『ベンダ・ビリリ!』上映会の御礼

『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡』の上映会にお越しいただいた皆様ありがとうございました!

お客様への御礼の言葉を選んでいるうちに思わぬ時間がたってしまいました。

まず上映会前に起こった東日本大震災の事から。
大地震が起きた事をラジオで聞き、慌ててテレビをつけました。
最初の混乱、続く大津波、千葉の石油コンビナートの大爆発...まるで映画かと思うほど現実感のない凄まじい映像の連続に、しばし呆然としました。
しばらくして東京の配給会社から地震による東京都心の機能停止情報が続々入り、もう仕事どころではなく「日本はどうなるんだ...」という不安の中、祈るような気持ちでテレビを見続けました。

そして日々被害の状況があきらかになる中、何本もの映画の上映自粛、延期が決定。

映画を上映するはずだった映画館はもちろん、広告が中止になるメディアやその対応をする代理店に至るまで、とにかく現場は大混乱。
プロジェが関わる作品も2本公開延期が決定。一方で製作宣伝をしている『ラーメン侍』は久留米で撮影中で、出演者が現場入りできなくなったり、予定していたロケ取材を中止せざるを得なくなるなど、事態収拾にてんやわんやでした。

そんな中、今"映画に出来る事"、今"映画を宣伝する意味"を何度も考えました。

作品によっては上映会自体中止していたかもしれません。
でもこの『ベンダ・ビリリ!』は、今やる意義があると信じて実施しました。

「来るかどうか迷ったけど来てよかった」

「今苦しんでいる東北の方たちにこそ見せたい映画ね」

お客様にそう言っていただけて、私たちもたくさん勇気をもらいました。
足を運んでくださったお客様、トークゲストの皆様、サポートしてくださったスタッフの方全てに感謝しています。

これからも映画の可能性を信じ、日々精進してまいりたいと思います。

改めましてこの度の東日本大震災により被災された皆様にお見舞い申し上げます。
個人としてできることはもちろん、仕事を通してできることを模索しながら、1日も早く皆様が元気を取り戻せるよう心からお祈りしております。
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『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡』開始時間の訂正とお詫び

3月19日(土)と20日(日)の16時の回は上映時間調整の為、最大で15分程度ずれこむ予定です。お客様に大変ご迷惑をおかけしますことを、関係者一同心よりお詫び申し上げます。この度の反省を踏まえ、より良い上映会になるよう努めてまいりますので何卒ご容赦ください。

『ベンダ・ビリリ!』上映イベントのアフタートークゲストが決定しました!

映画の内容をより多角的にお話しいただける素晴らしいゲストの方をお招きすることができました。
さらに内容の濃いイベントになりそうです。

①3月18日(金)19:00~の回の上映後アフタートーク
サプライズゲスト!!
⇒『ベンダ・ビリリ!』の音楽的な魅力をディープに語っていただきます。

②3月19日(土)11:30~の回の上映後アフタートーク
ゲスト:樋口 龍二さん(NPO法人まる代表理事)
⇒障害のある人が社会と共有できる、時間・空間・仲間の「3つの『間』づくり」をコンセプトとした障害者福祉を目指す[NPO法人まる]の代表理事を務める。障害のある人によるアートを社会に発信し、「仕事」につなげる中間支援組織[エイブルアート・カンパニー]を立ち上げるなど、アート活動をきっかけに他分野とのネットワークを構築し、障害のある人たちの自己表現を促す活動に力を入れている。3月27日までエイブル・アート2011「Life map」をギャラリーアートリエにて開催中。

③3月20日(日)11:30~の回の上映後アフタートーク
ゲスト:松永 誠剛さん(「NAWASHIROプロジェクト」主催)

⇒自己のトリオ「a.s.k」を中心に、南アフリカ、日本、ヨーロッパで活動する福岡出身のベース奏者、作曲家。いまだアパルトヘイトの名残が残るヨハネスブルグの貧民街ソウェト(スラム)で生活する子供たちに、麻薬や犯罪に手を染める前に音楽に触れる喜びを味わってもらおうと自分が使わなくなった楽器を「手渡し」する活動 "NAWASHIRO (=苗代)プロジェクト"の主催者。10年後の2020年、ミュージシャンとなった彼らと一緒にツアーする事を目指している。

やはりアフタートークがある回にご予約いただくお客様が多いです。
お早めにこちらまでご連絡ください。
℡(092)737-7265 (平日11:00~18:00、イベント期間中10:00~20:00)
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『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡』を自主上映します

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「映画業界は不況知らず」なんて言われていた時代がありました。
でもここ数年、まさかと思うような配給や小さな劇場が次々つぶれています。

映画宣伝は簡単に言うと、その映画を広く知ってもらう事がお仕事。
でも情報を露出してくれる媒体も不況で営業の話しかできないような、何だか社会全体がギスギスした感じ。そんな中、例えば新聞に広告1本出しただけで宣伝費がなくなってしまうような予算のない映画ばかりを抱えて、一体どうやって、何のために映画を"宣伝"するのか分からなくなってきた...と目標を見失っていた時にこの映画に出会いました。

"車椅子や松葉杖で生活するストリートバンドのサクセスストーリー"
「ちょっと重そう」「ターゲットが絞られるタイプのドキュメンタリーだな」
と思いました。

でもこの映画は、そんな野暮な先入観や思い込みを鮮やかに裏切る作品でした。

たくましく、どこまでもポジティブ!
彼らの音楽も生き方も、とにかく全てがカッコよかった。粋でした。
いい映画に感化される、久々に目が覚めるような興奮を味わいました。

「必ず路上生活から抜け出す!」「おれたちは成功する!」
ポリオが原因で障害を持った彼らですが、安い同情なんて全く寄せ付けません。バイクを改造したイカした車椅子に乗り、ちょい悪オヤジファッションで町を流すビリリのメンバー。貧しいストリートキッズを雇ってやったりもするし、家族はもちろん子だくさんで、ミュージシャンとしてだけでなく手に職を持って、地にしっかり根付いた生活をしています。

そして"路上生活者のスポークスマン"を自負している彼らの歌と歌詞がいい。

段ボール(トンカラ)で寝てた俺がマットレスを買った
同じことが起こりうる お前にも 彼らにも
人間に再起不能はない 幸運は突然 訪れる
人生に遅すぎることは絶対ない ~「トンカラ」より

彼らは空き缶で作った手作りの一弦楽器を演奏し、家族を養おうとしている1人のストリートキッズ・ロジェと出会い、バンドの重要なメンバーとして、またある時は親子のように育てていきます。
一方で、ビリリに惚れ込み、一文無しになっても彼らの素晴らしさを世界に発信したいと奮闘する監督たち"映画人"の物語も同時進行。
5年の歳月の間に、出来すぎたドラマのように彼らを襲う困難の数々。
しかし、そのたびにバンドのリーダーでもあるパパ・リッキーは「そんな日もあるよ」と前向きにメンバーを、そしてカメラの向こうにいる監督たちを励まします。
やがて彼らが練習場所にしている動物園での野外録音を経て、待望のアルバムが発売。その確かな音楽性で彼らはたちまちヨーロッパツアーを行うまでに成長します。

これは彼らのサクセスストーリーであり、ロジェの成長物語であり、なにより監督たちと彼らの信頼の物語でもあります。

この素晴らしい映画との出会いをきっかけに、映画宣伝というものを改めて見つめなおすいい機会になりました。「映画の良さを、たくさんの人に伝えたい」そんな初心にかえった純粋な気持ちで行う上映イベントです。ぜひ、お越しください。
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