のように、過去と現在が行ったり来たりを繰り返します。
そして登場人物が時折り奏でる「ボレロ」のメロディも頭の感覚を麻痺させていくようです。

彼らは男に何を伝えたいのか。

3.11を彷彿させる話でありながら、人類の今後のあり方も問題提起するような結末。
「生きろ」という前向きなメッセージも伝わってきます。

終演後、まだ海の底にいるようなボーッとした感覚が抜けませんでした。
"繰り返し"のリズムによって舞台に惹きこまれていく不思議な快感がくせになりそうです。

出演者はオーディションで選ばれた地元劇団の俳優陣が中心だそうですが、いい意味で全体としてまとまらない感じというか、各人の個性が際立つような演出が面白い。

嬉しい事に、柴さんが主宰する劇団「ままごと」の福岡公演があるそうです。

公演名:「あゆみ」TOUR2012
日時:4月19日(木)~20日(金)
場所:イムズホール

詳しくは「ままごと」公式HPへ→http://www.mamagoto.org/ayumi-2011.html

ぽんプラザではトークセッションが!

公演名:ゲキトーク 多田×柴×中屋敷 ~地域の劇作家を育成するリーディング・パネルトーク
日時:3月10日(土)16時~18時
場所:ぽんプラザホール

チェックチェック~♪♪

イ・チャンドン監督無料講演会決定!

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えええ~~!マジで!????

こんな大物どうやって呼んだの!???

映画のキャンペーン???

つか、なんで福岡????

なんでなんで~~!!!

疑問はつきませんが、とにかくこれは行くっきゃないです!
イ・チャンドン監督を知らないという方は、とりあえず『オアシス』を見ましょう!ハァハァ(落ち着け)
念のため日時と場所を書いておきますね!

日時:2月29日(水)18時30分開場、19時開演
場所:西南学院大学 西南コミュニティセンター・ホール

イ・チャンドンって誰か知らないし、DVD借りるの面倒だし、西新まで行きたくないよーという方は、新作映画『ポエトリー』と監督のお話を一度で楽しめる舞台挨拶が同日KBCシネマで行われるそうですのでこちらをチェックしてください。
劇場HP→http://www.h6.dion.ne.jp/~kbccine/

めがねはこれから急いで帰って、講演会までにもう一回イ・チャンドン作品を観たいと思います!
フォォォォオオオオオ~!(興奮)